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EMシステムズ< Research Memo(4):調剤薬局向けシステム事業が主力

注目トピックス 日本株

■事業内容

(1)グループ会社の概要

同社グループは、EMシステムズ<4820>のほかに連結子会社5社と持分法非適用会社1社、非連結子会社2社で構成されており、調剤薬局向けの調剤システムの開発・販売、診療所向けの医科システム開発・販売とその他の事業の3つの事業を展開する。連結子会社5社の事業内容は以下のとおり。

(2)事業内容

同社グループで手掛けている事業は、調剤薬局向けの医療事務処理コンピュータシステムの開発・販売を行うa)調剤システム事業及びその関連事業、診療所・クリニック向けの医療事務処理コンピュータシステムや電子カルテシステムなどの開発・販売を行うb)医科システム事業及びその関連事業、調剤及び医科システム事業以外の事業からなるc)その他の事業、の3つのセグメント※に分類される。2017年3月期第2四半期累計期間のセグメント別売上構成は、調剤システム事業及びその関連事業81.6%、医科システム事業及びその関連事業11.0%、その他の事業7.4%となっており、調剤システム事業が主力事業となっている。

※2016年4月に営業体制を刷新し、事業部制を導入したことにより、従来の「システム事業及びその関連事業」セグメントを、「調剤システム事業及びその関連事業」と「医科システム事業及びその関連事業」に分離したことにより、「調剤システム事業及びその関連事業」、「医科システム事業及びその関連事業」及び「その他の事業」の3つの区分となった。

a)調剤システム事業及びその関連事業
同社の調剤システム事業部と連結子会社コスモシステムズ(株)が事業を手掛ける。主要製品は調剤薬局向け医療事務処理コンピュータシステム(製品名:「Recepty NEXT」※)で、自社開発のソフトウェアを市販パソコンに導入調整してユーザーに納入。販売は直販及び販売代理店経由のほか、OEM供給も行っており、ユーザーの調剤薬局数は15,786(2016年9月末)を数える。また、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)によるインターネットを利用した調剤レセプト支援システム等も提供している。

※調剤システム、電子薬歴、情報共有、モバイル端末ASPサービスのすべてを融合し、従来製品(Recepty)に比べ操作性を向上させた。加えて、同社のデータセンターのサーバーに記録が保存される仕組みとなっており、万一の時でもデータが消失することなく利用できるのが特徴。

2017年3月期第2四半期累計期間の売上高(セグメント間取引消去前)は5,358百万円、セグメント営業利益(セグメント間取引消去前)は1,244百万円であった。売上高の内訳は、システムとASPサービスの売上高であるシステム及びネットワーク売上高が4,092百万円(調剤システム事業売上高の76.4%)、レセプト用紙、薬袋、プリンタ用インク等のサプライ売上高が886百万円(同16.5%)、システムの保守サービス売上高が379百万円(同7.1%)。なお、システム及びネットワーク売上高は、システム導入時に発生する一時的な費用である初期費用売上高2,239百万円と月々の利用料である課金売上高1,853百万円からなる。

b)医科システム事業及びその関連事業
同社の医科システム事業部と連結子会社(株)ユニコンが事業を手掛ける。主要製品はクリニック・無床診療所向けの医事会計融合型電子カルテシステム(製品名:「MRN(Medical Recepty NEXT)カルテスタイル」)及び医事会計システム※(製品名:「MRNクラークスタイル」、「ユニメディカル」)で、同社または(株)ユニコンが自社開発したソフトウェアをパソコンに導入調整しユーザーに直販、または販売代理店経由で販売する。なお、2016年7月より販売代理店向けに「買ってすぐ使える電子カルテ」をコンセプトとした診療所向け電子カルテシステム「オルテア」の発売を開始した。ユーザーである診療所・クリニック数は2,469(2016年9月末)となっている。

※ユーザーである医療機関や医師のニーズに合わせて「MRNカルテスタイル」と「MRNクラークスタイル」の2つのタイプを用意。カルテスタイルは電子カルテとレセコン機能を融合させたもの。クラークスタイルはレセコン機能だけだが、導入後の拡張性を持たせた設計になっている。調剤システム同様に初期費用負担を抑え定額の月額(ソフトウェア使用権)使用料を支払う仕組み。さらに、2016年3月期からは他社製レセコンのリプレースを狙い2014年3月期に子会社化した(株)ユニコンのシステムの使いやすさを継承した「ユニメディカルクラークスタイル」を投入した。

2017年3月期第2四半期累計期間の売上高(セグメント間取引消去前)は725百万円、セグメント営業損失(セグメント間取引消去前)は76百万円であった。売上高の内訳を見ると、システム及びネットワークが476百万円(医科システム事業売上高の65.9%)、サプライ37百万円(同5.1%)、保守サービス210百万円(同29.0%)。また、システム及びネットワーク売上高の内訳は、初期費用売上高334百万円、課金売上高143百万円であった。

c)その他の事業
調剤システム事業と医科システム事業に含まれない事業をその他の事業に分類している。同社の医療介護連携事業部が介護システム事業と医療と介護の情報連携を手掛けるほか、調剤及び医科システム事業以外の医療分野のICT化に向けた研究開発や、実証事業に参画している研究開発活動が含まれる。さらに、前期まで連結子会社(株)ラソンテが行っていた新大阪ブリックビル(同社が保有する本社ビル)の管理事業※を同社本体で行う。加えて、連結子会社(株)ラソンテが新大阪ブリックビル内において運営するスポーツジム「LASANTE」並びに保育園「LaLa Kids」の経営を行うほか、2015年5月から連結子会社化した(株)ブリック薬局が同ビル1階において調剤薬局事業を展開している。

※新大阪ブリックビルの入居率は2016年9月末時点で100%。

具体的な製品として、政府が推進している「地域包括ケアシステム」を支援するツールとして開発中の診療所・薬局・介護サービス事業者向け「医療介護連携ソリューション」と、2016年10月に販売を開始したASP型の介護サービス事業者支援システム「つながるケアNEXT」。また、日本医師会・日本薬剤師会・日本大学との共同研究「感染症流行探知サービス」を展開している。

2017年3月期第2四半期累計期間の売上高(セグメント間取引消去前)は489百万円、セグメント営業損失(セグメント間取引消去前)は9百万円であった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )



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