カイオム Research Memo(2):同社と理研が特許を持つ抗体作製技術
[16/09/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(1) ADLib®システムとは
カイオム・バイオサイエンス<4583>のコア技術であるADLib®システムは、理研で2002年に開発した抗体作製技術で、現在は同社と理研で特許を持っている。ADLib®システムによる抗体作製法を簡単に説明すると、ニワトリ由来の培養細胞株であるDT40細胞が持つ様々な抗体を生み出すメカニズムをトリコスタチンAという薬剤で人為的に活性化させて、多種多様なモノクローナル抗体を試験管内において短期間で創出する技術である。
現在、上市されている抗体医薬品は、既存の抗体作製技術であるマウスハイブリドーマ法やファージディスプレイ法で作製された抗体によるもので、これら既存技術に対してADLib®システムが持つ主な優位点は、困難抗原への対応が可能であるということと、抗体作製にかかる期間も短いという点にある。
また、完全ヒト抗体の作製に関して、2014年3月に実用化レベルでの技術が完成したことを発表している。完全ヒトADLib®システムとは、DT40細胞の持つニワトリ抗体の遺伝子をヒトの抗体遺伝子に置換し、DT40細胞から直接ヒト抗体の取得を実現可能とする技術である。この完全ヒト抗体の実用化に関しては、既存法との比較で遅れていた部分であるだけに、今後の事業展開に向けて意義の大きい1歩であったと評価できる。現在は、完全ヒトADLib®システムの技術導出に向けて、アンメットニーズの高い疾患領域での新規ターゲットや開発ステージにある先行品により、治療薬につながることが期待されているターゲットに対しての抗体作製実績を蓄積している段階にある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<TN>
(1) ADLib®システムとは
カイオム・バイオサイエンス<4583>のコア技術であるADLib®システムは、理研で2002年に開発した抗体作製技術で、現在は同社と理研で特許を持っている。ADLib®システムによる抗体作製法を簡単に説明すると、ニワトリ由来の培養細胞株であるDT40細胞が持つ様々な抗体を生み出すメカニズムをトリコスタチンAという薬剤で人為的に活性化させて、多種多様なモノクローナル抗体を試験管内において短期間で創出する技術である。
現在、上市されている抗体医薬品は、既存の抗体作製技術であるマウスハイブリドーマ法やファージディスプレイ法で作製された抗体によるもので、これら既存技術に対してADLib®システムが持つ主な優位点は、困難抗原への対応が可能であるということと、抗体作製にかかる期間も短いという点にある。
また、完全ヒト抗体の作製に関して、2014年3月に実用化レベルでの技術が完成したことを発表している。完全ヒトADLib®システムとは、DT40細胞の持つニワトリ抗体の遺伝子をヒトの抗体遺伝子に置換し、DT40細胞から直接ヒト抗体の取得を実現可能とする技術である。この完全ヒト抗体の実用化に関しては、既存法との比較で遅れていた部分であるだけに、今後の事業展開に向けて意義の大きい1歩であったと評価できる。現在は、完全ヒトADLib®システムの技術導出に向けて、アンメットニーズの高い疾患領域での新規ターゲットや開発ステージにある先行品により、治療薬につながることが期待されているターゲットに対しての抗体作製実績を蓄積している段階にある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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