【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家ゆたぽん:ドローン関連銘柄に見直しの余地あり
[16/10/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家ゆたぽん氏(ツイッター:@yutanpo104)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2016年10月10日22時に執筆
9月の日銀政策決定会合、米FOMCという一大イベントを通過し、ドイツ銀行をはじめとした欧米金融機関の懸念は残るものの、10月に入り国内市場では中小型株を中心に資金流入を感じさせる動きとなっている。とりわけ、国会が始まったことにより「人工知能・IoT・IT農業・働き方改革・カジノ」など政策に関連する銘柄の物色が目立っている。その他には、直近IPO銘柄、ノーベル賞など旬な時事ネタに絡んだ物色も旺盛であった。
直近では、数週間後のイベントに対して逆算したような短期テーマ物色が多く見られる。高値掴みをしない為には、しっかりとしたロジックからテーマごとの太さを意識しつつ、今後物色の手が伸びる可能性が高いもの、必然的なものを考え、初動を捉えていく必要があると考える。
そこで、今回は直近の物色テーマに付随し、政府の未来投資会議、インダストリー4.0にも関連するドローン関連について考察する。
◆ドローン関連の市場規模と直近の動向
インプレス総合研究所がまとめた「ドローンビジネス調査報告書2016」によると、国内のドローン市場規模は15年度104億円、16年度199億円、18年度578億円、20年度1138億円に成長していく見通しだ。
自動車部品のデンソー<6902>など大手企業の参入も見られ、今後拡大の一途を辿るドローンビジネスを考察するにあたって、
1.ドローンの「機体」
2.宅配・災害・点検・測量といったドローンを使用した「サービス」
3.操縦資格・電池・カメラ・保険といった「周辺サービス・機器」
といった分類ができる。
直近の政策や個別物色の大元を辿ると、根本に「人手不足・生産性向上の課題解決」が挙げられる。少子高齢化の日本にとって、ここからの成長を考えたときに「テクノロジーを活用した効率化・省人化」が焦点となっているのは、現政府の取り組みを見ても明らかであり、市場もそれを織り込むようなテーマ物色を見せている。
ドローンについては、政府がロードマップを作成しており、そこから今後の展望を予想することができる。また、性能の測定基準や自動での飛行制限を技術開発する話もあり、環境が整い次第、普及を強く促していくのではないだろうか。具体的な今後の取り組みとしては、国土交通省の公共工事へのIT活用義務化検討(i-constructionの一環)によって、遠隔操作の自動建機やドローンによる測量が挙げられる。今後、需要はあるものの人手不足に悩まされる、建設・東京五輪に向けた再開発に活用されるとなると、自ずと報道も増えるだろう。
同様に、農業分野での活用も目が離せない。マーケットでは、「攻めの農業」ということで植物工場や農業ICTにも物色の矛先が向かっている。ここでもドローンは、農薬散布や、農作物のメンテナンス、害虫駆除など活躍するシーンが増えると考えるのが自然であり、実際に植物工場では導入されているところもあるのが現状である。しかし、今のところ農業ICT関連に付随するものとしての物色は特に見られていない。今後のストーリーが見えてくれば、関連銘柄の盛り上がりは大いに期待できよう。
実際に、過去に大きな相場となったドローン関連銘柄の株価は直近安値圏で揉み合いの動きをしているものも多く、確認してみると良いだろう。
◆注目したい銘柄
<9790>福井コンピュータホールディングス
→i-Constructionに対応した、ドローンによる現場の空撮から3D点群データ作成、土量計算までを行えるシステム「TREND-POINT」を大林組<1802>の造成現場へ納入
<3694>オプティム
→コマツ<6301>のスマートコンストラクションに対応した遠隔技術。昨年、世界初となる、ドローン対応ビッグデータ解析プラットフォーム「SkySight」を発表。「アグリドローン」は夜行性の害虫が活発になる夜間にドローンを飛ばし、農薬を使わず害虫駆除の実現を目指す。
