C&GSYS Research Memo(3):幅広い対応が可能なため、顧客はワンストップでニーズを満たすことが可能
[16/09/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(3)特色と強み
C&Gシステムズ<6633>は金型設計用CAD/CAMシステムの専門メーカーであるが、強みの1つが2次元/3次元両方に対応した高機能なCAD/CAMシステムをラインナップしていることである。また、同社製品は大小さまざまな金型への対応が可能であり、付加価値の高い0.2ミクロンほどの微細品用や自動車のバンパー向けの大きな金型などに対応できることも同社の特色、強みである。このように専業メーカーとして幅広い対応が可能なため、顧客はワンストップで様々なニーズを満たすことが可能になる。
特に同社製のCAMは、独自の演算プログラムにより、高精度加工※を実現し、世界でもトップクラスの高い評価を得ている。また、金型の設計段階から加工設定を行え、効率的な金型製作を実現している。多くの製品が「自社開発品」であるため、顧客ニーズをすぐに次の製品にフィードバックすることもできる。
※最終製品である金型の精度は、切削や加工を行う工作機械の精度に左右されると思われがちだが、実はCAMの精度が低いと工作機械の性能が十分に生かされない。精巧な金型を製造するためには、高性能な工作機械だけでなく高精度のCAMが重要な役割を果たしている。
そのため同社の顧客(事業所)数は、前述のような自動車、電機、精密等の大手メーカーや各種部品メーカーを中心に7,000以上に上っている。これらのユーザーの多くは、継続的に同社と保守契約を結び、新製品購入の場合でも同社を優先することが多い。その結果、ここ数年間の既存顧客の保守更新率は常に90%前後(2015年12月期は約92%)となっており、業界標準を大きく上回っている。この事実が同社の収益基盤を安定的なものとしており、堅実経営を可能にしている。
また同社の販売は約80%が代理店経由となっているが、主要代理店とは30年以上の協力関係があり、この間に培ってきた代理店との強いパートナーシップも同社の強みと言えるだろう。さらに海外の主要拠点にテクニカルセンターを設置していることから、国内外で同レベルの製品・サービス・支援を提供しており、これにより海外市場へ水平展開を図る顧客の囲いこみが可能となっている。つまり、同社は顧客の水平展開への適応力を備えたCAD/CAMシステムメーカーであり、これも同社の強みの1つだろう。
以下は、同社製品の主な導入事例である。
a)オムロン
制御機器や電子部品の大手であるオムロンは、同社が提供するCAD/CAMシステムの導入によって、3次元設計、CAM、3次元ビューワー(閲覧ソフト)を構成し、これによってデータ連携が可能になり金型製作工程全体の効率化に成功した。
特に3次元ビューワーによって図面レス化が進み、図面製作時間を約30%削減した。将来的には部品の標準化や設計の自動化などの改良をさらに進めて、金型設計の納期を70%まで削減する計画とのことである。
(参考:「CGS-LETTER Vol.33 2013年7月1日号」)
b)昭和精機工業(株)
徳島県に拠点を置く自動車部品(インストルメントパネル、ドアパネル、バンパー等)や金型設計・製造企業。プロセス改革の一環として、同社の「CAM-TOOL」を導入した。
その結果、それまで放電加工機に頼っていた直彫りが難しい箇所も、「CAM-TOOL」によって直彫りが可能となり、電極作成に関連する多くの工程で時間短縮、コスト削減を実現した。昭和精機工業の某役員は、「プロセス改革は『CAM-TOOL』と一体になって推進されたと言っても過言ではない」と述べているそうだ。
(参考:「CGS-LETTER Vol.31 2013年5月15日号」)
さらに同社は、話題となっている3Dプリンタ関連ソリューションの分野でも積極的に研究開発を進めている。ただし同社が開発を進めているのは樹脂の積層による従来型の3Dプリンタ技術ではなく、高精度な工作機械(マシニングセンターやNC旋盤)と組み合わせ、同社が開発する同時5軸制御技術によって積層造形と切削加工を同一の機械で行うという非常に高度な(3Dプリンタ+工作機械)の分野である。まだ初期段階ではあるが、将来的には有望な分野であり、CAD/CAMソフトウェアのノウハウを有する同社だからこそ実現可能な分野だと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<HN>
