アイル Research Memo(4):独立系企業、中小企業、特化業種に強み
[16/10/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業内容と特徴・強み
業種特化型パッケージなどに強み
アイル<3854>の優位性・強み・特徴としては、1)独立系企業、2)中小企業市場への特化、3)業種特化型パッケージソフトウェアによる特化業種市場の深耕、4)自社製品・サービス比率の高さ、5)リアル・Web領域とも業界上位のポジション、6)トータルソリューションを実現する「商品生態系」戦略、7)高水準のコールセンター応答率などが挙げられる。また様々な分野のビジネスパートナーと連携するアライアンス戦略も推進している。
独立系企業
ソフトウェア企業の大まかな分類としてメーカー系・ユーザー系・独立系、元請け・中間下請け・最終下請けなどに分けられるが、同社は創業以来独立資本による企業経営を行っているため、特定のメーカーやプラットフォームに限定されることなく、様々な分野のビジネスパートナーと連携することで、顧客にとって最適なソリューションサービスを提供できる優位性がある。
なお2016年7月期末時点における株主構成比は、同社代表30.64%、(有)GTホールディング(同社代表の資産管理会社)22.76%、アイル社員持株会3.29%、アイル役員持株会1.74%、その他41.57%である。
中小企業市場への特化
会社創業以来、中小企業市場に特化して独自サービスを提供してきた結果、顧客企業数に占める割合は、年商50億円未満の中小企業が約9割(2016年7月期末時点の顧客企業数の年商別構成比、10億円未満50.7%、10億円以上50億円未満38.6%、50億円以上100億円未満7.0%、100億円以上3.7%)である。
それらの取り組みが評価されて2011年には経済産業省「中小企業IT経営力大賞2011」において特別賞(商務情報政策局長賞)を受賞している。
特化業種市場の深耕
業種特化型パッケージソフトウェアによる特化業種市場に対しては、中小企業の多いアパレル・ファッション業界、鉄鋼・非鉄業界、ねじ(金属・部品)業界、食品業界、医療業界を主力5業種と位置付け、販売・購買・在庫管理パッケージソフトウェア「アラジンオフィス・シリーズ」による市場深耕を推進している。
その他、日用品雑貨卸、電子部品卸・製造、機械工具卸、自動車部品卸、通販業など、様々な業種にも柔軟に対応している。
自社製品・サービス比率の高さ
価格変動に左右されやすいハードウェア等の他社製品の売上高に依存しない収益構造の構築を経営方針の重要事項として、自社製品・サービスを中心とする拡販を推進している。
2016年7月期(単体ベース)売上高における自社製品・サービス(ソフトウェア・運用・保守・会費等)の比率は71.8%、売上総利益における自社製品・サービスの比率は79.9%と高水準である。
リアル・Web領域とも業界上位のポジション
販売・在庫管理ソフトウェアにおける市場シェアが、基幹システム・Webシステムとも業界上位の市場シェアを獲得している。
(株)富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2016年版」によると、販売・在庫管理ソフトにおける同社の市場シェアはパッケージ市場で第5位の10.9%、SaaS市場で第3位の10.3%となっている。リアルの領域においても、Webの領域においても業界上位のポジションを占めているのは同社だけであり、市場で優位性を発揮していることを示している。
トータルソリューションを実現する「商品生態系」戦略
複数の商品群からなる「商品生態系」を独自で構築しており、ネットショップ構築・運営支援サービスの「インターネット領域」と、店頭での売上管理やバックヤードの在庫管理といった「リアル店舗・本部領域」、さらにネットとリアルの在庫やポイントを一元管理する「ネットとリアルの融合領域」をすべてカバーした統合パッケージを開発・提供している。
そして様々な商品を組み合わせることで、複合的な提案を可能にし、顧客へのトータルソリューションを実現している。
高水準のコールセンター応答率
同社はシステム操作方法等の問い合わせ窓口としてコールセンターを設け、迅速な対応による解決に取り組んでいる。
顧客管理システムを活用し、顧客情報の社内共有を徹底して行うことでコールセンター応答率(2016年7月期末時点)は業界最高水準の99.88%(放棄率は0.12%、一般的に放棄率5〜10%を目標とする企業が多い)と高水準を維持している。
アライアンス戦略も推進
さらに既存顧客の深耕(リピート受注)と新規顧客の開拓強化に向けて、様々な分野のビジネスパートナーと連携するアライアンス戦略も推進している。
人材派遣会社向けスタッフ管理クラウドシステム「CROSS STAFF」は2016年3月に、
(株)マネーフォワードのWeb給与明細サービス「MFクラウド給与明細」と連携した。人材派遣会社は「CROSS STAFF」のスタッフ向けマイページに給与明細を配信することが可能になり、印刷費・郵送費・給与明細配布業務にかかる人件費などのコストを削減できる。
ASP型サービスの複数ネットショップ一元管理ソフト「CROSS MALL」は2016年3月に、テモナ(株)の定期購入・頒布会に特化したショッピングカート付き通販システム「たまごリピート」と受注・在庫データを自動連携した。「CROSS MALL」は複数ネットショップの商品・在庫・受注・発注・仕入を一元管理できるASP型サービスで、今回の連携によって同じ顧客に一定期間継続して販売するリピート通販事業者の効率的な多店舗運営を支援する。
また「CROSS MALL」は2016年8月に、(株)キャッチボールのコンビニ後払い決済代行サービス「後払い.com」と連携した。ネットショップ運営者は「CROSS MALL」と「後払い.com」の間で、顧客の注文情報・配送伝票番号の転送、与信結果の取り込みが可能になる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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業種特化型パッケージなどに強み
