アイル Research Memo(6):営業利益、経常利益ともに計画を上回る2ケタ増益
[16/10/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■アイル<3854>の業績動向
(1)下期の構成比が高い収益構造
収益構造の傾向としては、システム開発関連企業のため、開発案件ごとの採算性や、大型案件の売上計上などによって四半期業績が変動しやすいという特徴がある。また3月期決算企業の年度末に当たる第3四半期(2月−4月)に売上計上することが多いため、全体としては上期(8月−1月)よりも下期(2月−7月)に収益が偏重する傾向がある。
このような傾向に対して、受注の平準化及び継続的な保守サービス等の受注による売上計上時期の是正に取り組むとともに、技術者の技術水準を一定水準以上に保つべく、技術者の通年採用を積極的に行うことで、開発効率の変動を解消することに努めるとしている。
(2) 2016年7月期は2桁増収増益
9月6日に発表した2016年7月期の連結業績は、売上高が前期比12.2%増の7,896百万円、営業利益が同16.0%増の376百万円、経常利益が同12.1%増の392百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同93.4%増の247百万円だった。営業利益と経常利益は計画を上回る2ケタ増益だった。親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益の計上と特別損失の一巡も寄与した。
「WindowsXP」サポート終了に伴うシステム・機器入替特需の反動減が一巡し、基幹業務システムとWebシステムの両面から幅広いソリューション提案を可能とする「CROSS-OVERシナジー」戦略、協業企業の発掘・提携によって販売チャネルの拡大を図るパートナー戦略、業種別に特化したシステム開発や業種ごとの導入事例を生かして各業種特有の課題解決を行う業種特化戦略が奏功して2ケタ増収だった。
事業別の売上高は、システムソリューション事業が前期比13.0%増の6,891百万円、Webソリューション事業が同6.9%増の1,005百万円だった。システムソリューション事業では高水準の受注残高も寄与して2ケタ増収だった。Webソリューション事業では、より安定した収入と利益率の高いストック型商材の販売に注力した結果、ASP型サービスの複数ネットショップ一元管理ソフト「CROSS MALL」とECサイト・実店舗ポイント・顧客一元管理ソフト「CROSS POINT」が堅調に推移した。Webソリューション事業におけるストック型商材の売上構成比は69.6%で前期の62.2%から7.4ポイント上昇した。
コスト面では、積極的な製品開発や人員強化に伴って開発費用や人件費が増加し、一時的コストとして大阪本社移転費用も発生したが、増収効果に加えて、ストック型ビジネス商材の伸長も寄与して計画超の2ケタ営業増益だった。
売上総利益は3,001百万円で前期比8.5%増加したが、利益率の低い大型案件の売上計上があったため売上総利益率は38.0%で同1.3ポイント低下した。販管費は2,625百万円となり、人件費の増加などで同7.5%増加したが、販管費比率は33.2%で同1.5ポイント低下した。特別利益では移転補償金80百万円を計上し、特別損失では前期に計上した本社移転損失引当金繰入額78百万円が一巡した。
ROE(自己資本当期純利益率)は13.2%で前期比6.2ポイント上昇した。自己資本比率は38.1%で同9.4ポイント低下したが、BPS(1株当たり純資産)は303.08円で同7.86円増加した。貸借対照表における資産の増加及び負債の増加は、大阪本社移転に伴う設備投資など、成長投資のための長期借入金の増加によって現金及び預金が増加したものである。
なお連結子会社ウェブベースの2016年7月期業績(グループ間取引を含む)は、売上高が前期比2.4%減の544百万円、営業利益が同21.9%減の82百万円、経常利益が同22.0%減の82百万円、当期純利益が同31.8%減の49百万円だった。減収減益だったが、おおむね計画水準だった。
2016年7月期の主要トピックスとしては、2015年8月に名古屋地区での受注・売上好調に伴い、人員増加への対応で名古屋支店を名古屋のビジネス中心地である伏見駅に隣接する「アーバンネット伏見ビル」に移転した。2015年11月には基幹業務パッケージシステム「アラジンオフィスfor Foods」が、食品業界向け専門紙「食品産業新聞」の主催する第45回「食品産業技術功労賞」を受賞した。2016年1月には人材派遣会社向けスタッフ管理クラウドシステム「CROSS STAFF」をリリースした。
2016年3月には開発力の強化や事業拡大に伴う人員の増加、さらに各事業部間の連携強化による効率化を目的として、大阪本社をワンフロアの大型オフィスビル「グランフロント大阪タワーB」に移転した。また2016年3月に、人材派遣会社向けスタッフ管理クラウドシステム「CROSS STAFF」がマネーフォワードのWeb給与明細サービス「MFクラウド給与明細」と連携した。2016年4月には東京・表参道のCOMMUNE246で、EC市場の更なる活性化を目指すイベント「BACKYARD FES.2016」を開催した。EC業界を支えるバックヤード運用に携わる関係者や一般客約4,000名が参加した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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(1)下期の構成比が高い収益構造
