明光ネット Research Memo(6):明光義塾事業強化、全事業の収益力強化、事業領域拡大等で過去最高業績を目指す
[16/10/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
(2)新中期経営計画について
明光ネットワークジャパン<4668>は2020年8月期までの4年間の新中期経営計画を発表した。経営目標値としては2020年8月期に明光義塾教室数2,180教室(前期末2,102教室)、生徒数15万人達成(同13万人)、売上高22,541百万円(前期18,672百万円)、営業利益3,600百万円(同2,175百万円)、上場来の連続増配の継続を掲げている。業績については売上高、営業利益ともに過去最高を目指す格好となる。また、2020年ビジョンとして教育・文化事業を核として更なる成長を図り、「人づくりのトップカンパニー」となることを目指している。
2020年に向けた市場環境の変化として、大学入試改革の実施(2020年)や学習指導要領の改定、小学生英語の正式教科化などが挙げられる。このうち大学入試改革については、試験内容について従来よりも「思考力」「判断力」「表現力」を重視した内容となる。特に、英語についてはコミュニケーション能力も問われるようになり、英検やTOEICなど民間資格が活用されるなど大きく変化する。こうした環境変化に対して、大学入試においては前期に子会社化した古藤事務所においてノウハウを蓄積しており、今後の同社の教材や模擬テスト等の開発に活用していくことが期待される。また、「思考力」や「判断力」「表現力」など主体的に物事を考える学力が必要となるが、同社の「明光式!自立学習」に通じるものがある。英語のカリキュラムへの対応については今後の課題となるが、おおむねこうした環境変化は明光義塾の事業拡大の好機として捉えることができる。
一方で、少子化の進行と個別指導学習塾の競争激化は続いており、前期については同社固有の問題もあったが、市場シェアを落とした格好となっており、今後、同業他社に対していかに明確な差別化を行くことができるかが、再成長の重要なポイントになると弊社では見ている。
新中期経営計画では主力事業である明光義塾事業の強化、再成長に加えて、その他事業の収益力強化や持続的成長に向けた事業領域の拡大、人材育成、企業価値の向上を基本戦略として実行していく方針となっている。概略は以下のとおりとなる。
a)明光義塾事業の強化
明光義塾事業の強化、競合との差別化を図るため、新たな学習指導スタイルの導入を進めていく計画だ。ポイントは2つで、第1に、生徒の主体的な学びを実現する学習指導方法の導入、第2に学習進捗状況や学習履歴のデジタル化による可視化を行い、学習指導等に活かしていく次世代教室運営システムの導入を段階的に進めていく。
従来も「明光式!自立学習」により生徒に勉強の仕方を教える指導を行ってきたが、今回はこれをさらに深化させていく。
さらには、学習現場でのデータと同社の基幹ネットワークシステムを連携し一元化することで、生徒の入会時から退会時までのデータや保護者とのコンタクト記録など全ての情報を統合し、マーケティングの強化にもつなげていく考えだ。同社では蓄積したデータを活用していくことで、授業回数の増加や在籍期間の伸長に向けた提案を効果的に行うことが可能となるほか、地域ごと、学年ごとに細分化した施策を打ちことも可能になると見ている。同社では2020年までにこれらシステムの開発を段階的に行っていく計画である。
最近ではオンライン専門の塾を展開する企業も増えているが、同社では学習する「場」とそれをサポートする「人」がいることが教育サービスにとっては重要であると考えており、同社の強みであると認識している。今回の中期経営計画において、こうした施策を計画どおり進めていくことで、再成長を実現していく考えである。
b)すべての事業の収益力強化
同社では、明光義塾事業以外のすべての事業についても、教室数や生徒数の拡大を進めながら収益力を強化していく方針だ。早稲田アカデミー個別進学館では校舎数を前期末の30校から2020年8月期には60校体制に、同様に明光キッズスクール数は13スクールから25スクールに拡大していく。また、日本語学校事業の生徒数は1,380名から2,000名に、明光サッカースクール生徒数は971名から1,300名を目標としている。
グループ間でのノウハウ共有や間接部門の共有化を図り、シナジーを一層追求していくことでグループ全体の総合力を強化し、2020年度までにはその他事業においても黒字化を目指していく考えだ。
c)持続的な成長に向けた事業領域拡大
同社では引き続き教育・文化事業の領域において、同社グループの理念に基づくビジネス展開で、明光義塾の強化及び各事業の連携につながるM&Aや投資について継続的に取り組んでいく方針で、海外展開についても韓国、台湾だけでなくアジア各国への展開も視野に入れている。
d)人材育成
ワークライフバランスを重視し、意識改革と生産性向上を図り、グループの成長をけん引する人材を育成していく。
e)企業価値の向上
持続的な収益拡大を進めていくことで、企業価値を高めると同時に、投資家にとっても魅力的な資本配当政策を実施していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2)新中期経営計画について