アイル<3854>の優位性・強み・特徴としては、1)独立系企業、2)中小企業市場への特化、3)業種特化型パッケージソフトウェアによる特化業種市場の深耕、4)自社製品・サービス比率の高さ、5)リアル・Web領域とも業界上位のポジション、6)トータルソリューションを実現する「商品生態系」戦略、7)高水準のコールセンター応答率などが挙げられる。また様々な分野のビジネスパートナーと連携するアライアンス戦略も推進している。
独立系企業
ソフトウェア企業の大まかな分類としてメーカー系・ユーザー系・独立系、元請け・中間下請け・最終下請けなどに分けられるが、同社は創業以来独立資本による企業経営を行っているため、特定のメーカーやプラットフォームに限定されることなく、様々な分野のビジネスパートナーと連携することで、顧客にとって最適なソリューションサービスを提供できる優位性がある。
なお2016年7月期末時点における株主構成比は、同社代表30.64%、(有)GTホールディング(同社代表の資産管理会社)22.76%、アイル社員持株会3.29%、アイル役員持株会1.74%、その他41.57%である。
中小企業市場への特化
会社創業以来、中小企業市場に特化して独自サービスを提供してきた結果、顧客企業数に占める割合は、年商50億円未満の中小企業が約9割(2016年7月期末時点の顧客企業数の年商別構成比、10億円未満50.7%、10億円以上50億円未満38.6%、50億円以上100億円未満7.0%、100億円以上3.7%)である。
それらの取り組みが評価されて2011年には経済産業省「中小企業IT経営力大賞2011」において特別賞(商務情報政策局長賞)を受賞している。
特化業種市場の深耕
業種特化型パッケージソフトウェアによる特化業種市場に対しては、中小企業の多いアパレル・ファッション業界、鉄鋼・非鉄業界、ねじ(金属・部品)業界、食品業界、医療業界を主力5業種と位置付け、販売・購買・在庫管理パッケージソフトウェア「アラジンオフィス・シリーズ」による市場深耕を推進している。
その他、日用品雑貨卸、電子部品卸・製造、機械工具卸、自動車部品卸、通販業など、様々な業種にも柔軟に対応している。
自社製品・サービス比率の高さ
価格変動に左右されやすいハードウェア等の他社製品の売上高に依存しない収益構造の構築を経営方針の重要事項として、自社製品・サービスを中心とする拡販を推進している。
2016年7月期(単体ベース)売上高における自社製品・サービス(ソフトウェア・運用・保守・会費等)の比率は71.8%、売上総利益における自社製品・サービスの比率は79.9%と高水準である。
リアル・Web領域とも業界上位のポジション
販売・在庫管理ソフトウェアにおける市場シェアが、基幹システム・Webシステムとも業界上位の市場シェアを獲得している。
(株)富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2016年版」によると、販売・在庫管理ソフトにおける同社の市場シェアはパッケージ市場で第5位の10.9%、SaaS市場で第3位の10.3%となっている。リアルの領域においても、Webの領域においても業界上位のポジションを占めているのは同社だけであり、市場で優位性を発揮していることを示している。
トータルソリューションを実現する「商品生態系」戦略
複数の商品群からなる「商品生態系」を独自で構築しており、ネットショップ構築・運営支援サービスの「インターネット領域」と、店頭での売上管理やバックヤードの在庫管理といった「リアル店舗・本部領域」、さらにネットとリアルの在庫やポイントを一元管理する「ネットとリアルの融合領域」をすべてカバーした統合パッケージを開発・提供している。
そして様々な商品を組み合わせることで、複合的な提案を可能にし、顧客へのトータルソリューションを実現している。
高水準のコールセンター応答率
同社はシステム操作方法等の問い合わせ窓口としてコールセンターを設け、迅速な対応による解決に取り組んでいる。
顧客管理システムを活用し、顧客情報の社内共有を徹底して行うことでコールセンター応答率(2016年7月期末時点)は業界最高水準の99.88%(放棄率は0.12%、一般的に放棄率5〜10%を目標とする企業が多い)と高水準を維持している。
アライアンス戦略も推進
さらに既存顧客の深耕(リピート受注)と新規顧客の開拓強化に向けて、様々な分野のビジネスパートナーと連携するアライアンス戦略も推進している。
人材派遣会社向けスタッフ管理クラウドシステム「CROSS STAFF」は2016年3月に、
(株)マネーフォワードのWeb給与明細サービス「MFクラウド給与明細」と連携した。人材派遣会社は「CROSS STAFF」のスタッフ向けマイページに給与明細を配信することが可能になり、印刷費・郵送費・給与明細配布業務にかかる人件費などのコストを削減できる。
ASP型サービスの複数ネットショップ一元管理ソフト「CROSS MALL」は2016年3月に、テモナ(株)の定期購入・頒布会に特化したショッピングカート付き通販システム「たまごリピート」と受注・在庫データを自動連携した。「CROSS MALL」は複数ネットショップの商品・在庫・受注・発注・仕入を一元管理できるASP型サービスで、今回の連携によって同じ顧客に一定期間継続して販売するリピート通販事業者の効率的な多店舗運営を支援する。
また「CROSS MALL」は2016年8月に、(株)キャッチボールのコンビニ後払い決済代行サービス「後払い.com」と連携した。ネットショップ運営者は「CROSS MALL」と「後払い.com」の間で、顧客の注文情報・配送伝票番号の転送、与信結果の取り込みが可能になる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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