収益構造の傾向としては、システム開発関連企業のため、開発案件ごとの採算性や、大型案件の売上計上などによって四半期業績が変動しやすいという特徴がある。また3月期決算企業の年度末に当たる第3四半期(2月−4月)に売上計上することが多いため、全体としては上期(8月−1月)よりも下期(2月−7月)に収益が偏重する傾向がある。
このような傾向に対して、受注の平準化及び継続的な保守サービス等の受注による売上計上時期の是正に取り組むとともに、技術者の技術水準を一定水準以上に保つべく、技術者の通年採用を積極的に行うことで、開発効率の変動を解消することに努めるとしている。
(2) 2016年7月期は2桁増収増益
9月6日に発表した2016年7月期の連結業績は、売上高が前期比12.2%増の7,896百万円、営業利益が同16.0%増の376百万円、経常利益が同12.1%増の392百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同93.4%増の247百万円だった。営業利益と経常利益は計画を上回る2ケタ増益だった。親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益の計上と特別損失の一巡も寄与した。
「WindowsXP」サポート終了に伴うシステム・機器入替特需の反動減が一巡し、基幹業務システムとWebシステムの両面から幅広いソリューション提案を可能とする「CROSS-OVERシナジー」戦略、協業企業の発掘・提携によって販売チャネルの拡大を図るパートナー戦略、業種別に特化したシステム開発や業種ごとの導入事例を生かして各業種特有の課題解決を行う業種特化戦略が奏功して2ケタ増収だった。
事業別の売上高は、システムソリューション事業が前期比13.0%増の6,891百万円、Webソリューション事業が同6.9%増の1,005百万円だった。システムソリューション事業では高水準の受注残高も寄与して2ケタ増収だった。Webソリューション事業では、より安定した収入と利益率の高いストック型商材の販売に注力した結果、ASP型サービスの複数ネットショップ一元管理ソフト「CROSS MALL」とECサイト・実店舗ポイント・顧客一元管理ソフト「CROSS POINT」が堅調に推移した。Webソリューション事業におけるストック型商材の売上構成比は69.6%で前期の62.2%から7.4ポイント上昇した。
コスト面では、積極的な製品開発や人員強化に伴って開発費用や人件費が増加し、一時的コストとして大阪本社移転費用も発生したが、増収効果に加えて、ストック型ビジネス商材の伸長も寄与して計画超の2ケタ営業増益だった。
売上総利益は3,001百万円で前期比8.5%増加したが、利益率の低い大型案件の売上計上があったため売上総利益率は38.0%で同1.3ポイント低下した。販管費は2,625百万円となり、人件費の増加などで同7.5%増加したが、販管費比率は33.2%で同1.5ポイント低下した。特別利益では移転補償金80百万円を計上し、特別損失では前期に計上した本社移転損失引当金繰入額78百万円が一巡した。
ROE(自己資本当期純利益率)は13.2%で前期比6.2ポイント上昇した。自己資本比率は38.1%で同9.4ポイント低下したが、BPS(1株当たり純資産)は303.08円で同7.86円増加した。貸借対照表における資産の増加及び負債の増加は、大阪本社移転に伴う設備投資など、成長投資のための長期借入金の増加によって現金及び預金が増加したものである。
なお連結子会社ウェブベースの2016年7月期業績(グループ間取引を含む)は、売上高が前期比2.4%減の544百万円、営業利益が同21.9%減の82百万円、経常利益が同22.0%減の82百万円、当期純利益が同31.8%減の49百万円だった。減収減益だったが、おおむね計画水準だった。
2016年7月期の主要トピックスとしては、2015年8月に名古屋地区での受注・売上好調に伴い、人員増加への対応で名古屋支店を名古屋のビジネス中心地である伏見駅に隣接する「アーバンネット伏見ビル」に移転した。2015年11月には基幹業務パッケージシステム「アラジンオフィスfor Foods」が、食品業界向け専門紙「食品産業新聞」の主催する第45回「食品産業技術功労賞」を受賞した。2016年1月には人材派遣会社向けスタッフ管理クラウドシステム「CROSS STAFF」をリリースした。
2016年3月には開発力の強化や事業拡大に伴う人員の増加、さらに各事業部間の連携強化による効率化を目的として、大阪本社をワンフロアの大型オフィスビル「グランフロント大阪タワーB」に移転した。また2016年3月に、人材派遣会社向けスタッフ管理クラウドシステム「CROSS STAFF」がマネーフォワードのWeb給与明細サービス「MFクラウド給与明細」と連携した。2016年4月には東京・表参道のCOMMUNE246で、EC市場の更なる活性化を目指すイベント「BACKYARD FES.2016」を開催した。EC業界を支えるバックヤード運用に携わる関係者や一般客約4,000名が参加した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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