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オンコリスバイ Research Memo(1):テロメライシンの臨床試験に向けた取り組みが国内外で進行中

注目トピックス 日本株
オンコリスバイオファーマ<4588>は、腫瘍溶解ウイルスによる新規がん治療薬や新規がん検査薬の開発を目的に2004年に設立されたバイオベンチャー。開発した医薬品候補のライセンスアウトと上市後のロイヤリティ収入で収益を獲得する医薬品事業と、CTC(血中循環がん細胞)検査薬の販売及び受託検査からなる検査事業を展開する。まだ、開発品の上市実績はなく、開発ステージの企業となる。

主要パイプラインであるテロメライシンの臨床試験に向けた動きが国内外で着々と進んでいる。国内では、食道がんを対象に放射線を併用した第1相臨床試験のほか、固形がんを対象に他の治療法との併用による医師主導臨床治験が2016年内にも開始される見込みだ。また、米国でメラノーマを対象とした第2相臨床試験のプロトコル申請も完了し、2017年上期中には中間解析を行い、結果が良好であればライセンス交渉も開始する。また、中国の製薬企業である江蘇恒瑞医薬股フン有限公司(以下、ハンルイ社)と中国内における導出を前提とした基本合意書を5月に締結し、中国市場での開発が進む可能性も出てきた。

HIV感染症治療薬として開発中のOBP-601に関して、米国のLBR Regulatory and Clinical Consulting Services,Inc.(以下、LBR社)とオプション契約を5月に締結、米国で第3相臨床試験の実施に向けた取り組みを進めていく。また、CTC検査薬として開発を進めるテロメスキャンは、米国、韓国での事業化に向けてライセンス契約先企業において臨床開発が進んでいるほか、欧州や中国でもライセンス契約活動も進めている。

2016年12月期第2四半期累計(2016年1月−6月)の業績は、検査事業の増収により売上高が44百万円(前年同期は7百万円)、営業損失が410百万円(同505百万円の損失)となった。2016年12月期通期の業績は、売上高が前期比55.5%増の188百万円、営業損失が1,273百万円(同951百万円の損失)となる見通し。下期は検査事業の拡大に加えてテロメライシンの契約一時金収入等により、増収となる見通し。損益面では、国内外での治験開始による研究開発費増や、米国でのライセンス契約活動及び研究開発活動の加速を目的とした子会社設立に伴う費用増などにより損失額が拡大する見込みとなっている。

2017年12月期も研究開発費の増加により営業損失が続く可能性は高いが、テロメライシンを中心に開発は着実に前進しており、今後の開発動向が注目される。

■Check Point
・OBP-601について2016年5月に米LBR社をオプション契約を締結
・テロメスキャンは転移・再発がんの早期発見用検査薬としての事業化を目指す
・ハンルイ社との今後の連携に注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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