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ワールドHD Research Memo(7):M&Aにも積極的に行う方針、今期より新たに専門部署を新設

注目トピックス 日本株
■ワールドホールディングス<2429>の今後の見通し

(3)今後の取り組みについて

2012年に発表した中期5ヶ年計画の最終年度となる2016年12月期の業績は、売上高で若干目標値を下回る可能性があるものの、営業利益では当初目標値の50億円を上回って着地する見通しだ。また、財務面では有利子負債の増加によって自己資本比率で当初目標(25%以上)をやや下回る見通しとなっており、財務面での改善が今後の課題となりそうだ。

2017年からスタートする次期5ヶ年計画については、今期中に策定する予定となっているが、基本戦略に大きな変更はないものと考えられる。全体的には成長性と収益性をさらに高めるための最適ポートフォリオの構築を図ることを基本方針とし、より成長が見込める分野への経営資源の投入、並びにグループでの連携強化によりシナジー効果を高め、利益拡大を重視していく戦略となる。また、M&Aの活用も引き続き積極的に行っていく方針で、今期より新たに専門部署を新設し5人体制で案件の選別、検討を進めている。事業別の取り組みは以下のとおりとなる。

a)人材・教育ビジネス
人材派遣業界を取り巻く環境は、労働者人口の減少に伴い慢性的な人材不足が続くなかにおいて、労働者派遣法の改正もあって、今後は顧客側が派遣会社をより選別する流れになってくると見られる。一方で、応募者側から見ると多様な就業ニーズを実現できる、あるいはキャリア形成が実現可能なインフラが整備されている派遣会社を志向する流れが強まってくると見られ、今後は派遣会社の淘汰が進んでいくものと想定される。

こうした市場変化のなかで、同社は派遣ビジネスを従来の顧客企業ニーズに合わせたマッチングビジネスという捉え方から、「人と仕事を創りだす=労働人口の最大化」という新たなビジネスとして捉え、その実現に取り組んでいく方針だ。このため今後もアウトソーシングの領域を周辺領域に広げていくことで、人材プラットフォームの基盤を拡充し、また、エンジニア領域においては技術革新に追随できる教育体制を整備していくことで、アウトソーシングニーズを取り込んでいく考えだ。

b)不動産ビジネス
デベロップメント事業においては、同社の強みである精緻なマーケティングを最大限に活用し、種地の先行取得から周辺地の権利調整を行い、他社にはできない事業用地の創出を行っている。この強みを活かしつつ、自社開発もしくは土地の価値を高めた上での用地売却を状況に応じて使い分けながら、安定した収益基盤を確保していく戦略で、今後はリノベーション事業やユニットハウス事業を成長ドライバーとして強化していく方針だ。ユニットハウス事業については東京オリンピックに向けた需要拡大も見込まれており、事業拡大の好機と捉えている。

c)情報通信ビジネス
携帯ショップ事業については、顧客囲い込みにつなげるためのサービス拡充とM&Aを活用したエリア拡大により事業規模を大きくし、また、利益率の高い商材(LED照明等)の拡充を進めることによって、事業全体の収益性向上を目指していく考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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