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日本調剤 Research Memo(1):調剤報酬改定のマイナス影響を完全に吸収し、第1四半期を底にV字回復

注目トピックス 日本株
日本調剤<3341>は調剤薬局の国内トップクラス企業で、調剤薬局事業の売上高では第2位。自社グループでジェネリック医薬品の製造を行っており、メーカー機能を有しているところが特徴的だ。さらに、医療従事者を対象にした人材派遣・紹介事業と情報提供・コンサルティング事業も加え、4部門体制で事業展開している。

2016年4月の調剤報酬・薬価の改定では、同社を含めた大型薬局チェーンにとって不利となる内容の改定が行われ、収益への影響が懸念された。しかしながら同社は、改定の方向に沿って、かかりつけ薬剤師としての服薬指導の推進やジェネリック医薬品の使用促進に努めた結果、改定のマイナス影響を9月末時点までに完全に取り返すことに成功した。

調剤薬局事業セグメントの業績を四半期ベースで見ると、前述の改定の影響とそこからの回復を如実に反映し、2017年3月期第1四半期の営業利益が前年同期比26.8%の減益、第2四半期が同15.7%の増益となって、V字回復を描いている。同社の高い制度対応力とそれによる収益力の底堅さを確認することができた決算であったと言える。

調剤薬局事業では店舗戦略の面でも変化が見られた。同社は、高機能かつ高効率の店舗の実現にこだわった結果、M&Aよりも自社出店を主体に店舗網を拡大してきた。しかし今第2四半期は新規出店23店のうち11店舗がM&Aによるもので、近年では目立って大きな数値となった。この背後には、同社の厳しい水準に適うM&A案件の増加がある。その好例が「水野薬局」を経営する合同会社水野の子会社化だ。こうした動きは今後も続くとみられ、M&Aの活用増加により、同社の出店ペースも加速することが期待される。

医薬品製造販売事業も順調な進捗が続いている。ジェネリック医薬品推進の流れは更に強まる傾向にあり、同社もそれに対応して販売品目数を着実に増加させている。また将来の一段の市場拡大をにらんだ生産能力増強投資も、つくば第二工場の建設が本格化し、順調に進捗している。今第2四半期は価格競争が激化した影響で、セグメント営業利益は微減益となったことは留意しておくべき事項の1つだが、544店の調剤薬局という強力な販売網を有する同社は、相対的に対応力が高いと弊社ではみている。

■Check Point
・17/3期2Qは増収も、薬価改定直後のマイナス影響を補いきれず、減益で着地
・調剤報酬及び薬価改定のマイナス影響をどこまで押し戻せるかに注目
・17/3期通期は増収増益の見込み

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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