メディシス Research Memo(2):医薬品等ネットワーク事業と調剤薬局事業が主力
[16/12/09]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
メディカルシステムネットワーク<4350>は医薬品等ネットワーク事業と調剤薬局事業を2本柱として、周辺事業となる賃貸・設備関連事業や給食事業、治験施設支援事業、訪問看護事業をそれぞれ子会社で展開している。医薬品等ネットワーク事業は同社と子会社の(株)システム・フォー及び(株) H&Mで運営しており、調剤薬局事業は(株)ファーマホールディングと傘下の子会社及び(株)北海道医薬総合研究所で展開している。
2017年3月期第2四半期累計の事業別構成比を見ると、売上高では調剤薬局事業が全体の88%超と大半を占めているが、営業利益では医薬品等ネットワーク事業で66.0%、調剤薬局事業で55.6%となっており、両事業が同社の主力事業となっている。各事業の概要は以下のとおり。
(1)医薬品等ネットワーク事業
医薬品等ネットワーク事業は、調剤薬局や医療機関と医薬品卸売会社間の医薬品売買を仲介することにより、医薬品流通過程の効率化を支援するビジネスモデルで、顧客は中小規模または個人の調剤薬局が中心となる。
医薬品ネットワーク事業のサービス内容としては、医薬品卸売会社との価格交渉や受発注、決済機能を代行するサプライチェーンマネジメントサービス、店舗にある不動在庫をネットワーク加盟店舗間で融通し合うデッドストックエクスチェンジサービスのほか、薬剤師の教育サポートや資金調達サポートなども行っている。
医薬品ネットワークに加盟することで、調剤薬局は医薬品卸売会社との価格交渉を単独で行うよりも有利に進めることが可能となるほか、薬剤廃棄ロスの削減や受発注業務の簡素化が図れるなど、経営面で様々なメリットが享受できる。特に、中小規模の調剤薬局ほど、加盟するメリットは大きい。
その他の事業としては、調剤薬局に設置するレセプトコンピュータシステムや「O/E system」(医薬品受発注システム)、周辺機器などの開発・販売・保守や調剤機器、什器、備品などの販売業務を行っている。
2016年9月末時点のネットワーク加盟店舗数は、同社グループ、外部加盟店合計で1,597店舗(病・医院33件含む)と拡大基調が続いており、鳥取県、徳島県、高知県の3県を除く都道府県に進出し、残り3県についても早期に進出し全都道府県のカバーを目標としている。同事業の売上高は、加盟店舗の医薬品発注高に応じて発生する受発注手数料とシステム販売で大半を占めており、利益の源泉は受発注手数料となっている。このため、加盟店舗の増加に伴って安定的に収益が積み上がるストック型のビジネスモデルと言える。
(2)調剤薬局事業
調剤薬局事業では、各エリアに主に「なの花薬局」の屋号で調剤薬局を展開しており、M&Aも積極活用しながら同社グループ店舗の拡大を進めている。2016年9月末時点の調剤薬局店舗数は374店舗で業界大手の一角を占める。エリア別では北海道が117店舗と最も多く、次いで関東・甲信越84店舗、近畿54店舗となっている。そのほかにドラッグストア8店舗、ケアプランセンター1ヶ所の運営を行っている。
また、子会社の(株)北海道医薬総合研究所では、薬剤師をはじめとしたグループ内外の調剤薬局業務従事者に対する教育・研修サービスを行っている。
(3)賃貸・設備関連事業
子会社の(株)日本レーベンで展開している事業で、主に調剤薬局の立地開発や建物の賃貸、保険・リース業務を行っている。また、医師開業コンサルティングを行うとともに、複数の診療科目が同一フロア内に集積するメディカルモールや、同一ビル内に診療所が集積するメディカルビルのコンサルティング、及びサービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」)の運営などを行っている。
(4)給食事業
2013年11月に子会社化した(株)トータル・メディカルサービスとその子会社である(株)さくらフーズ、2015年10月に子会社化した九州医療食(株)にて、病院・福祉施設内での給食事業受託業務を行っている。
(5)治験施設支援事業
子会社の(株)エスエムオーメディシスが、SMO(治験施設支援機関)として治験実施施設(医療機関)と契約し、治験支援サービス業務を行っている。
(6)訪問看護事業
2016年5月に東京都練馬区で訪問看護事業を行う(株)ひまわり看護ステーションを子会社化している。訪問看護とは、訪問看護ステーションから看護師等が療養者の生活の場へ訪問し、看護ケアを提供、自立への援助を促すとともに療養生活を支援するサービスだ。国が提唱する地域包括ケアシステムにおいて、看護ステーションは薬剤師や栄養士、あるいは医師やケアマネージャーなど多職種と連携しながら、質の高い医療・介護サービスを提供していくための中心的な役割を果たしている。同社では調剤薬局事業における在宅医療サービスの強化の一環として訪問看護事業を新たにグループ内に取り込んだ格好で、将来的には同社のグループ薬局と連携して全国での事業展開を目指している。なお、ひまわり看護ステーションの売上規模は2015年3月期で59百万円、営業利益で10百万円となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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メディカルシステムネットワーク<4350>は医薬品等ネットワーク事業と調剤薬局事業を2本柱として、周辺事業となる賃貸・設備関連事業や給食事業、治験施設支援事業、訪問看護事業をそれぞれ子会社で展開している。医薬品等ネットワーク事業は同社と子会社の(株)システム・フォー及び(株) H&Mで運営しており、調剤薬局事業は(株)ファーマホールディングと傘下の子会社及び(株)北海道医薬総合研究所で展開している。
