ADワークス Research Memo(4):17/3期2Qは増収、営業増益と会社予想を上回って着地
[16/11/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
(1) 2017年3月期第2四半期累計の業績概要
エー・ディー・ワークス<3250>の2017年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比20.0%増の9,459百万円、EBITDAが同19.8%増の637百万円、営業利益が同1.8%増の514百万円、経常利益が同14.8%減の350百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同5.3%増の277百万円となり、8月時点の会社予想に対して、売上高、利益ともに上回って着地した。収益不動産販売事業、ストック型フィービジネスともに順調に拡大したことが要因だ。
第2四半期にはいって首都圏の中古マンション市況の過熱感も幾分和らぎ、積極的な仕入活動を実施したことで、第2四半期末の収益不動産残高は前年同期比46.7%増の18,227百万円と大きく積み上げることができた。2017年3月期末の目標を20,000百万円としていたので、順調に積み上げが進んだと言える。営業利益の増益率が低いのは収益不動産の残高が積み上がったことによる減価償却費の増加や将来の成長に向けた人員体制の強化(9月末の人員は前年同期比24名増の129名)による人件費の増加、仲介手数料の増加などが主因となっている。
また、経常利益は不動産物件の仕入資金として有利子負債を前期末比3,734百万円増やしたことによる金融収支の悪化等により減益となったが、特別利益として長期保有用不動産の売却益86百万円を計上したことで、親会社株主に帰属する四半期純利益は増益となった。事業セグメント別の動向については以下のとおり。
a)収益不動産販売事業
収益不動産販売事業の売上高は前年同期比20.2%増の8,584百万円、EBITDAは同16.8%増の903百万円、営業利益は同5.5%増の816百万円となった。また、将来の収益源となる収益不動産残高は前年同期比で46.7%増の18,227百万円となった。
首都圏の中古マンション市況は引き続き上昇基調が継続したものの、過熱感は和らいできたようで、収益性が高いと見込まれる物件を中心に当期は積極的な仕入活動を行った。仕入件数は国内で26棟、米国で7棟となり、仕入額では前年同期比142.9%増の11,568百万円となった。また、当期より新たに京阪神エリアでの仕入活動も開始している。9月に大阪営業所を開設(4名)し、3件の仕入れを行った。
販売棟数は国内で21棟(前年同期比4棟増)、米国で4棟(同3棟増)となり、合計で25棟となった。このうち、米国市場については2013年の事業開始以降、順調に実績を積み上げてきている。営業エリアは人気の高いカリフォルニア州西海岸に限定しており、販売累計実績は10棟となった。売却済み物件における空室数は1部屋のみと稼働状況は高く、ほぼ100%となっている。投資利回りは年4%程度だが、賃料や物件の販売価格が年々上昇傾向にあることから、引き合いは旺盛だ。当第2四半期累計の売上高は1,019百万円と同事業セグメントの12%を占めるまでになってきており、EBITDAについては102百万円と通期の会社計画を半期で超過するなど、収益面でも貢献し始めている。売却価格が当初想定よりも値上がりしているのが要因だ。米国での9月末の収益不動産残高は2,500百万円、棟数は12棟となっている。
その他、当期は新たな取り組みとして、渋谷道玄坂にて自社開発のオフィスビルの新築工事を2016年7月に着手した。11階建てのビルで総工費は20〜30億円、竣工予定は2017年9月となる。当面は長期保有不動産とし、賃料収入を得ていく予定だ。また、同プロジェクトが成功すれば、継続して自社開発も進めていく方針となっている。
b)ストック型フィービジネス
ストック型フィービジネスの売上高は前年同期比22.1%増の993百万円、EBITDAは同15.3%増の342百万円、営業利益は同13.3%増の319百万円と好調に推移した。収益不動産の期中平均残高が前年同期比29.5%増と積み上がったことで、賃料収入が同18.6%増の484百万円と増加したほか、プロパティ・マネジメントやコンサルティングサービスなども増収となった。プロパティ・マネジメントでは9月末の不動産管理戸数が前年同期比15.3%増の3,892戸に増加した。
売上高の伸びに対して利益の伸びが小幅にとどまった要因は、長期保有用収益不動産の積み増しを推進したことで減価償却費が増加したこと、並びに、今後の成長に備えた組織拡充による人件費の増加が主因となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(1) 2017年3月期第2四半期累計の業績概要
