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ダイヤモンドD Research Memo(7):17/2期2Q累計の売上高は計画通りだが、各利益が大きく上回る

注目トピックス 日本株
■決算動向

(2) 2017年2月期上期決算の概要

ダイヤモンドダイニング<3073>の2017年2月期上期の業績は、売上高が前年同期比3.6%増の14,972百万円、営業利益が同165.4%増の565百万円、経常利益が同175.1%増の534百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が284百万円(前年同期は15百万円の利益)と増収及び大幅な増益となった。期初予想に対しては、売上高はほぼ計画線で推移した一方、各利益は大きく上回る結果であった。

売上高は、前期出店分(43店舗)が期初から貢献したことや新規出店(12店舗)が増収に寄与した。また、既存店売上高(国内全店)も前年同期比101.8%(計画は99.6%)と好調であった。新規出店は上期計画(17店舗)に対して遅れが生じたものの、既存店売上高が計画を上回ったことでほぼ計画どおりの水準を確保したと言える。

一方、利益面では、原価率改善に加えて、増収による固定費の軽減(地代家賃等)、新規出店の抑制による出店費用の減少(前年同期の新規出店数は37店舗)、前年同期における一時的なM&A費用(関西養老乃瀧からの店舗取得にかかる費用)のはく落、原油安等に伴う水道光熱費率の改善等により販管費率が大きく低下したことで増益となり、営業利益率も3.8%(前年同期は1.5%)に改善。海外事業についても、不採算のシンガポールからの事業撤退等(2016年8月末完了)により損益改善を図った。ただ、営業利益が期初予想から大きく上振れた(期初予想比+435百万円)のは、新規出店の遅れに伴う出店費用の先送り(約1.5億円と推定)も一部影響しているところに注意する必要がある。

財務面では、総資産が新規出店による固定資産の増加に加えて、ゼットン株式取得資金(1,429百万円)※1や繰延資産の増加※2等により17,800百万円(前期末比12.2%増)に拡大した一方、自己資本も内部留保により3,461百万円(前期末比12.0%増)に積み増したことから自己資本比率は19.4%(前期末は19.5%)とほぼ横ばいで推移。有利子負債は、ゼットン株式取得資金(1,429百万円)を短期借入金で調達したことから長短併せて9,295百万円(前期末比14.5%増)に増加した。ただ、ゼットン株式取得を目的とした短期借入金はつなぎローンとみられ、今後の金融環境や資金計画等を勘案したうえで最適な資金調達手段を選択する方針のようだ。

※1決済前の資金を固定資産(投資その他資産)に計上。
※2国内ウェディング事業における開業費。

主な事業別の業績は以下のとおりである。

国内飲食事業は、売上高が10,230百万円(前年同期比2.3%増)、営業利益が1,035百万円(同48.4%増)と緩やかな増収ながら大幅な増益となった。利益率も10.1%(前年同期は7.0%)に大きく改善した。前期出店分(38店舗)が期初から寄与したことや新規出店(6店舗)が増収に寄与した。既存店売上高も前年同期比100.2%(計画は98.8%)と好調であった。利益面でも原価低減や販管費率の改善により増益となった。特に、新規出店ペースを抑えた計画であったことに加え、出店の遅れも重なったことで出店費用が大幅に減少した。

海外飲食事業は、売上高が732百万円(前年同期比8.6%減)、営業損失が124百万円(前年同期は143百万円の損失)と減収ながら損失幅の縮小を図った。不採算であったシンガポールの事業撤退完了(4店舗退店)が減収を招いたものの、損益改善に貢献した。一方、ハワイにおいては、前期に出店した3号店目「BREAD&BUTTER」の立ち上がりの遅れ、競争激化やウェディング事業の先行費用によりやや損益の足を引っ張った。

アミューズメント事業は、売上高が3,993百万円(前年同期比10.3%増)、営業利益が545百万円(同4.3%減)と増収ながら減益となった。前期における優良大型3店舗※の退店(契約満了に伴うもの)がマイナス要因となったものの、新規出店(6店舗)が順調に立ち上がったことや、既存店売上高が前年同期比106.3%と大きく伸びたことで大幅な増収を確保した。なお、既存店売上高は30ヶ月連続の100%超えを達成しており、長期にわたって好調を持続している。一方、利益面では、優良大型店の退店の影響や新規大型店の開店費用により減益となった。

※Bane BAGUS 渋谷店、GRAN CYBER CAFE BAGUS 渋谷店、Bane BAGUS新宿東口店

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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