テックファーム Research Memo(6):中計最終年度の19/6期に連結売上高100億円、営業利益7億円を目指す
[16/09/29]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■今後の見通し
(2)中期経営計画
テックファームホールディングス<3625>は中期3ヶ年計画として、最終年度となる2019年6月期に連結売上高100億円、営業利益7億円を目標として掲げた。
基本方針としては、戦略的&Hi-Specのテクノロジー会社(テックファーム)を中核に据え、安定収益を確保しつつ、業界特化型のソリューションサービスを自社開発し、成長ドライバーとして育成しながら計画の達成を目指していく考えだ。
ソリューションサービスとしては既に、EBEが展開している自動車アフターマーケット向けの業務支援サービスが収益化しているほか、ホテル業界向けの「ee-TaB*」サービスも当初の計画よりも遅れ気味ではあるものの着実に増加している。また、米Prismではカジノ市場向けの電子マネー決済サービスの事業化に向けた準備を進めている段階で、2017年6月期中のフィールドテスト開始、2018年6月期中の本サービス開始を目指している。その他にも、業界特化型のソリューションサービスを開発しており、今期中にサービスを開始できる見込みとなっている。こうした業界特化型のソリューションサービスに関しては、対象市場において既に顧客基盤を持っている企業と提携しながら事業を展開していくビジネスモデルとなり、今後こうした提携の動きも活発化していくものと予想される。今後の注目サービスは以下のとおり。
a)サービスステーション(ガソリンスタンド)向け営業支援システム
EBEでは自動車整備事業や部品卸商向けだけでなく、今後はサービスステーション向けの営業支援システムにも注力していく計画となっている。サービスステーションではガソリン販売量の減少によって経営が厳しくなるなかで、車検サービスや鈑金・修理サービスなど周辺サービスを強化することで収益を維持している。こうしたなかで、同社はこれら関連サービスの見積もりシステムに加えて、音声認識を利用した業務支援システムの導入を進めていく計画となっている。
同システムはテックファームと共同開発したシステムで、2016年5月より販売を開始している。同システムは、1)来店した車の車両ナンバーを店舗スタッフが音声自動入力機能を使ってスマートデバイス(タブレット端末、スマートフォン)に入力、2)ホストシステムの蓄積データから車両情報を照合させ車両状態や過去の接客実績を呼び出し、3)店舗スタッフのスマートデバイスにテキストで、またヘッドセットには音声で情報を通知するシステムとなっている。店舗スタッフはこれらの情報を元に、車検やオイル・タイヤ交換などの営業提案を効果的に行うことが可能となり、営業効率の向上に寄与するツールとなる。利用料金は端末2台までで月額2万円から(端末、アプリ料金除く)となっている。ストック型ビジネスモデルとなるため、当初の収益インパクトは軽微なものの、その他の見積もりシステムも合わせてトータルソリューションとして販売することで、サービスステーション市場で顧客開拓を進め、業績の拡大につなげていく考えだ。
なお、今後はテックファームで開発を進めている「IoTビジネスパッケージ」を利用した自動車の自己故障診断機能との連携により、自動車の安全運航や整備効率化に向けたサービスの提供も行っていく予定となっている。
b)タブレット端末を用いたTHCP+αのソリューションサービス
同社ではタブレット端末をそれぞれの業界や業態に合わせて専用端末化し、コンテンツの配信を行うプラットフォーム「THCP」のサービスを展開していく計画となっている。既にホテルの客室向け情報配信サービス「ee-TaB*」をミライトと共同開発し、導入実績を積み上げているが、今後は不動産業界や小売・外食業界、医療・福祉施設などその他の業界向けにも横展開していく計画となっている。テックファームが持つモバイル分野での高度なシステム開発力と提携先であるインヴェンティットが持つMDM※技術を融合することで、競争力の高いソリューションサービスを提供し行く計画だ。ビジネスモデルとしてはストック型の収益モデルとなる。
※Mobile Device Managementの略。複数台のモバイル端末を遠隔で一元管理する技術及びサービスを指す。セキュリティ管理を目的として利用されている。
c)カジノ市場向け電子決済サービス事業
米国でのカジノ向け電子決済サービス事業については、ラスベガスのあるネバダ州ではまだ規制が厳しいこともあり、まずはカリフォルニア州などその他地域のカジノでフィールドテストを2017年6月期内に実施し、2018年6月期中の本サービス開始を目指している。米国で電子決済の普及が進むなかで、カジノ市場でもいずれ同サービスが導入される見込みは高いと考える。競合は今のところ見当たらず、今後の展開が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
