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クロスマーケ Research Memo(8):円高がマイナス影響として働いたものの営業利益は計画を達成

注目トピックス 日本株
■業績動向

(1) 2016年12月期第2四半期累計業績

クロス・マーケティンググループ<3675>の2016年12月期第2四半期累計(1月-6月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.0%増の7,299百万円、営業利益は同20.4%減の429百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同65.3%減の141百万円と、増収ながら2ケタの減益となった。

売上高は国内でリサーチ事業を展開する主力子会社であるクロス・マーケティングや、プロモーション事業を手掛けているディーアンドエムなどの既存の事業会社の成長に加えて、昨年9月に子会社化したクロス・ジェイ・テックの新規連結子会社の寄与により増収を確保した。売上原価は成長投資の実施に加えて、新規連結により利益率の低いビジネスの売上増加という売上構成の変化などにより同7.6%増の4,391百万円へ増大し、売上総利益率は42.4%から39.8%へ2.6ポイント悪化した。対照的に、販管費はその他経費を中心に抑制したことで、ほぼ前年同期比並み(同0.6%増)の2,478百万円にとどめることに成功、販管費比率は前年同期の34.8%から34.0%へ0.8ポイント低下。この結果、営業利益は前年同期比20.4%減益となり、営業利益率は5.9%となり前年同期に比べ1.7ポイント悪化した。

なお、四半期純利益の減益率が大きいのは、前期に計上したR&D社の株式取得にかかる負ののれん発生益233百万円等の特別利益の反動減による。

一方、会社計画(売上高7,757百万円、営業利益418百万円、四半期純利益183百万円)対比では、売上高は計画を458百万円下回ったのに対して、営業利益は計画を11百万円上回った。売上高が計画を下回ったのは、円高の進行※の影響に加えて、英国、米国地域での低迷により海外リサーチ事業が計画を下回ったことが主要因。利益面では、国内リサーチ事業の売上未達に伴う利益減、海外リサーチ事業の売上未達による利益減、ITソリューション事業における原価増がマイナス要因として働いた。にもかかわらず、営業利益が計画を達成したのは、マーケティング事業、プロモーション事業からなるその他事業の利益が計画を上回った(同16百万円増)ことに加えて、各種経費の削減により販管費を抑制した(同187百万円増)ことがプラス要因として働いたことでカバーしたためだ。

※2015年の実績為替レート:1ドル=122円45銭。期初の想定為替レート:1米ドル=114円91銭。6月末の為替レート:1米ドル=102円91銭。

なお、親会社株主に帰属する四半期純利益が計画を43百万円下回ったのは、営業外費用で為替変動による為替差損32百万円と持分法適用関連会社であるリサーチパネルが損失を計上したために持分法投資損失23百万円を計上したことが主要因。

a)リサーチ事業
売上高は前年同期比1.8%増の6,129百万円、セグメント利益は同8.1%増の959百万円となり、増収・増益を確保した。内訳を見ると、国内リサーチ事業の売上高は、医療系及び新領域のサービスが好調に推移したことから、同7.8%増の4,314百万円となった。一方、海外リサーチ事業の売上高は、円高進行によるマイナスに加えて、前年同期に好調に推移した米国が反動減により前年を下回ったことや、Brexit問題の影響により英国の売上高が落ち込んだことがマイナス要因として働いたために、同18.9%減の1,815百万円となった。

セグメント利益は、海外リサーチ事業のマイナスを国内リサーチ事業の売上増加による利益増でカバーし、増益を確保した。

b) ITソリューション事業
売上高は前年同期比20.9%増の886百万円、セグメント利益は同26.0%減の52百万円と2ケタ増収ながら2ケタ営業減益となった。積極的な営業展開による新規顧客に加え、金融機関を中心とする既存顧客からも継続的に案件を受注できたことから、売上高、受注高ともに前年を上回る水準となった。にもかかわらず、2ケタ営業減益となったのは、中期的な成長のための人員増加に伴う人件費及び採用費等が増加したことによる。

c)その他事業
売上高は前年同期比157.5%増の284百万円、セグメント利益は14百万円と黒字転換(前年同期は54百万円の赤字)となった。マーケティング事業、プロモーション事業ともに顧客の開拓に注力した結果、売上高が大幅に増加した。セグメント利益は売上高拡大に伴う利益増により黒字転換した。具体的な数値は非開示であるが、特にプロモーション事業が好調に推移したようだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )



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