マーケットE Research Memo(6):中期業績目標として20/6期に売上高100億円、営業利益10億円を掲げる
[16/10/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■リユース事業の現況
(4)成長戦略
マーケットエンタープライズ<3135>は、中期業績目標として、2020年6月期に売上高100億円・営業利益10億円を達成することを掲げている。その実現のための成長戦略として、水平展開と垂直展開、及び新規事業を3本の柱に位置付けている。
1)水平展開
水平展開とは仕入力アップのための方策であり、具体的には、買取り・在庫管理の拠点であるリユースセンターの地理的な拡大を意味している。リユース事業のカギは商品の安定供給力、すなわち仕入力にあるということは前述したとおりだ。前述のように、同社は2016年6月期において計画どおり2拠点(神戸、仙台)を増設し、8拠点体制とした。2017年6月期においてはさらに2拠点増設して10拠点体制とする計画だ。最終的には20拠点体制を目指している。
リユースセンター開設に係る設備投資額は1拠点当たり約2,500万円〜3,000万円と、現在の同社にとっては過重な投資金額ではない。また、開設後の運営においても、アルバイトの積極的な活用で運営費用を低く抑えるオペレーションが確立されている。
リユースセンターと並ぶ仕入れの要としてコンタクトセンターがある。これまでは東京都墨田区の1拠点体制だったが、2016年6月期において徳島に増設し、2拠点体制となった。これでキャパシティはほぼ倍増し、仕入れから販売に至る一連のオペレーションの中で、コンバージョン率向上のために特に重要な部分が強化されたことになる。
2)垂直展開
垂直展開は仕入(商材の拡充)と販売(顧客層拡大)の双方での業容拡大を狙った施策の総称で、目的に応じて様々な施策が行われている。仕入強化のために同社は、26カテゴリーの専門サイトを展開して“総合性”と“専門性”を両立させることで買取力アップにつなげていることは前述のとおりだ。2016年6月期において同社は、表面的なカテゴリー数はそのままに、各専門サイトのジャンル分けを増やすなどして、深耕を図った。
販売面では、越境ECの取り込みが1つのテーマとなってきており、2016年6月期中において、越境EC本格化に向けたテストを展開したことは前述のとおりだ。良好なテスト結果を受けて、2017年6月期においては越境ECのシステム開発を行い、本格的に展開する方針だ。一般的に、越境ECというと中国をターゲットにしていることが多いが、同社はむしろ英語圏市場の開拓にターゲットを置いており、対象国も60ヶ国程度を想定している。“Used in Japan”製品への人気は世界的に高いことから、一定規模に成長すると弊社では期待している。
もう1つの施策に、富裕層特化型買い取りサービス「プライベートバイヤー」の開始がある。これは美術・工芸品や高級家具など特別な商材に対応するための特別なサービスだ。鑑定・評価のための対応として、各分野の専門家・専門企業との間での提携・協力関係の構築を完了している。件数は必ずしも多くはないと思われるが、これまで日本ではなじみが薄かったサービスであり、今後の展開が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(4)成長戦略
マーケットエンタープライズ<3135>は、中期業績目標として、2020年6月期に売上高100億円・営業利益10億円を達成することを掲げている。その実現のための成長戦略として、水平展開と垂直展開、及び新規事業を3本の柱に位置付けている。
1)水平展開
水平展開とは仕入力アップのための方策であり、具体的には、買取り・在庫管理の拠点であるリユースセンターの地理的な拡大を意味している。リユース事業のカギは商品の安定供給力、すなわち仕入力にあるということは前述したとおりだ。前述のように、同社は2016年6月期において計画どおり2拠点(神戸、仙台)を増設し、8拠点体制とした。2017年6月期においてはさらに2拠点増設して10拠点体制とする計画だ。最終的には20拠点体制を目指している。
リユースセンター開設に係る設備投資額は1拠点当たり約2,500万円〜3,000万円と、現在の同社にとっては過重な投資金額ではない。また、開設後の運営においても、アルバイトの積極的な活用で運営費用を低く抑えるオペレーションが確立されている。
リユースセンターと並ぶ仕入れの要としてコンタクトセンターがある。これまでは東京都墨田区の1拠点体制だったが、2016年6月期において徳島に増設し、2拠点体制となった。これでキャパシティはほぼ倍増し、仕入れから販売に至る一連のオペレーションの中で、コンバージョン率向上のために特に重要な部分が強化されたことになる。
2)垂直展開
垂直展開は仕入(商材の拡充)と販売(顧客層拡大)の双方での業容拡大を狙った施策の総称で、目的に応じて様々な施策が行われている。仕入強化のために同社は、26カテゴリーの専門サイトを展開して“総合性”と“専門性”を両立させることで買取力アップにつなげていることは前述のとおりだ。2016年6月期において同社は、表面的なカテゴリー数はそのままに、各専門サイトのジャンル分けを増やすなどして、深耕を図った。
販売面では、越境ECの取り込みが1つのテーマとなってきており、2016年6月期中において、越境EC本格化に向けたテストを展開したことは前述のとおりだ。良好なテスト結果を受けて、2017年6月期においては越境ECのシステム開発を行い、本格的に展開する方針だ。一般的に、越境ECというと中国をターゲットにしていることが多いが、同社はむしろ英語圏市場の開拓にターゲットを置いており、対象国も60ヶ国程度を想定している。“Used in Japan”製品への人気は世界的に高いことから、一定規模に成長すると弊社では期待している。
もう1つの施策に、富裕層特化型買い取りサービス「プライベートバイヤー」の開始がある。これは美術・工芸品や高級家具など特別な商材に対応するための特別なサービスだ。鑑定・評価のための対応として、各分野の専門家・専門企業との間での提携・協力関係の構築を完了している。件数は必ずしも多くはないと思われるが、これまで日本ではなじみが薄かったサービスであり、今後の展開が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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