サン電子 Research Memo(1):M2M事業、ゲームコンテンツ事業が大きく伸びる
[16/12/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
サン電子<6736>は、情報通信関連事業とエンターテインメント関連事業を2本柱とするIT機器メーカーである。2007年に買収したイスラエルのCellebrite Mobile Synchronization Ltd.(以下、セレブライト)が展開する携帯端末関連機器が、米国市場を中心に急成長してきた。特に、携帯端末販売店向け(以下、MLC)に加えて、世界中で需要が拡大している犯罪捜査機関向け(以下、フォレンジック)が同社の成長をけん引している。一方、厳しい市場環境に置かれているエンターテインメント関連事業は縮小傾向にあるものの、創業時から脈々と受け継がれるベンチャースピリットと開発力を武器として、導入実績が増えてきたM2M事業のほか、AR事業※、クラウド事業など、情報通信分野における新たな成長市場への参入により、成長を加速する方針である。
※AR:Augmented Realityの略で、拡張現実のこと。フルCGで現実のような世界をつくるバーチャルリアリティ(仮想現実)とは異なり、現実の光景に様々なデジタル情報を重ね合わせて、現実世界の延長として表示する技術などを指す。
2017年3月期第2四半期(2016年4-9月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.4%減の11,274百万円、営業損失が65百万円(前年同期は147百万円の利益)と減収となり、営業損失を計上。ただ、期初予想に対しては、売上高、利益ともに上回っている。モバイルデータソリューション事業が為替相場(円高)の影響により縮小(ただし、米ドルベースでは伸長)したことに加えて、市場環境の低迷が続いているエンターテインメント関連事業も減収となった。一方、その他事業(M2M、ゲームコンテンツ、新規等)については、M2M事業及びゲームコンテンツ事業がともに大きく伸びている。また、損益面では、減収に伴い売上総利益が若干減益となったことに加えて、今後の成長に向けた先行費用の拡大及び前期下期に子会社化したことによるのれん償却費の発生等により営業損失となった。なお、上期計画に対して上振れたのは、一部製品の前倒し販売によるものであり、通期業績には影響がない見通しである。
2017年3月期の業績予想について同社は、一部製品の前倒し販売による影響を除くと、おおむね計画どおりであったことから期初予想を据え置き、売上高を前期比4.9%増の24,000百万円、営業利益を同71.3%増の700百万円、経常利益を同116.0%増の400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同61.7%増の250百万円と増収増益を見込んでいる。エンターテインメント関連事業の減収を見込む一方、モバイルデータソリューション事業がフォレンジックを軸に大きく伸長する見通しとなっている。また、その他事業においても、各事業が伸長する計画である。損益面では、モバイルデータソリューション事業やM2M事業、AR事業等に対する先行費用の拡大が想定されるものの、増収により増益を確保し、営業利益率も2.9%(2016年3月期は1.8%)に改善する見通しである。
弊社では、エンターテインメント関連事業に不透明感があるものの、その影響を合理的な範囲で織り込んでいることに加えて、好調なフォレンジックが成長軌道に戻りつつあることやM2M事業が大きく伸びていることなどから、同社の業績予想の達成は可能であると判断している。
同社は、2017年3月期を成長加速に向けた取り組みの期と位置付け、2018年3月期からの成長加速を目指す方針としている。弊社では、フォレンジックが外部要因(世界規模での需要の拡大)と内部要因(拠点増設や技術力の更なる強化)の両面が整ったことにより、本格的に成長軌道に乗る可能性が高いとみている。さらには、潜在需要の大きなM2M事業も導入実績が積み上がってきていることから、これらが2018年3月期以降の成長を大きくけん引するものとして注目している。また、2017年3月期下期に実証実験を見込んでいるAR事業や、VR※向けに開発を進めているゲームコンテンツ事業も、2018年3月期(下期)からの業績貢献を想定しており、立ち上がりの規模感やスピードを含め、その動向についてもフォローしていきたい。
