【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家元・社長:冬場は必ずチェックしたい、鳥インフルエンザ関連銘柄を深掘り特集
[16/11/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家元・社長氏(ブログ「元投資顧問会社社長のチラシの裏」)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2016年11月25日9時に執筆
この数年、冬場になるとテレビや新聞、雑誌などのメディアで多く取り上げられるようになっている鳥インフルエンザ。
今回は、鳥インフルエンザ関連銘柄をピックアップして深掘り解説していこうと思います。
■鳥インフルエンザとは?
鳥インフルエンザは、A型インフルエンザが鳥類に感染して起きる鳥類の感染症です。鳥インフルエンザウイルスは野生の世界に存在しており、アヒルなどのカモ類などを宿主にしています。鳥間ではフンを媒介して感染するものの、宿主自身は感染しないという性質があります。
こうしたウイルスの中にはニワトリや七面鳥などに感染すると非常に高い病原性をもたらすものが存在し、これらが世界中の養鶏産業の脅威となっています。通常、こうした鳥インフルエンザウイルスに人間は感染しませんが、例外的に感染してしまうということがあります。
鳥インフルエンザに感染した鳥や死骸、内臓などを濃厚に接触した場合などです。濃厚に接触するというのは直接触れる、誤って口の中に入ってしまうなどがあります。ここで感染した場合、人から人への可能性も出てきますが、この場合も患者の介護などで濃厚な接触がない限り、感染することはありません。
■パンデミックを徹底的に防ぐ取り組み
万が一、鳥インフルエンザが人間に感染し、それが急速に広まってしまったら...。
鳥インフルエンザは世界中で毎年発生しており、人への感染もたびたび起きています。東南アジアなどでいわゆるパンデミックが発生した場合、それを制圧するには治療薬が欠かせません。
鳥インフルエンザ関連銘柄が取り沙汰されるようになってくると、鳥インフルエンザの症状を抑える薬などが注目を集めるようになります。こうした薬の備蓄は各国で急速に進むだけでなく、吸引型のものや副作用が少ないものなどが開発されるなど研究が進んでいます。
こうした治療薬は、パンデミック発生時にすぐに大量生産できる態勢が整っていればよく、鳥インフルエンザが話題に登り始めると、こうした治療薬を開発・製造・販売する製薬会社の評価も上がりやすくなります。
■予防の観点から見ていきたい鳥インフルエンザ
▽鳥インフルエンザワクチン
一方、予防の観点から鳥インフルエンザを考える場合、鳥インフルエンザに効くようなワクチンの存在やマスクなども重要になってきます。
ワクチンに関してはパンデミックが発生してもいいように、様々な準備、研究が進んでいます。
アフリカなどを中心とし、日本でも患者が来日して騒動となったエボラ出血熱では、それ専用の治療薬が当時はなく、問題となりましたが、インフルエンザ治療薬が効果を発揮することが分かり、それらを改良するなどして治療を行い、終息を見せるようになったのは有名な話です。
予防という観点でもこうした考え方は大切で、鳥インフルエンザ用のワクチンの開発も試行錯誤しながら進められています。
現在は、そもそも鳥インフルエンザ用のワクチンが存在しないので接種する事は出来ませんが、仮にワクチンが完成したとしましょう。
パンデミックが予想される状態になれば、そのワクチンを大量生産し、半ば強制的に接種させるということになれば、そのワクチンを開発した会社はかなり儲かると言っても良いでしょう。
鳥インフルエンザ用のワクチンを開発しているところに投資をするというのは、今後のことを考えれば無難であることが言えます。
▽最もベーシックな予防法・マスク装着
マスクも同様です。日本では花粉症などでマスクをする機会があるなど、当たり前のようにマスクをしていますが、ヨーロッパなどではあまりそのような光景が見られず、中国や台湾などでもおしゃれなマスクはあっても、日本でつけているような白いマスクをほとんどの人がつけている光景はあまり見られません。
しかし、それは集団感染の状態ではないからであり、パンデミックを防ぐためにはマスクが効果的です。すると、普段はマスクをつけていなくても否応なくつけることになり、マスクの需要は一気に増えます。
日本では事例があり、2009年に豚インフルエンザの発生でパンデミックになることが恐れられ、コンサートなどが中止になる騒ぎに発展しました。その際、マスクをまとめ買いし、インターネットオークションなどでマスクが高値で取引される事態になり、マスクの生産が追いつかないことを露呈しました。
つまり、パンデミックの可能性が指摘されるとマスクを買おうとする人は増えることがこうしたことからもわかります。特に日本の場合は、インフルエンザ以外でも使う機会はあり、安定した需要、供給が期待できます。
もちろん、2009年の反省を生かし、マスクを生産する企業では生産ラインを強化していることからパンデミックが世界で発生した場合でもすぐに供給することもできるような体制を構築しています。
■鳥インフルエンザ関連銘柄
鳥インフルエンザ関連としては他にもうがい薬やマスクに使う繊維などがありますが、こうして見ていくと、インパクトの大きなものとしてはワクチン、治療薬、マスクということになります。
鳥インフルエンザのニュースがあるたびに注目が集まり、東南アジアなどで感染者が出たとなれば、その関連銘柄は確実に注目を集めることになります。冬場は鳥インフルエンザのニュースの有無に注目です。
▽UMNファーマ<4585>
同社が開発している季節性組換えインフルエンザHAワクチンUMN-0501、MN-0502等が有名な創薬ベンチャーのUMNファーマ<4585>。
鳥インフルエンザが一度市場のテーマとして物色されだすと、一気に人気化する可能性が非常に強いのが特徴です。
▽アステラス製薬<4503>
国内製薬会社の2位であり、創薬ベンチャーのUMNファーマ<4585>との販売提携関係にあるアステラス製薬<4503>。
UMNファーマ<4585>の次に資金が流入しやすい傾向にありますので要チェックですね。
▽富士フイルム<4901>
子会社の富山化学工業が、ウイルスへの阻害効果がある化合物質T-705の開発を進めています。
抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」がエボラウィルスに効果があるとされる報道も記憶にあたらしいところです。
▽ダイワボウ<3107>
鳥インフルエンザばかりか、花粉症の季節などでも注目されるのがダイワボウ<3107>。
厚生労働省は、仮に鳥インフルエンザが発生した場合には、外科手術などに用いるサージカルマスクを用いた感染予防を推奨しています。
ダイワボウ<3107>は京都産業大学鳥インフルエンザ研究センターと共同開発した多機能マスクを販売しています。抗ウイルス素材を用いたアレルキャッチャーという名称で、不織布製でバクテリア濾過率99%のサージカルタイプとなっていることからも、比較的物色の初期段階から資金が流入する傾向にあります。
▽その他の鳥インフルエンザ関連銘柄一覧
明治HD<2269>
アルフレッサ ホールディングス<2784>
日清紡ホールディングス<3105>
シキボウ<3109>
ホギメディカル<3593>
川本産業<3604>
電気化学工業<4061>
武田薬品工業<4502>
大日本住友製薬<4506>
塩野義製薬<4507>
中外製薬<4519>
栄研化学<4549>
富士製薬工業<4554>
カイノス<4556>
第一三共<4568>
キョーリン製薬ホールディングス<4569>
大幸薬品<4574>
ビー・エム・エル<4694>
小林製薬<4967>
シャープ<6753>
シスメックス<6869>
スギHD<7649>
大研医器<7775>
興研<7963>
重松製作所<7980>
ユニ・チャーム<8113>
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執筆者名:元・社長
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