フュージョン Research Memo(5):16/6期は利益率の高いSaaS/ASPサービスが増収増益に寄与
[16/09/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
(1) 2016年6月期業績概要
8月15日付で発表されたフュージョンパートナー<4845>の2016年6月期の連結業績は、売上収益が前期比20.4%増の2,693百万円、営業利益が同14.0%増の616百万円、税引前利益が同116.2%増の1,196百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同129.6%増の830百万円と売上収益、利益ともに過去最高を更新する好決算となった。なお、当期よりIFRSに移行しており、前期業績もIFRSに組み替えて比較している。
売上収益はサイト内検索サービスの「i-search」やFAQサービスの「i-ask」を中心に主力のSaaS/ASPサービスの売上が堅調に推移したことに加えて、Webサービスの売上が大型案件の寄与により前期比82.0%増の750百万円と大幅増となったことが寄与した。
売上原価率が前期の39.3%から44.5%に上昇したが、これはWebサービスの大型案件増に伴う外部委託費の増加が主因となっている。また、販管費率は人件費の増加等があったが増収効果で吸収し、前期の33.6%から32.5%に低下した。
税引前利益は利益率の高いSaaS/ASPサービスの売上収益が堅調に推移したことに加えて、持分法適用関連会社であったエイジアの株式売却益527百万円を計上したことで大幅増益となった。なお、エイジア株はすべて売却している。
(2)サービス別売上動向
主要サービス別の売上動向を見ると、主力の「i-search」や「i-ask」などSaaS/ASPサービスは金融・保険、情報通信、製造業など様々な業界で新規顧客を獲得し、着実に売上を伸ばした。
また、Webサービスは大型案件の寄与により前期比82.0%増の750百万円と大幅増となった。損害保険ジャパン日本興亜(株)から前期に、企業向け(運送業者等)安全運転支援サービス「スマイリングロード」のビッグデータ処理・管理システムの開発と、その運用サービスを受注したのに続き、当期は同プロジェクトの継続開発と個人向けとなるスマートフォン用アプリ「ポータブルスマイリングロード」で同様のシステム開発・運用サービスの受注を獲得し、売上に寄与したことが要因だ。
「ポータブルスマイリングロード」はドライバーが専用のスマートフォンアプリ(無料)をダウンロードすることで、「万が一の事故時のサポート機能」「ドライバーの走行データを損保ジャパン日本興亜独自のアルゴリズムにより分析した安全運転診断」「運転中の天候・道路・運転情報のリアルタイムワーニング」等を提供するサービスとなる。同社が開発したWebシステムで走行データ等の情報をリアルタイムで収集し、管理・運用するドライバーの安全運転支援ツールとなる。
2015年3月より運用が開始された企業向け(運送業者向け等)の「スマイリングロード」では、導入先企業での事故発生率が導入前から20%減少するなどその効果が出ており、個人向けについても同様の効果が期待される。保険会社にとっては事故発生率の低下により、保険金の支払いが減少するといったメリットがあるほか、顧客満足度の向上に寄与するサービスとなる。
損害保険ジャパン日本興亜向けの売上は、2016年6月期はさらに拡大したものと見られる。また、同システムの運用サービスは月額収入となるが、売上規模としては月間で数百万円レベルと同社の中では単一顧客として最も売上規模の大きいサービスとなっている。同社では今回の開発実績を基に、ビッグデータを収集して管理・運用するサービスを他の保険会社などにも横展開していきたい考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(1) 2016年6月期業績概要
8月15日付で発表されたフュージョンパートナー<4845>の2016年6月期の連結業績は、売上収益が前期比20.4%増の2,693百万円、営業利益が同14.0%増の616百万円、税引前利益が同116.2%増の1,196百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同129.6%増の830百万円と売上収益、利益ともに過去最高を更新する好決算となった。なお、当期よりIFRSに移行しており、前期業績もIFRSに組み替えて比較している。
売上収益はサイト内検索サービスの「i-search」やFAQサービスの「i-ask」を中心に主力のSaaS/ASPサービスの売上が堅調に推移したことに加えて、Webサービスの売上が大型案件の寄与により前期比82.0%増の750百万円と大幅増となったことが寄与した。
売上原価率が前期の39.3%から44.5%に上昇したが、これはWebサービスの大型案件増に伴う外部委託費の増加が主因となっている。また、販管費率は人件費の増加等があったが増収効果で吸収し、前期の33.6%から32.5%に低下した。
税引前利益は利益率の高いSaaS/ASPサービスの売上収益が堅調に推移したことに加えて、持分法適用関連会社であったエイジアの株式売却益527百万円を計上したことで大幅増益となった。なお、エイジア株はすべて売却している。
(2)サービス別売上動向
主要サービス別の売上動向を見ると、主力の「i-search」や「i-ask」などSaaS/ASPサービスは金融・保険、情報通信、製造業など様々な業界で新規顧客を獲得し、着実に売上を伸ばした。
また、Webサービスは大型案件の寄与により前期比82.0%増の750百万円と大幅増となった。損害保険ジャパン日本興亜(株)から前期に、企業向け(運送業者等)安全運転支援サービス「スマイリングロード」のビッグデータ処理・管理システムの開発と、その運用サービスを受注したのに続き、当期は同プロジェクトの継続開発と個人向けとなるスマートフォン用アプリ「ポータブルスマイリングロード」で同様のシステム開発・運用サービスの受注を獲得し、売上に寄与したことが要因だ。
「ポータブルスマイリングロード」はドライバーが専用のスマートフォンアプリ(無料)をダウンロードすることで、「万が一の事故時のサポート機能」「ドライバーの走行データを損保ジャパン日本興亜独自のアルゴリズムにより分析した安全運転診断」「運転中の天候・道路・運転情報のリアルタイムワーニング」等を提供するサービスとなる。同社が開発したWebシステムで走行データ等の情報をリアルタイムで収集し、管理・運用するドライバーの安全運転支援ツールとなる。
2015年3月より運用が開始された企業向け(運送業者向け等)の「スマイリングロード」では、導入先企業での事故発生率が導入前から20%減少するなどその効果が出ており、個人向けについても同様の効果が期待される。保険会社にとっては事故発生率の低下により、保険金の支払いが減少するといったメリットがあるほか、顧客満足度の向上に寄与するサービスとなる。
損害保険ジャパン日本興亜向けの売上は、2016年6月期はさらに拡大したものと見られる。また、同システムの運用サービスは月額収入となるが、売上規模としては月間で数百万円レベルと同社の中では単一顧客として最も売上規模の大きいサービスとなっている。同社では今回の開発実績を基に、ビッグデータを収集して管理・運用するサービスを他の保険会社などにも横展開していきたい考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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