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ヴィレッジV Research Memo(7):営業利益は前年同期比127.4%増の114百万円で着地

注目トピックス 日本株
■業績動向

(1) 2017年5月期第1四半期決算概況

10月14日に発表されたヴィレッジヴァンガードコーポレーション<2769>の2017年5月期第1四半期(2016年6月−8月)連結業績は、売上高が前年同期比21.0%減の8,250百万円、営業利益が同127.4%増の114百万円、経常利益が同64.3%増の46百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は148百万円(前年同期は32百万円の純損失)となった。主力の「ヴィレッジヴァンガード」で客単価は上昇したが、新商材の開発の遅れにより客数が減少し、売上高は計画を4.9%下回った。「VV Webbed」はクリエイター及び限定商品が好調に推移した。前年同期には「チチカカ」が営業損失となり連結営業利益にマイナスに響いたが、今期はそれが解消したため、営業利益段階では増益となった。特別損失にチチカカ譲渡に伴う子会社株式売却損150百万円を計上したことから最終損失に至った。チチカカ関連の取引に伴い、価格の調整が必要で、それが確定したことによりこのタイミングでの計上となった。営業キャッシュフローは、仕入債務の増加があり19百万円(前年同期は74百万円)で着地した。

通期連結業績予想の売上高37,772百万円(前期比19.2%減)、営業利益634百万円(前期は271百万円の損失)、経常利益525百万円(同348百万円の損失)は据え置いたが、チチカカ関連の特別損失の計上で親会社株主に帰属する当期純損失を132百万円(修正前は18百万円の純利益予想。前年実績は4,353百万円の純損失)に修正した。1株当たり配当予想の14円は据え置いた。

(2)在庫はコントロール下にある

先に述べたように、同社の水準は全産業平均に比べると確かに高い。しかしながら、同社の事業特性上の制約や、他の業態との在庫の意味合いが異なること、また、同社は3年前に在庫の評価減を徹底的に実施しており、継続して在庫のコントロールに努めていることなどを考慮すると、在庫要因による現時点からの大きな追加損失計上は見込めないだろう。

(3) 2016年5月期決算概況

2016年5月期連結業績は、売上高が前期比1.6%増の46,758百万円、営業損失が271百万円(前期は761百万円の利益)、経常損失が348百万円(同804百万円の利益)、親会社に帰属する当期純損失は4,353百万円(同69百万円の利益)だった。大黒柱の「ヴィレッジヴァンガード」の売上高が微減し減益となったほか、前述したチチカカ事業の悪化、営業損益段階で894百万円の損失となったのが大きな痛手となった。

「ヴィレッジヴァンガード」は、売上高の微減もあったが、それ以上に値引き等の影響により売上総利益が減少。販管費の削減を実施したが、売上総利益の減少を補う水準までは回復できなかった。

「チチカカ」は、14ヶ月(2015年4月〜2016年5月)の変則決算となった。売上高は、ブランド力の低下に伴う客数の減少、上期におけるセール販売の抑制、暖冬による冬物衣料の不振などで振るわなかった(年度対比では増益に出ているが14ヶ月の変則決算のため、ここでは考慮しない)。営業損益段階では、894百万円の損失と2期連続の赤字転落であり、損失幅が拡大した。同社は、仕入の抑制、在庫の消化、本部組織のスリム化、物流の効率化、不採算店の閉店(直営店20店舗の閉鎖)などに取り組んできたが、売上高の減少要因とともに為替がマイナスに働いたこともあり、取り戻せなかった。結果として、同社は自社グループ内での再建ではなく、他社への譲渡を決断した(詳細は後述)。

「TITICACA HONG KONG LIMITED」とその他事業も営業損失を計上した。

(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)



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