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MDV Research Memo(2):投資回収フェーズでは売上高経常利益率が2倍に改善も

注目トピックス 日本株
■事業概要

(1) MDVの4つの成長フェーズ

メディカル・データ・ビジョン<3902>は、EBM(Evidence Based Medicine:根拠に基づく医療)による医療の質向上、ひいては生活者にとってのメリット創出のため、医療・健康情報の利活用サービス提供を事業目的としている。当初は利活用できるデータベースがなかったことから、2003年の創業から2014年12月期までの第1・2フェーズに、医療機関にシステムを提供することで信頼関係を築き、ネットワークを構築した後に、蓄積したデータを利活用するサービスを開始した。

第3フェーズとなる2015年12月期〜2016年12月期は、データ利活用サービスの更なる発展のため新たなデータベースを構築する投資時期としている。従来の急性期入院患者に限定されるDPCデータに対し、電子カルテ情報は、リアルタイム性が高く、より広範囲な医療行為をカバーするため、データベースの価値を格段に高める。同フェーズは、トップラインが成長し続けるものの、先行投資負担が利益の伸びを抑制する。

2017年12月期以降の第4フェーズは、投資回収フェーズに当たる。DPCデータと電子カルテ情報をベースとしたデータベースは、業界における唯一無二の存在となる。データ利活用サービスのユーザは、製薬会社、OTC医薬品や食品などOTC・H&BC関連企業に加え生命保険会社へと広がってきた。同社のデータ利活用サービスに対し、既存顧客における利用の高度化、利用部署の広がりと新規ユーザの増加が見込まれる。投資フェーズで医療データサイエンティストの増員などを先行的に進めてきたことから、投資回収フェーズでは販管費の増加率が増収率を下回るだろう。売上総利益率が約80%と極めて高く、売上高経常利益率が現在の10%程度から20%超へと向上する可能性は高い。

2015年12月期の売上高(2,413百万円)は、データネットワークサービスが60.1%(うちパッケージが30.3%、メンテナンスが29.8%)、データ利活用サービスが39.9%(うちMDV analyzerが10.0%、アドホック調査サービスが28.4%、新規が1.5%)に分かれる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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