<3676>ハーツユナイテッドグループ
→ZMPとの合弁会社であるZEGがエアロセンスと協業し、ドローンを活用したデータ収集サービスを全国展開。
<6888>アクモス
→子会社のASロカスがドローンを活用した、がけ崩れなど災害防止監視システムへの取り組み。デジタル地図、森林ICTにも関連。
<6314>石井工作研究所
→半導体後工程装置メーカー。親会社であるモバイルクリエイト<3669>が設立したciDroneの機体開発を担当。自然災害調査、プラント保守感知、映像撮影、薬剤散布などの使用を想定。
<9233>アジア航測
→航空測量大手。森林測量にドローンを活用し、10月から実際の森林データ収集を始めるとされている。ドローンを活用したUAVレーザシステムは測量の省人化効率化を実現。HPにはi-constructionを前面に押し出したページが見られる。
6銘柄挙げたが、他にも関連銘柄は複数ある。また、高値圏のもの、底這いのように見えるものと様々なので、時価総額や直近の業績予想、進捗・過去の値動きなどを見て、今後に備えたいところである。
最後に、中小型株には一部筋入りや資金入りというところが論点としてよく取り上げられるが、意識すること自体は短期トレードにとって悪いこととは思わない。しかし、そこにとらわれるのではなく、個人投資家は時間的・金銭的なゆとりを武器に、ストーリーを考えて、大口資金が今後流入せざるを得ないテーマや時事的材料は何なのか?を模索していくことに時間を割くべきだと感じる。それが、初動からの最大利益や継続した勝ちを将来的に生む力に直結するのではないだろうか。
※株価の値動きに関しては、すべては大口の都合、需給次第ということで先のことはわかりませんので悪しからず。地合いなど考慮しつつ、売買タイミングには気を付けましょう。
※個別銘柄の動向に関しては、ツイッターでリアルタイムに考察しています。
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執筆者名:ゆたぽん(ツイッター:@yutanpo104 )
<HK>
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※2016年10月10日22時に執筆
9月の日銀政策決定会合、米FOMCという一大イベントを通過し、ドイツ銀行をはじめとした欧米金融機関の懸念は残るものの、10月に入り国内市場では中小型株を中心に資金流入を感じさせる動きとなっている。とりわけ、国会が始まったことにより「人工知能・IoT・IT農業・働き方改革・カジノ」など政策に関連する銘柄の物色が目立っている。その他には、直近IPO銘柄、ノーベル賞など旬な時事ネタに絡んだ物色も旺盛であった。
直近では、数週間後のイベントに対して逆算したような短期テーマ物色が多く見られる。高値掴みをしない為には、しっかりとしたロジックからテーマごとの太さを意識しつつ、今後物色の手が伸びる可能性が高いもの、必然的なものを考え、初動を捉えていく必要があると考える。
そこで、今回は直近の物色テーマに付随し、政府の未来投資会議、インダストリー4.0にも関連するドローン関連について考察する。
◆ドローン関連の市場規模と直近の動向
インプレス総合研究所がまとめた「ドローンビジネス調査報告書2016」によると、国内のドローン市場規模は15年度104億円、16年度199億円、18年度578億円、20年度1138億円に成長していく見通しだ。
自動車部品のデンソー<6902>など大手企業の参入も見られ、今後拡大の一途を辿るドローンビジネスを考察するにあたって、
1.ドローンの「機体」
2.宅配・災害・点検・測量といったドローンを使用した「サービス」
3.操縦資格・電池・カメラ・保険といった「周辺サービス・機器」
といった分類ができる。
直近の政策や個別物色の大元を辿ると、根本に「人手不足・生産性向上の課題解決」が挙げられる。少子高齢化の日本にとって、ここからの成長を考えたときに「テクノロジーを活用した効率化・省人化」が焦点となっているのは、現政府の取り組みを見ても明らかであり、市場もそれを織り込むようなテーマ物色を見せている。