(2)中期経営計画
テックファームホールディングス<3625>は中期3ヶ年計画として、最終年度となる2019年6月期に連結売上高100億円、営業利益7億円を目標として掲げた。
基本方針としては、戦略的&Hi-Specのテクノロジー会社(テックファーム)を中核に据え、安定収益を確保しつつ、業界特化型のソリューションサービスを自社開発し、成長ドライバーとして育成しながら計画の達成を目指していく考えだ。
ソリューションサービスとしては既に、EBEが展開している自動車アフターマーケット向けの業務支援サービスが収益化しているほか、ホテル業界向けの「ee-TaB*」サービスも当初の計画よりも遅れ気味ではあるものの着実に増加している。また、米Prismではカジノ市場向けの電子マネー決済サービスの事業化に向けた準備を進めている段階で、2017年6月期中のフィールドテスト開始、2018年6月期中の本サービス開始を目指している。その他にも、業界特化型のソリューションサービスを開発しており、今期中にサービスを開始できる見込みとなっている。こうした業界特化型のソリューションサービスに関しては、対象市場において既に顧客基盤を持っている企業と提携しながら事業を展開していくビジネスモデルとなり、今後こうした提携の動きも活発化していくものと予想される。今後の注目サービスは以下のとおり。
a)サービスステーション(ガソリンスタンド)向け営業支援システム
EBEでは自動車整備事業や部品卸商向けだけでなく、今後はサービスステーション向けの営業支援システムにも注力していく計画となっている。サービスステーションではガソリン販売量の減少によって経営が厳しくなるなかで、車検サービスや鈑金・修理サービスなど周辺サービスを強化することで収益を維持している。こうしたなかで、同社はこれら関連サービスの見積もりシステムに加えて、音声認識を利用した業務支援システムの導入を進めていく計画となっている。
同システムはテックファームと共同開発したシステムで、2016年5月より販売を開始している。同システムは、1)来店した車の車両ナンバーを店舗スタッフが音声自動入力機能を使ってスマートデバイス(タブレット端末、スマートフォン)に入力、2)ホストシステムの蓄積データから車両情報を照合させ車両状態や過去の接客実績を呼び出し、3)店舗スタッフのスマートデバイスにテキストで、またヘッドセットには音声で情報を通知するシステムとなっている。店舗スタッフはこれらの情報を元に、車検やオイル・タイヤ交換などの営業提案を効果的に行うことが可能となり、営業効率の向上に寄与するツールとなる。利用料金は端末2台までで月額2万円から(端末、アプリ料金除く)となっている。ストック型ビジネスモデルとなるため、当初の収益インパクトは軽微なものの、その他の見積もりシステムも合わせてトータルソリューションとして販売することで、サービスステーション市場で顧客開拓を進め、業績の拡大につなげていく考えだ。
なお、今後はテックファームで開発を進めている「IoTビジネスパッケージ」を利用した自動車の自己故障診断機能との連携により、自動車の安全運航や整備効率化に向けたサービスの提供も行っていく予定となっている。
b)タブレット端末を用いたTHCP+αのソリューションサービス
同社ではタブレット端末をそれぞれの業界や業態に合わせて専用端末化し、コンテンツの配信を行うプラットフォーム「THCP」のサービスを展開していく計画となっている。既にホテルの客室向け情報配信サービス「ee-TaB*」をミライトと共同開発し、導入実績を積み上げているが、今後は不動産業界や小売・外食業界、医療・福祉施設などその他の業界向けにも横展開していく計画となっている。テックファームが持つモバイル分野での高度なシステム開発力と提携先であるインヴェンティットが持つMDM※技術を融合することで、競争力の高いソリューションサービスを提供し行く計画だ。ビジネスモデルとしてはストック型の収益モデルとなる。
※Mobile Device Managementの略。複数台のモバイル端末を遠隔で一元管理する技術及びサービスを指す。セキュリティ管理を目的として利用されている。
c)カジノ市場向け電子決済サービス事業
米国でのカジノ向け電子決済サービス事業については、ラスベガスのあるネバダ州ではまだ規制が厳しいこともあり、まずはカリフォルニア州などその他地域のカジノでフィールドテストを2017年6月期内に実施し、2018年6月期中の本サービス開始を目指している。米国で電子決済の普及が進むなかで、カジノ市場でもいずれ同サービスが導入される見込みは高いと考える。競合は今のところ見当たらず、今後の展開が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>