明光ネットワークジャパン<4668>は2020年8月期までの4年間の新中期経営計画を発表した。経営目標値としては2020年8月期に明光義塾教室数2,180教室(前期末2,102教室)、生徒数15万人達成(同13万人)、売上高22,541百万円(前期18,672百万円)、営業利益3,600百万円(同2,175百万円)、上場来の連続増配の継続を掲げている。業績については売上高、営業利益ともに過去最高を目指す格好となる。また、2020年ビジョンとして教育・文化事業を核として更なる成長を図り、「人づくりのトップカンパニー」となることを目指している。
2020年に向けた市場環境の変化として、大学入試改革の実施(2020年)や学習指導要領の改定、小学生英語の正式教科化などが挙げられる。このうち大学入試改革については、試験内容について従来よりも「思考力」「判断力」「表現力」を重視した内容となる。特に、英語についてはコミュニケーション能力も問われるようになり、英検やTOEICなど民間資格が活用されるなど大きく変化する。こうした環境変化に対して、大学入試においては前期に子会社化した古藤事務所においてノウハウを蓄積しており、今後の同社の教材や模擬テスト等の開発に活用していくことが期待される。また、「思考力」や「判断力」「表現力」など主体的に物事を考える学力が必要となるが、同社の「明光式!自立学習」に通じるものがある。英語のカリキュラムへの対応については今後の課題となるが、おおむねこうした環境変化は明光義塾の事業拡大の好機として捉えることができる。
一方で、少子化の進行と個別指導学習塾の競争激化は続いており、前期については同社固有の問題もあったが、市場シェアを落とした格好となっており、今後、同業他社に対していかに明確な差別化を行くことができるかが、再成長の重要なポイントになると弊社では見ている。
新中期経営計画では主力事業である明光義塾事業の強化、再成長に加えて、その他事業の収益力強化や持続的成長に向けた事業領域の拡大、人材育成、企業価値の向上を基本戦略として実行していく方針となっている。概略は以下のとおりとなる。
a)明光義塾事業の強化
明光義塾事業の強化、競合との差別化を図るため、新たな学習指導スタイルの導入を進めていく計画だ。ポイントは2つで、第1に、生徒の主体的な学びを実現する学習指導方法の導入、第2に学習進捗状況や学習履歴のデジタル化による可視化を行い、学習指導等に活かしていく次世代教室運営システムの導入を段階的に進めていく。
従来も「明光式!自立学習」により生徒に勉強の仕方を教える指導を行ってきたが、今回はこれをさらに深化させていく。
さらには、学習現場でのデータと同社の基幹ネットワークシステムを連携し一元化することで、生徒の入会時から退会時までのデータや保護者とのコンタクト記録など全ての情報を統合し、マーケティングの強化にもつなげていく考えだ。同社では蓄積したデータを活用していくことで、授業回数の増加や在籍期間の伸長に向けた提案を効果的に行うことが可能となるほか、地域ごと、学年ごとに細分化した施策を打ちことも可能になると見ている。同社では2020年までにこれらシステムの開発を段階的に行っていく計画である。
最近ではオンライン専門の塾を展開する企業も増えているが、同社では学習する「場」とそれをサポートする「人」がいることが教育サービスにとっては重要であると考えており、同社の強みであると認識している。今回の中期経営計画において、こうした施策を計画どおり進めていくことで、再成長を実現していく考えである。
b)すべての事業の収益力強化
同社では、明光義塾事業以外のすべての事業についても、教室数や生徒数の拡大を進めながら収益力を強化していく方針だ。早稲田アカデミー個別進学館では校舎数を前期末の30校から2020年8月期には60校体制に、同様に明光キッズスクール数は13スクールから25スクールに拡大していく。また、日本語学校事業の生徒数は1,380名から2,000名に、明光サッカースクール生徒数は971名から1,300名を目標としている。
グループ間でのノウハウ共有や間接部門の共有化を図り、シナジーを一層追求していくことでグループ全体の総合力を強化し、2020年度までにはその他事業においても黒字化を目指していく考えだ。
c)持続的な成長に向けた事業領域拡大
同社では引き続き教育・文化事業の領域において、同社グループの理念に基づくビジネス展開で、明光義塾の強化及び各事業の連携につながるM&Aや投資について継続的に取り組んでいく方針で、海外展開についても韓国、台湾だけでなくアジア各国への展開も視野に入れている。
d)人材育成
ワークライフバランスを重視し、意識改革と生産性向上を図り、グループの成長をけん引する人材を育成していく。
e)企業価値の向上
持続的な収益拡大を進めていくことで、企業価値を高めると同時に、投資家にとっても魅力的な資本配当政策を実施していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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