※バーチャルリアリティの略。「仮想現実」のことで、コンピュータなどによって作り出されたサイバースペースをあたかも現実のように体験する技術のこと。
■Check Point
・17/3期2Qは減収、営業損失計上となったが期初予想よりも上回る
・17/3期は増収、各利益は大幅増益を見込んでいる
・企業向け現実拡張システム「AceReal」の提供に向け準備を進める
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<YF>
※AR:Augmented Realityの略で、拡張現実のこと。フルCGで現実のような世界をつくるバーチャルリアリティ(仮想現実)とは異なり、現実の光景に様々なデジタル情報を重ね合わせて、現実世界の延長として表示する技術などを指す。
2017年3月期第2四半期(2016年4-9月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.4%減の11,274百万円、営業損失が65百万円(前年同期は147百万円の利益)と減収となり、営業損失を計上。ただ、期初予想に対しては、売上高、利益ともに上回っている。モバイルデータソリューション事業が為替相場(円高)の影響により縮小(ただし、米ドルベースでは伸長)したことに加えて、市場環境の低迷が続いているエンターテインメント関連事業も減収となった。一方、その他事業(M2M、ゲームコンテンツ、新規等)については、M2M事業及びゲームコンテンツ事業がともに大きく伸びている。また、損益面では、減収に伴い売上総利益が若干減益となったことに加えて、今後の成長に向けた先行費用の拡大及び前期下期に子会社化したことによるのれん償却費の発生等により営業損失となった。なお、上期計画に対して上振れたのは、一部製品の前倒し販売によるものであり、通期業績には影響がない見通しである。
2017年3月期の業績予想について同社は、一部製品の前倒し販売による影響を除くと、おおむね計画どおりであったことから期初予想を据え置き、売上高を前期比4.9%増の24,000百万円、営業利益を同71.3%増の700百万円、経常利益を同116.0%増の400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同61.7%増の250百万円と増収増益を見込んでいる。エンターテインメント関連事業の減収を見込む一方、モバイルデータソリューション事業がフォレンジックを軸に大きく伸長する見通しとなっている。また、その他事業においても、各事業が伸長する計画である。損益面では、モバイルデータソリューション事業やM2M事業、AR事業等に対する先行費用の拡大が想定されるものの、増収により増益を確保し、営業利益率も2.9%(2016年3月期は1.8%)に改善する見通しである。
弊社では、エンターテインメント関連事業に不透明感があるものの、その影響を合理的な範囲で織り込んでいることに加えて、好調なフォレンジックが成長軌道に戻りつつあることやM2M事業が大きく伸びていることなどから、同社の業績予想の達成は可能であると判断している。
同社は、2017年3月期を成長加速に向けた取り組みの期と位置付け、2018年3月期からの成長加速を目指す方針としている。弊社では、フォレンジックが外部要因(世界規模での需要の拡大)と内部要因(拠点増設や技術力の更なる強化)の両面が整ったことにより、本格的に成長軌道に乗る可能性が高いとみている。さらには、潜在需要の大きなM2M事業も導入実績が積み上がってきていることから、これらが2018年3月期以降の成長を大きくけん引するものとして注目している。また、2017年3月期下期に実証実験を見込んでいるAR事業や、VR※向けに開発を進めているゲームコンテンツ事業も、2018年3月期(下期)からの業績貢献を想定しており、立ち上がりの規模感やスピードを含め、その動向についてもフォローしていきたい。
※バーチャルリアリティの略。「仮想現実」のことで、コンピュータなどによって作り出されたサイバースペースをあたかも現実のように体験する技術のこと。
■Check Point
・17/3期2Qは減収、営業損失計上となったが期初予想よりも上回る
・17/3期は増収、各利益は大幅増益を見込んでいる
・企業向け現実拡張システム「AceReal」の提供に向け準備を進める
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<YF>