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FJネクスト Research Memo(1):「ガーラ」で資産運用型マンション市場を牽引、売上過去最高を更新見込み

注目トピックス 日本株
FJネクスト<8935>は、東京都心を基盤とした資産運用型マンション「ガーラマンションシリーズ」の開発及び販売を主力事業としている。また、販売した物件を中心に不動産管理事業も手掛けている。デザイン性や安全性、快適性など、居住者目線に立った企画・開発により高い入居率を確保していることが「ガーラ」ブランドの価値を高めており、首都圏ではトップの販売実績を誇る。将来の年金受給に対する不安や相続税対策という新たな課題を抱える個人からの購入需要も底堅く、同社の業績は順調に拡大している。

2016年3月期の業績は、売上高が前期比29.4%増の51,955百万円、営業利益が同42.2%増の6,593百万円と期初予想を上回る大幅な増収増益となり、売上高、利益、販売戸数ともに過去最高を更新した。特に、好調な外部環境等を追い風として、「ガーラマンションシリーズ」を中心とした販売戸数の拡大が増収に大きく寄与。利益面でも、土地仕入価格や建築費の高騰などにより原価率が上昇したものの、増収により増益を確保するとともに、営業利益率も12.7%(前期は11.6%)に上昇した。棚卸資産も30,992百万円(前期末比9.6%増)と順調に積み増しており、同社業績は引き続き拡大基調にあると言える。

2017年3月期の業績予想について同社は、9月26日付で上方修正を発表した。売上高を前期比9.7%増の57,000百万円、営業利益を同9.0%減の6,000百万円と増収ながら減益と見込んでいる。売上高は販売戸数の拡大により引き続き過去最高を更新するものの、前期同様、土地仕入価格や建築費の高騰などによる原価率の上昇を見込んでおり、営業利益率は10.5%に低下する想定となっている。弊社(フィスコ)では、外部環境が好調に推移していることや前期末の棚卸資産が順調に積み上がっていることなどから、同社の業績予想の達成は可能であるとみている。むしろ前期同様、原価率を想定以内に抑えることにより利益予想から上振れる可能性があることにも注意が必要である。なお、第1四半期の業績は、売上高が前年同期比46.7%増の14,905百万円、営業利益が同50.9%増の1,764百万円と大幅な増収増益となっており、順調な滑り出しとなった。

同社は、資産運用型マンション事業を通じて、人口回帰の進む都心エリアへの良質な賃貸住宅の提供、並びに一般サラリーマン向けを中心とした長期的な資産運用機会の提供など、社会的意義を担うことにより持続的な成長を実現する方針である。最近では、大手デベロッパーが資産運用型マンションへ参入する動きが見られ、土地仕入れを含めた競合激化を懸念する声もあるが、別の見方をすれば、それだけ魅力的な市場として認知されてきたことの証左とも言える。大手参入により業界の認知度や活性化が進めば、トップニッチとして培ってきたノウハウや情報力などで優位に立つ同社にとっては、業界全体の発展を自らの成長に結び付けるチャンスとなる可能性が高いと考えられる。

■Check Point
・首都圏の賃貸需要拡大に加え資産運用手段としての魅力が後押し
・期初予想を上回る増収増益で売上高、利益、販売戸数が過去最高
・17年3月期は増収減益見込みながら、第1四半期は大幅増収増益

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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