(3)特色と強み
C&Gシステムズ<6633>は金型設計用CAD/CAMシステムの専門メーカーであるが、強みの1つが2次元/3次元両方に対応した高機能なCAD/CAMシステムをラインナップしていることである。また、同社製品は大小さまざまな金型への対応が可能であり、付加価値の高い0.2ミクロンほどの微細品用や自動車のバンパー向けの大きな金型などに対応できることも同社の特色、強みである。このように専業メーカーとして幅広い対応が可能なため、顧客はワンストップで様々なニーズを満たすことが可能になる。
特に同社製のCAMは、独自の演算プログラムにより、高精度加工※を実現し、世界でもトップクラスの高い評価を得ている。また、金型の設計段階から加工設定を行え、効率的な金型製作を実現している。多くの製品が「自社開発品」であるため、顧客ニーズをすぐに次の製品にフィードバックすることもできる。
※最終製品である金型の精度は、切削や加工を行う工作機械の精度に左右されると思われがちだが、実はCAMの精度が低いと工作機械の性能が十分に生かされない。精巧な金型を製造するためには、高性能な工作機械だけでなく高精度のCAMが重要な役割を果たしている。
そのため同社の顧客(事業所)数は、前述のような自動車、電機、精密等の大手メーカーや各種部品メーカーを中心に7,000以上に上っている。これらのユーザーの多くは、継続的に同社と保守契約を結び、新製品購入の場合でも同社を優先することが多い。その結果、ここ数年間の既存顧客の保守更新率は常に90%前後(2015年12月期は約92%)となっており、業界標準を大きく上回っている。この事実が同社の収益基盤を安定的なものとしており、堅実経営を可能にしている。
また同社の販売は約80%が代理店経由となっているが、主要代理店とは30年以上の協力関係があり、この間に培ってきた代理店との強いパートナーシップも同社の強みと言えるだろう。さらに海外の主要拠点にテクニカルセンターを設置していることから、国内外で同レベルの製品・サービス・支援を提供しており、これにより海外市場へ水平展開を図る顧客の囲いこみが可能となっている。つまり、同社は顧客の水平展開への適応力を備えたCAD/CAMシステムメーカーであり、これも同社の強みの1つだろう。
以下は、同社製品の主な導入事例である。
a)オムロン
制御機器や電子部品の大手であるオムロンは、同社が提供するCAD/CAMシステムの導入によって、3次元設計、CAM、3次元ビューワー(閲覧ソフト)を構成し、これによってデータ連携が可能になり金型製作工程全体の効率化に成功した。
特に3次元ビューワーによって図面レス化が進み、図面製作時間を約30%削減した。将来的には部品の標準化や設計の自動化などの改良をさらに進めて、金型設計の納期を70%まで削減する計画とのことである。
(参考:「CGS-LETTER Vol.33 2013年7月1日号」)
b)昭和精機工業(株)
徳島県に拠点を置く自動車部品(インストルメントパネル、ドアパネル、バンパー等)や金型設計・製造企業。プロセス改革の一環として、同社の「CAM-TOOL」を導入した。
その結果、それまで放電加工機に頼っていた直彫りが難しい箇所も、「CAM-TOOL」によって直彫りが可能となり、電極作成に関連する多くの工程で時間短縮、コスト削減を実現した。昭和精機工業の某役員は、「プロセス改革は『CAM-TOOL』と一体になって推進されたと言っても過言ではない」と述べているそうだ。
(参考:「CGS-LETTER Vol.31 2013年5月15日号」)
さらに同社は、話題となっている3Dプリンタ関連ソリューションの分野でも積極的に研究開発を進めている。ただし同社が開発を進めているのは樹脂の積層による従来型の3Dプリンタ技術ではなく、高精度な工作機械(マシニングセンターやNC旋盤)と組み合わせ、同社が開発する同時5軸制御技術によって積層造形と切削加工を同一の機械で行うという非常に高度な(3Dプリンタ+工作機械)の分野である。まだ初期段階ではあるが、将来的には有望な分野であり、CAD/CAMソフトウェアのノウハウを有する同社だからこそ実現可能な分野だと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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