ハウスドゥ Research Memo(1):新中期経営計画によりストック型ビジネスへの移行を加速
[16/09/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ハウスドゥ<3457>は、不動産の仲介・買取・リフォームの三位一体のスキームで事業シナジーを効かせた「住まいのワンストップサービス」により、顧客ニーズに対応してきた。
2016年6月期は、売上高が17,275百万円、前期比18.5%増、経常利益が1,182百万円、同130.4%増となった。期初予想比では、売上高で5.6%、経常利益で47.1%上回っており、想定外の好業績であった。主力のフランチャイズ事業は、順調に加盟店数を伸ばし想定どおりの展開だった。利益面で当初計画を大幅に上回ったのは、不動産売買事業(期初予想比43.2%増)、不動産流通事業(同27.2%増)、住宅・リフォーム事業(同57.9%増)であった。
不動産市場は、都市部を中心に地価の上昇、資材価格や人件費の高騰により新築を中心に価格が上昇し、実需と価格面での乖離拡大が懸念される。そのため、同社は、わずか1年で中期経営計画を改め、キャピタルゲインを目的とした不動産投資事業には慎重を期し、インカムゲイン資産の積み上げを早めることとした。ストック型ビジネスはフランチャイズ事業とハウス・リースバック事業になる。ハウス・リースバック事業は、手間が掛かる割には大手が参入するほどの市場規模でなく、中小企業では経営リソースが不足する。業界に先駆けたため、現在ブルーオーシャンの状況にあり、同社は圧倒的ナンバーワンの地位を築くため、ブランドの確立と保有物件数の拡大にまい進する。
2017年6月期は、リスクの高い事業の縮小と前期の想定外の好業績の反動により、売上高が前期比5.5%減、経常利益が6.9%減の減収減益を見込む。新中期経営計画では、1期限りの利益の落ち込みとしている。最終年度の2019年6月期におけるハウス・リースバック事業の年間物件取得数は480件と2016年6月比2.2倍を想定しているが、期末の保有件数が4.5倍の1,229件まで積み上がることになる。同事業は、買取時手数料、毎月家賃収入、売却時キャピタルゲインとトリプル収益が得られる。計画どおりに展開すれば、売上高の伸び率ほど販管費は増えず、手数料と家賃はほぼ粗利に近いため限界利益率が高く、増収効果による大きな利益率改善が見込まれる。
株主還元にも積極的だ。株式分割は、2015年6月期末割り当ての1株を5株に続き、2016年3月末の株主を対象に1株につき2株の分割を行った。それらを調整した2016年6月期の1株当たり配当金は、前期比12.5円増配の16円となる。今期は17円配を予定している。配当性向を、前期の18.1%から2019年6月期には30%以上に高める予定で、増益と相まって1株当たり配当金は大きく増加する可能性がある。株主数増加を目的に立会外分売を実施しており、東証1部への市場変更も視野に入れている
■Check Point
・ストック型収益事業を拡大し、全天候型経営への移行を加速化
・ハウス・リースバックで圧倒的ナンバーワンの獲得を狙う
・新中期経営計画で配当性向の引き上げを発表
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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2016年6月期は、売上高が17,275百万円、前期比18.5%増、経常利益が1,182百万円、同130.4%増となった。期初予想比では、売上高で5.6%、経常利益で47.1%上回っており、想定外の好業績であった。主力のフランチャイズ事業は、順調に加盟店数を伸ばし想定どおりの展開だった。利益面で当初計画を大幅に上回ったのは、不動産売買事業(期初予想比43.2%増)、不動産流通事業(同27.2%増)、住宅・リフォーム事業(同57.9%増)であった。
不動産市場は、都市部を中心に地価の上昇、資材価格や人件費の高騰により新築を中心に価格が上昇し、実需と価格面での乖離拡大が懸念される。そのため、同社は、わずか1年で中期経営計画を改め、キャピタルゲインを目的とした不動産投資事業には慎重を期し、インカムゲイン資産の積み上げを早めることとした。ストック型ビジネスはフランチャイズ事業とハウス・リースバック事業になる。ハウス・リースバック事業は、手間が掛かる割には大手が参入するほどの市場規模でなく、中小企業では経営リソースが不足する。業界に先駆けたため、現在ブルーオーシャンの状況にあり、同社は圧倒的ナンバーワンの地位を築くため、ブランドの確立と保有物件数の拡大にまい進する。
2017年6月期は、リスクの高い事業の縮小と前期の想定外の好業績の反動により、売上高が前期比5.5%減、経常利益が6.9%減の減収減益を見込む。新中期経営計画では、1期限りの利益の落ち込みとしている。最終年度の2019年6月期におけるハウス・リースバック事業の年間物件取得数は480件と2016年6月比2.2倍を想定しているが、期末の保有件数が4.5倍の1,229件まで積み上がることになる。同事業は、買取時手数料、毎月家賃収入、売却時キャピタルゲインとトリプル収益が得られる。計画どおりに展開すれば、売上高の伸び率ほど販管費は増えず、手数料と家賃はほぼ粗利に近いため限界利益率が高く、増収効果による大きな利益率改善が見込まれる。
株主還元にも積極的だ。株式分割は、2015年6月期末割り当ての1株を5株に続き、2016年3月末の株主を対象に1株につき2株の分割を行った。それらを調整した2016年6月期の1株当たり配当金は、前期比12.5円増配の16円となる。今期は17円配を予定している。配当性向を、前期の18.1%から2019年6月期には30%以上に高める予定で、増益と相まって1株当たり配当金は大きく増加する可能性がある。株主数増加を目的に立会外分売を実施しており、東証1部への市場変更も視野に入れている
■Check Point
・ストック型収益事業を拡大し、全天候型経営への移行を加速化
・ハウス・リースバックで圧倒的ナンバーワンの獲得を狙う
・新中期経営計画で配当性向の引き上げを発表
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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