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TOKAI Research Memo(3):情報・通信が売上高の伸びをけん引、全セグメント利益が大幅増

注目トピックス 日本株
■TOKAIホールディングス<3167>の決算動向

(2)セグメント別業績

a)ガス・石油事業
ガス・石油事業の売上高は前年同期比13.8%減の17,479百万円、営業利益は同17.8%増の2,197百万円と減収増益となった。主力のLPガス事業は、営業エリアの拡大に伴い顧客件数が前年同期比で8千件増の580千件(前期末比横ばい)となったものの、気温が例年よりも高く推移したことが影響し販売数量は前年同期並みの水準にとどまった。また、前期に実施した仕入価格低下による販売価格の引き下げにより売上高は減収となったものの(販価引き下げの影響は-24億円)、営業利益は仕入価格の低減効果や業務効率の向上による販管費削減などにより増益となった。

都市ガス事業についても、顧客件数は前年同期並みの54千件となり、原料費調整制度による販売単価の低下で売上高は減収となった。

b)情報・通信サービス事業
情報・通信サービス事業の売上高は前年同期比19.9%増の11,780百万円、営業利益は同32.2%増の913百万円となった。ブロードバンド市場全体が伸び悩むなかで、同社はISPの既存顧客に対して光コラボへの転用を積極的に推進したほか、新規顧客の獲得にも注力し、光コラボの契約件数は前年同期比193千件増の251千件(前期末比+32千件)と順調に拡大した。光コラボの顧客数増加に伴い、ブロードバンド事業における1契約当たりの月額収入は前年同期比38%増の3千円に、営業利益も同58%増の330円となり、第1四半期の売上高で19億円、営業利益で3億円の増収増益要因となった。ただ、ブロードバンド事業全体の契約件数で見れば、既存のISPサービスの解約数が光コラボの増加分を上回ったことで前年同期比14千件減、前期末比でも7千件の減少となっており、今後の課題となっている。顧客流出分の大半は大手携帯キャリアに流れたものと見られる。

一方、法人向けのデータ通信サービス及びシステム開発については売上高、営業利益ともほぼ前年同期並みの水準で推移した。

c) CATV事業
CATV事業の売上高は前年同期比2.7%増の6,241百万円、営業利益は同44.1%増の717百万円となった。契約件数は放送サービスが前年同期比9千件増の501千件(前期末比2千件増)、通信サービスが同15千件増の215千件(同4千件増)といずれも順調に拡大した。前期に引き続き集合住宅向けのバルク販売に注力したほか、放送と通信のセット販売による割引施策や大手携帯キャリアとの連携によるスマートフォンとのセット割引の継続により新規顧客が増加したほか、カスタマーサポートの強化による解約防止などに取り組んだことも契約件数の増加に寄与した。営業利益では増収効果に加えて、のれん償却額の減少も増益要因となった。

d)建築・不動産事業
建築・不動産事業の売上高は前年同期比14.9%減の3,414百万円、営業利益は同28.3%増の81百万円となった。受注は順調に推移したものの、マンション販売や店舗等の新築工事の案件がなかったことやリフォーム事業において太陽光発電の機器販売が減収となったことが減収要因となった。リセプション事業(建物管理サポート)や戸建て分譲事業の売上高はそれぞれ前年同期並みの水準となった。利益面では販売構成比の変化により増益となっている。

e)アクア事業
アクア事業の売上高は前年同期比7.9%増の1,424百万円、営業利益は19百万円(前年同期は227百万円の損失)と四半期ベースで初めて黒字化した。6月末の顧客件数が前年同期比4千件増の134千件(前期末比1千件増)と増加したことで1億円の増益要因となったほか、顧客獲得費用や広告宣伝費の抑制により販売費用を1億円削減したことが増益要因となった。

f)その他・調整額
その他・調整額においては、売上高が前年同期比11.1%増の1,277百万円、営業損失が1,060百万円(前年同期は1,182百万円の損失)となった。

介護事業では、静岡県内で7施設を展開しているデイサービス施設や介護付き有料老人ホームの利用者数増加により売上高が順調に拡大し、営業損失も縮小した。また、婚礼催事事業も婚礼挙式組数の増加等により増収となった。一方、造船事業は工事量の減少により減収となった。なお、婚礼催事事業において2施設のうち、稼働率の低かった1施設を2017年3月末で閉館することを発表しており、2017年4月以降は1施設のみの運営となるが、利益面では2018年3月期以降黒字化する見通しとなっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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