ドローンについては、政府がロードマップを作成しており、そこから今後の展望を予想することができる。また、性能の測定基準や自動での飛行制限を技術開発する話もあり、環境が整い次第、普及を強く促していくのではないだろうか。具体的な今後の取り組みとしては、国土交通省の公共工事へのIT活用義務化検討(i-constructionの一環)によって、遠隔操作の自動建機やドローンによる測量が挙げられる。今後、需要はあるものの人手不足に悩まされる、建設・東京五輪に向けた再開発に活用されるとなると、自ずと報道も増えるだろう。
同様に、農業分野での活用も目が離せない。マーケットでは、「攻めの農業」ということで植物工場や農業ICTにも物色の矛先が向かっている。ここでもドローンは、農薬散布や、農作物のメンテナンス、害虫駆除など活躍するシーンが増えると考えるのが自然であり、実際に植物工場では導入されているところもあるのが現状である。しかし、今のところ農業ICT関連に付随するものとしての物色は特に見られていない。今後のストーリーが見えてくれば、関連銘柄の盛り上がりは大いに期待できよう。
実際に、過去に大きな相場となったドローン関連銘柄の株価は直近安値圏で揉み合いの動きをしているものも多く、確認してみると良いだろう。
◆注目したい銘柄
<9790>福井コンピュータホールディングス
→i-Constructionに対応した、ドローンによる現場の空撮から3D点群データ作成、土量計算までを行えるシステム「TREND-POINT」を大林組<1802>の造成現場へ納入
<3694>オプティム
→コマツ<6301>のスマートコンストラクションに対応した遠隔技術。昨年、世界初となる、ドローン対応ビッグデータ解析プラットフォーム「SkySight」を発表。「アグリドローン」は夜行性の害虫が活発になる夜間にドローンを飛ばし、農薬を使わず害虫駆除の実現を目指す。
<3676>ハーツユナイテッドグループ
→ZMPとの合弁会社であるZEGがエアロセンスと協業し、ドローンを活用したデータ収集サービスを全国展開。
<6888>アクモス
→子会社のASロカスがドローンを活用した、がけ崩れなど災害防止監視システムへの取り組み。デジタル地図、森林ICTにも関連。
<6314>石井工作研究所
→半導体後工程装置メーカー。親会社であるモバイルクリエイト<3669>が設立したciDroneの機体開発を担当。自然災害調査、プラント保守感知、映像撮影、薬剤散布などの使用を想定。
<9233>アジア航測
→航空測量大手。森林測量にドローンを活用し、10月から実際の森林データ収集を始めるとされている。ドローンを活用したUAVレーザシステムは測量の省人化効率化を実現。HPにはi-constructionを前面に押し出したページが見られる。
6銘柄挙げたが、他にも関連銘柄は複数ある。また、高値圏のもの、底這いのように見えるものと様々なので、時価総額や直近の業績予想、進捗・過去の値動きなどを見て、今後に備えたいところである。
最後に、中小型株には一部筋入りや資金入りというところが論点としてよく取り上げられるが、意識すること自体は短期トレードにとって悪いこととは思わない。しかし、そこにとらわれるのではなく、個人投資家は時間的・金銭的なゆとりを武器に、ストーリーを考えて、大口資金が今後流入せざるを得ないテーマや時事的材料は何なのか?を模索していくことに時間を割くべきだと感じる。それが、初動からの最大利益や継続した勝ちを将来的に生む力に直結するのではないだろうか。
※株価の値動きに関しては、すべては大口の都合、需給次第ということで先のことはわかりませんので悪しからず。地合いなど考慮しつつ、売買タイミングには気を付けましょう。
※個別銘柄の動向に関しては、ツイッターでリアルタイムに考察しています。
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執筆者名:ゆたぽん(ツイッター:@yutanpo104 )
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