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テックファーム Research Memo(5):17/6期は売上高は微増、営業利益は大幅増の見込み

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

(1) 2017年6月期業績見通し

テックファームホールディングス<3625>の2017年6月期の業績は、売上高が前期比1.0%増の4,700百万円、営業利益が同416.3%増の137百万円、経常利益が同555.2%増の124百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が1百万円(前期は74百万円の損失)と増収増益となる見通し。ソフトウェア受託開発事業での安定した収益体質の構築と、自社サービスの開発販売による成長のための仕掛けづくりを行う1年と位置付けている。8月までの進捗状況についてはほぼ会社計画どおりに推移しているものと見られる。事業セグメント別の見通しは以下のとおり。

a)ソフトウェア受託開発事業
ソフトウェア受託開発事業の売上高は前期比横ばいの3,380百万円、セグメント利益は同43.0%増の535百万円を見込んでいる。モバイル系のシステム開発における受注競争が激化する環境の中で、利益体質への転換を図りながら安定的な売上を獲得していく方針となっている。このため、売上高に関しては前期並みの水準を維持しつつ、収益性の向上に今期は重点を置いている。

増益要因としては、教育費用やシステム導入費用の減少に加えて、開発生産性の向上や開発コストの低減効果などを見込んでいる。生産性の向上に関しては、得意領域であるスマホやWeb領域を中心に開発作業の標準化を進めているほか、業務システムのモジュール化を促進することで実現していく。同社の場合、従来は案件ごとにスクラッチ開発※を行ってきたが、今までの開発資産や他社既存パッケージ等も有効活用するなどして基本モジュールを整備していくことで開発期間の短縮を図り、生産性を向上していく考えだ。

※既存の製品やひな形などを流用せずに、まったく新規にゼロから開発すること。

また、開発コストの低減施策としてはプロジェクトの規模、難易度に応じて最適なプロジェクトチームを作り、綿密な進捗管理を行っていくことに加えて、外注費の抑制にも取り組んでいく。外注比率については前期実績で4割程度の水準であったが、今期は東南アジアのオフショア企業も活用することでその比率を低減していく。従来はニアショアのみを活用していたが、今後はコストが低いオフショア企業を活用する。また、不採算案件の低位安定に向けた取り組みも継続して進めている。今期は新たにソースコードの静的解析ツール(プログラムのバグを抽出するツール)を導入して、不具合を早期に発見する体制を整備した。これにより不採算案件比率は4%と前期並みを維持していく考えだ。

その他、同事業では営業面でも安定的な売上を獲得していくための施策を推進していく。具体的には、既存顧客へのグリップ強化とアップセルを推進するため、開発体制を顧客別組織に再編し、顧客ビジネスを把握した上で営業と連携し最適な提案活動を行っていくほか、顧客の他部署への横展開も進めていく。また、価格競争を回避するための提案力・クロージング力の向上を図るため、社内でのナレッジ共有や提案書の品質平準化に向けた取り組みを進めていく。

b)自動車アフターマーケット事業
自動車アフターマーケット事業の売上高は前期比3.4%増の1,320百万円、営業利益は同43.0%増の143百万円を見込んでいる。売上高の伸びが前期比1ケタ台に鈍化するが、これは地域密着型の営業活動を進めるなかで、人的リソースが限られていることが要因となっている。このため今期は営業人員を4-5名ほど増員し、教育を進めながら営業体制を強化する計画であり、顧客開拓ペースは前期よりも緩やかになると見ている。一方、利益率の上昇については、前期途中からガラス・部品卸商向けにバージョンアップした好採算のシステム販売が伸びることが要因となっている。

なお、売上高については上積みされる可能性もある。政府が景気対策の一環として2016年4月より生産性向上設備投資促進税制※を導入したことによって、特に中小零細企業が多い自動車整備事業者の設備投資意欲が高まる可能性があるためだ。国内における自動車整備事業者は2015年度末で約6.7万社あるが、このうち整備システムを導入している事業者は3割程度にとどまっており、今後の普及拡大が期待できる。

※法人・個人事業主を対象に設備投資意欲を高めるための優遇税制。対象設備(機械装置やソフトウェア)は最新設備のほか、利益改善のための設備となり、2017年3月末までの投資分に対して特別償却50%または税額控除4%が認められる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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