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エニグモ Research Memo(3):注文後に買い付けるシステムで出品者は在庫リスクを持たずに販売

注目トピックス 日本株
■エニグモ<3665>の企業特長

(1)独自のビジネスモデルを展開

a)幅広い品揃えと適正な価格を実現
出品者であるパーソナルショッパーは、主に海外在住の日本人が個人として登録しているが、法人として豊富な出品数と独自のラインナップを構成する法人ショップがあるほか、個人ではあるが取引実績等により同社から認定されたプレミアムショッパーも存在する。注文を受けてから買い付けるシステムであるため、出品者は在庫リスクを持たずに販売でき、世界130ヶ国から最先端のアイテムや希少性のあるアイテム等がラインナップされる上、パーソナルショッパー約8.2万人の嗜好性が反映されることから、多様化する消費者の趣味を幅広くカバーすることができる。

同社は、保有する膨大な取引データや国内の消費トレンド等から有望な商品を分析し、出品者へのアドバイスを行っている。また、購入者からも出品者に対して欲しいアイテムの買い付けを依頼できるリクエスト機能もある。

また、実店舗がなく、中間業者が存在しないことから、現地に近い価格を実現している上、出品者間の競争原理が働くことから価格を適正なレベルに維持することが可能となっている。

b) CtoC取引を円滑に行う仕組み
出品者及び購入者は、「BUYMA」を介することで直接金銭をやりとりせず、詐欺やトラブルを回避できる安全で安心な決済システムを利用することができる。また、購入者は、購入したアイテムの紛失、破損、及び汚損など、品質におけるトラブルや不安に対して、「あんしんベーシック」(標準)と「あんしんプラス」(有料オプション)の2つの補償サービスを選択することができる上、本物保証制度「BUYMA鑑定サービス」を無料で利用することもできる。また、出品者に対しては、購入者との対応や商品の梱包などの教育を行い、煩雑となりがちなCtoC取引を円滑に行う仕組みを提供している。

c)出品者及び購入者からの手数料による収益モデル
「BUYMA」の収益モデルは、取引されたアイテムの価格に応じて、出品者と購入者の双方から受領する手数料収入(出品者から5.40〜7.56%、購入者から5.40%が基本)によって支えられている。また、出品価格の1.44%を購入者から徴収する「あんしんプラス」の利用料も収益源となっている。したがって、同社の売上高は総取扱高にほぼ連動するが、購入者1人当たりの年間購入額(以下、ARPU)は4万円前後で推移していることから、会員数(特にアクティブ会員数)の拡大が同社の業績の伸びをけん引していると言える。

(2)ソーシャルメディア等を活用した集客力の仕組み

「BUYMA」の会員基盤の拡大は、幅広い品ぞろえにより検索エンジンで上位に表示され、その結果、認知度や集客力を高めてきたことで実現してきた。人気ブランドにだけ依存した品ぞろえでは限界があるSEO対策も、希少性の高いアイテムを持つことによって上位に表示される可能性が高くなる。また、集客力が増すことによって、出品者からの出品数や種類も増加し、それがさらに集客力を高める好循環が成立していることも会員基盤の拡大に拍車をかける要因となってきた。

また、Webメディアを活用した集客の仕組みにも特長がある。特に、2015年2月に立ち上げた情報メディア「STYLE HAUS」経由の注文や会員登録が急拡大しているようだ。様々な趣味嗜好のライターが「BUYMA」の品ぞろえの魅力を伝えることにより新たな集客チャネルとなっている。また、同じく2015年2月に買収したロケットベンチャーが展開するキュレーションメディアについても、情報ツールとして高いページビューを確保しており、これまでSEO対策により獲得してきた目的買いの顧客ではない、新しい顧客層の開拓に向けて(新たな顧客流入経路として)効果を発揮している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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