2017年3月期第2四半期累計の事業別構成比を見ると、売上高では調剤薬局事業が全体の88%超と大半を占めているが、営業利益では医薬品等ネットワーク事業で66.0%、調剤薬局事業で55.6%となっており、両事業が同社の主力事業となっている。各事業の概要は以下のとおり。
(1)医薬品等ネットワーク事業
医薬品等ネットワーク事業は、調剤薬局や医療機関と医薬品卸売会社間の医薬品売買を仲介することにより、医薬品流通過程の効率化を支援するビジネスモデルで、顧客は中小規模または個人の調剤薬局が中心となる。
医薬品ネットワーク事業のサービス内容としては、医薬品卸売会社との価格交渉や受発注、決済機能を代行するサプライチェーンマネジメントサービス、店舗にある不動在庫をネットワーク加盟店舗間で融通し合うデッドストックエクスチェンジサービスのほか、薬剤師の教育サポートや資金調達サポートなども行っている。
医薬品ネットワークに加盟することで、調剤薬局は医薬品卸売会社との価格交渉を単独で行うよりも有利に進めることが可能となるほか、薬剤廃棄ロスの削減や受発注業務の簡素化が図れるなど、経営面で様々なメリットが享受できる。特に、中小規模の調剤薬局ほど、加盟するメリットは大きい。
その他の事業としては、調剤薬局に設置するレセプトコンピュータシステムや「O/E system」(医薬品受発注システム)、周辺機器などの開発・販売・保守や調剤機器、什器、備品などの販売業務を行っている。
2016年9月末時点のネットワーク加盟店舗数は、同社グループ、外部加盟店合計で1,597店舗(病・医院33件含む)と拡大基調が続いており、鳥取県、徳島県、高知県の3県を除く都道府県に進出し、残り3県についても早期に進出し全都道府県のカバーを目標としている。同事業の売上高は、加盟店舗の医薬品発注高に応じて発生する受発注手数料とシステム販売で大半を占めており、利益の源泉は受発注手数料となっている。このため、加盟店舗の増加に伴って安定的に収益が積み上がるストック型のビジネスモデルと言える。
(2)調剤薬局事業
調剤薬局事業では、各エリアに主に「なの花薬局」の屋号で調剤薬局を展開しており、M&Aも積極活用しながら同社グループ店舗の拡大を進めている。2016年9月末時点の調剤薬局店舗数は374店舗で業界大手の一角を占める。エリア別では北海道が117店舗と最も多く、次いで関東・甲信越84店舗、近畿54店舗となっている。そのほかにドラッグストア8店舗、ケアプランセンター1ヶ所の運営を行っている。
また、子会社の(株)北海道医薬総合研究所では、薬剤師をはじめとしたグループ内外の調剤薬局業務従事者に対する教育・研修サービスを行っている。
(3)賃貸・設備関連事業
子会社の(株)日本レーベンで展開している事業で、主に調剤薬局の立地開発や建物の賃貸、保険・リース業務を行っている。また、医師開業コンサルティングを行うとともに、複数の診療科目が同一フロア内に集積するメディカルモールや、同一ビル内に診療所が集積するメディカルビルのコンサルティング、及びサービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」)の運営などを行っている。
(4)給食事業
2013年11月に子会社化した(株)トータル・メディカルサービスとその子会社である(株)さくらフーズ、2015年10月に子会社化した九州医療食(株)にて、病院・福祉施設内での給食事業受託業務を行っている。
(5)治験施設支援事業
子会社の(株)エスエムオーメディシスが、SMO(治験施設支援機関)として治験実施施設(医療機関)と契約し、治験支援サービス業務を行っている。
(6)訪問看護事業
2016年5月に東京都練馬区で訪問看護事業を行う(株)ひまわり看護ステーションを子会社化している。訪問看護とは、訪問看護ステーションから看護師等が療養者の生活の場へ訪問し、看護ケアを提供、自立への援助を促すとともに療養生活を支援するサービスだ。国が提唱する地域包括ケアシステムにおいて、看護ステーションは薬剤師や栄養士、あるいは医師やケアマネージャーなど多職種と連携しながら、質の高い医療・介護サービスを提供していくための中心的な役割を果たしている。同社では調剤薬局事業における在宅医療サービスの強化の一環として訪問看護事業を新たにグループ内に取り込んだ格好で、将来的には同社のグループ薬局と連携して全国での事業展開を目指している。なお、ひまわり看護ステーションの売上規模は2015年3月期で59百万円、営業利益で10百万円となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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