エー・ディー・ワークス<3250>の2017年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比20.0%増の9,459百万円、EBITDAが同19.8%増の637百万円、営業利益が同1.8%増の514百万円、経常利益が同14.8%減の350百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同5.3%増の277百万円となり、8月時点の会社予想に対して、売上高、利益ともに上回って着地した。収益不動産販売事業、ストック型フィービジネスともに順調に拡大したことが要因だ。
第2四半期にはいって首都圏の中古マンション市況の過熱感も幾分和らぎ、積極的な仕入活動を実施したことで、第2四半期末の収益不動産残高は前年同期比46.7%増の18,227百万円と大きく積み上げることができた。2017年3月期末の目標を20,000百万円としていたので、順調に積み上げが進んだと言える。営業利益の増益率が低いのは収益不動産の残高が積み上がったことによる減価償却費の増加や将来の成長に向けた人員体制の強化(9月末の人員は前年同期比24名増の129名)による人件費の増加、仲介手数料の増加などが主因となっている。
また、経常利益は不動産物件の仕入資金として有利子負債を前期末比3,734百万円増やしたことによる金融収支の悪化等により減益となったが、特別利益として長期保有用不動産の売却益86百万円を計上したことで、親会社株主に帰属する四半期純利益は増益となった。事業セグメント別の動向については以下のとおり。
a)収益不動産販売事業
収益不動産販売事業の売上高は前年同期比20.2%増の8,584百万円、EBITDAは同16.8%増の903百万円、営業利益は同5.5%増の816百万円となった。また、将来の収益源となる収益不動産残高は前年同期比で46.7%増の18,227百万円となった。
首都圏の中古マンション市況は引き続き上昇基調が継続したものの、過熱感は和らいできたようで、収益性が高いと見込まれる物件を中心に当期は積極的な仕入活動を行った。仕入件数は国内で26棟、米国で7棟となり、仕入額では前年同期比142.9%増の11,568百万円となった。また、当期より新たに京阪神エリアでの仕入活動も開始している。9月に大阪営業所を開設(4名)し、3件の仕入れを行った。
販売棟数は国内で21棟(前年同期比4棟増)、米国で4棟(同3棟増)となり、合計で25棟となった。このうち、米国市場については2013年の事業開始以降、順調に実績を積み上げてきている。営業エリアは人気の高いカリフォルニア州西海岸に限定しており、販売累計実績は10棟となった。売却済み物件における空室数は1部屋のみと稼働状況は高く、ほぼ100%となっている。投資利回りは年4%程度だが、賃料や物件の販売価格が年々上昇傾向にあることから、引き合いは旺盛だ。当第2四半期累計の売上高は1,019百万円と同事業セグメントの12%を占めるまでになってきており、EBITDAについては102百万円と通期の会社計画を半期で超過するなど、収益面でも貢献し始めている。売却価格が当初想定よりも値上がりしているのが要因だ。米国での9月末の収益不動産残高は2,500百万円、棟数は12棟となっている。
その他、当期は新たな取り組みとして、渋谷道玄坂にて自社開発のオフィスビルの新築工事を2016年7月に着手した。11階建てのビルで総工費は20〜30億円、竣工予定は2017年9月となる。当面は長期保有不動産とし、賃料収入を得ていく予定だ。また、同プロジェクトが成功すれば、継続して自社開発も進めていく方針となっている。
b)ストック型フィービジネス
ストック型フィービジネスの売上高は前年同期比22.1%増の993百万円、EBITDAは同15.3%増の342百万円、営業利益は同13.3%増の319百万円と好調に推移した。収益不動産の期中平均残高が前年同期比29.5%増と積み上がったことで、賃料収入が同18.6%増の484百万円と増加したほか、プロパティ・マネジメントやコンサルティングサービスなども増収となった。プロパティ・マネジメントでは9月末の不動産管理戸数が前年同期比15.3%増の3,892戸に増加した。
売上高の伸びに対して利益の伸びが小幅にとどまった要因は、長期保有用収益不動産の積み増しを推進したことで減価償却費が増加したこと、並びに、今後の成長に備えた組織拡充による人件費の増加が主因となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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