TC-Leas Research Memo(5):2016年3月期の経常利益は同社発足以来7期連続で過去最高を更新
[16/09/15]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■業績動向
(1) 2016年3月期決算の概要
東京センチュリーリース<8439>の2016年3月期の業績は、売上高が前期比6.5%増の9,405億円、営業利益が同12.8%増の659億円、経常利益が同12.1%増の680億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同17.3%増の400億円と期初予想を上回る増収増益となり、経常利益は同社発足以来7期連続で過去最高益を更新した。営業資産残高も前期末比4.4%増の2兆9,911億円と順調に拡大している。
注力する航空機ビジネスや太陽光発電事業、アジア・米国法人の営業資産残高の拡大が増収に寄与した。
財政状態については、営業資産残高の積み上げなどにより、有利子負債は長短合わせて前期末比5.4%増の2兆5,515億円、総資産は前期末比5.3%増の3兆3,179億円となった。純資産も内部留保の積み増しにより前期末比11.4%増の3,749億円となり、この結果、自己資本比率は9.6%(前期末は9.3%)に改善した。
一方、資産効率を示すROA(総資産経常利益率)は2.1%(同2.0%)、ROE(自己資本当期純利益率)も13.1%(同12.5%)と収益性の向上を主因にそれぞれ改善している。
各事業分野別の業績は以下のとおりである。
国内リース事業分野
営業資産残高は前期末比2.8%減の1兆4,920億円。厳しい事業環境が続くなかで、採算性を重視したため営業資産残高は減少したが、情報通信機器を中心に付加価値の高い営業スタイルを推進し、フローのスプレッド(利鞘)を改善させている。また、ITツールを活用した事業展開などが評価され経済産業省等が進める「攻めのIT経営銘柄※」に2年連続で選出される他、経産省が実施した「先端設備等の投資促進事業」においてはシェア約50%(約1,000億円)の実績などを挙げている。
※東証上場企業約3,500社の中から26社が選出。中長期的な企業価値の向上や競争力の強化という視点で積極的なITの利活用に取り組んでいる企業が対象
スペシャルティ事業分野
営業資産残高は前期末比19.0%増の8,367億円と大きく拡大した。注力する「航空機」と「不動産」の伸びが顕著であった。特に、米国CIT社との航空機リース事業では、営業資産残高が約1,300億円、航空機保有機体数も27機(前期末比13機増)に拡大している。また、「不動産」については商業施設や物流施設向け大型リース案件などが営業資産残高の増加に寄与した。「環境・エネルギー」についても順調であり、京セラとの合弁事業による太陽光発電資産が増加している。合弁会社の営業資産残高は238億円に拡大するとともに、40カ所が稼働済(80.7MW)となっている。
国内オート事業分野
営業資産残高は前期末比7.8%増の4,097億円、車両管理台数(総数)も約57万台(前期末比3万台増)に拡大した。
ニッポンレンタカーサービスの営業資産残高は前期末比横ばいの283億円であったが、日本カーソリューションズの営業資産残高は前期末比5.4%増の2,925億円、オリコオートリースの営業資産残高は同22.4%増の961億円と伸長した。特に、成長余地の大きい個人向けオートリース(オリコオートリース)が大きく伸びているところは注目すべき点である。
国際事業分野
営業資産残高は前期末比1.9%増の2,527億円に拡大した。アジア通貨が前期末比円高で推移したため、アセアン拠点の営業資産残高が減少する中、米国・東アジアの現地法人の営業資産残高が増加した。
今後は2016年6月に連結化したCSIリーシング社の営業資産残高および損益が加わる他、世界37カ国に拡大した海外ネットワークを活用し、新たな事業領域の開拓にも期待している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<HN>
(1) 2016年3月期決算の概要
東京センチュリーリース<8439>の2016年3月期の業績は、売上高が前期比6.5%増の9,405億円、営業利益が同12.8%増の659億円、経常利益が同12.1%増の680億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同17.3%増の400億円と期初予想を上回る増収増益となり、経常利益は同社発足以来7期連続で過去最高益を更新した。営業資産残高も前期末比4.4%増の2兆9,911億円と順調に拡大している。
注力する航空機ビジネスや太陽光発電事業、アジア・米国法人の営業資産残高の拡大が増収に寄与した。
財政状態については、営業資産残高の積み上げなどにより、有利子負債は長短合わせて前期末比5.4%増の2兆5,515億円、総資産は前期末比5.3%増の3兆3,179億円となった。純資産も内部留保の積み増しにより前期末比11.4%増の3,749億円となり、この結果、自己資本比率は9.6%(前期末は9.3%)に改善した。
一方、資産効率を示すROA(総資産経常利益率)は2.1%(同2.0%)、ROE(自己資本当期純利益率)も13.1%(同12.5%)と収益性の向上を主因にそれぞれ改善している。
各事業分野別の業績は以下のとおりである。
国内リース事業分野
営業資産残高は前期末比2.8%減の1兆4,920億円。厳しい事業環境が続くなかで、採算性を重視したため営業資産残高は減少したが、情報通信機器を中心に付加価値の高い営業スタイルを推進し、フローのスプレッド(利鞘)を改善させている。また、ITツールを活用した事業展開などが評価され経済産業省等が進める「攻めのIT経営銘柄※」に2年連続で選出される他、経産省が実施した「先端設備等の投資促進事業」においてはシェア約50%(約1,000億円)の実績などを挙げている。
※東証上場企業約3,500社の中から26社が選出。中長期的な企業価値の向上や競争力の強化という視点で積極的なITの利活用に取り組んでいる企業が対象
スペシャルティ事業分野
営業資産残高は前期末比19.0%増の8,367億円と大きく拡大した。注力する「航空機」と「不動産」の伸びが顕著であった。特に、米国CIT社との航空機リース事業では、営業資産残高が約1,300億円、航空機保有機体数も27機(前期末比13機増)に拡大している。また、「不動産」については商業施設や物流施設向け大型リース案件などが営業資産残高の増加に寄与した。「環境・エネルギー」についても順調であり、京セラとの合弁事業による太陽光発電資産が増加している。合弁会社の営業資産残高は238億円に拡大するとともに、40カ所が稼働済(80.7MW)となっている。
国内オート事業分野
営業資産残高は前期末比7.8%増の4,097億円、車両管理台数(総数)も約57万台(前期末比3万台増)に拡大した。
ニッポンレンタカーサービスの営業資産残高は前期末比横ばいの283億円であったが、日本カーソリューションズの営業資産残高は前期末比5.4%増の2,925億円、オリコオートリースの営業資産残高は同22.4%増の961億円と伸長した。特に、成長余地の大きい個人向けオートリース(オリコオートリース)が大きく伸びているところは注目すべき点である。
国際事業分野
営業資産残高は前期末比1.9%増の2,527億円に拡大した。アジア通貨が前期末比円高で推移したため、アセアン拠点の営業資産残高が減少する中、米国・東アジアの現地法人の営業資産残高が増加した。
今後は2016年6月に連結化したCSIリーシング社の営業資産残高および損益が加わる他、世界37カ国に拡大した海外ネットワークを活用し、新たな事業領域の開拓にも期待している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<HN>