ハピネット Research Memo(3):国内最大手のバンダイと太いパイプを持ち、高い収益性を誇る
[16/12/20]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■会社概要
(3)特色と強み
ハピネット<7552>は玩具や映像音楽ソフト、ビデオゲーム(ハード、ソフト)、アミューズメント商品の中間流通市場で高いシェアを誇る最大手クラスの企業であるが、その特色や強みは以下のような点に要約される。
a)豊富な仕入れ先と販売先
既述のように同社の仕入れ先は約700社、さらに販売先は約1,200社に上る。同社がこれら企業の間に位置することで、メーカーと販売先へそれぞれの情報をフィードバックすることが可能になり、これが双方に対して新製品開発支援や販売支援につながっている。このため、同社の存在は、メーカーと販売店の両サイドにとって欠かせないものとなっている。数多くのメーカーや販売先との取引があるのは同社の強みである。
特に国内最大手の玩具メーカーであるバンダイと太いパイプを持っていることは、他社に比べて比較的高い利益率を得られるだけでなく、販売店側から見ても同社と取引することによって最大手メーカーであるバンダイ商品の動向などの情報を得られることになり、このメリットは大きいだろう。これも同社の強みの1つである。
b)事業ポートフォリオ:安定した収益基盤
玩具やゲーム機器、さらに映像音楽作品などは、商品や作品によって当たりや外れが大きい。そのため流通卸の企業でも特定の商品や特定メーカーの製品に偏っていると、収益が大きく伸びる場合もあるが、一方で落ち込むのも早く、経営基盤が大きく崩落するリスクもある。
この点、同社の取扱商品は既述のように玩具、映像音楽ソフト、ビデオゲーム(ハード、ソフト)、アミューズメント商品と分散している。この結果、特定の商品の当たり外れによって収益が大きく崩れるリスクは同業他社に比べて少なく、収益基盤は安定していると言える。この事実は、収益のブレが大きい玩具やゲーム業界において強みとなっており、後に述べるような今後の拡大戦略にもつながってくる。
c)最適流通システム
さらに同社の情報力を支えているのが、EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)、POS、Webなどを活用し、メーカーから小売店までを結んだ「最適流通システム」である。その拠点となるのが国内3ヶ所にあるロジスティクスセンターで、これらの合計面積は66,284平方メートルに達する。このような大規模、高効率の物流センターを有することで、リアルタイム・高精度の在庫管理と迅速かつ適切な出荷業務が可能となり、サプライチェーンマネジメントによる生産数量の適正化支援や流通在庫のスリム化など流通の合理化に寄与している。なお、ロジスティクスセンターは、連結子会社(株)ハピネット・ロジスティクスサービスが運営している。
d)信用力、資金力
今後の国内エンタテインメント市場、特に玩具市場を中長期的な視点から考察すると、人口構成の点から残念ながら必ずしも成長市場とは言えず、むしろ縮小していく可能性が高いと考えられる。そうなると、市場の寡占化が進み、M&Aなども頻繁に起こる可能性が考えられる。そのような環境下で成長を続けるために必要なのは、経営力に加えて信用力、資金力である。この点で同社はバンダイナムコグループの一員であること、上場企業であること、業界最大手規模であることなどから、同業他社に比べて信用力や資金力が高いと言える。これも同社の強みである。
また玩具、映像音楽ソフトやゲームソフトなどの商品は「鮮度」が重要であり、長期間の在庫保有はリスクが高い。その一方で少量在庫しか持たないと商機を逸することになり、市場動向を予測しながら常に適正な在庫を保有することが収益性を高めるポイントとなる。このような適正在庫を保有するには、やはりある程度の資金力が必要であり、この点も同社の強みと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<YF>
(3)特色と強み
ハピネット<7552>は玩具や映像音楽ソフト、ビデオゲーム(ハード、ソフト)、アミューズメント商品の中間流通市場で高いシェアを誇る最大手クラスの企業であるが、その特色や強みは以下のような点に要約される。
a)豊富な仕入れ先と販売先
既述のように同社の仕入れ先は約700社、さらに販売先は約1,200社に上る。同社がこれら企業の間に位置することで、メーカーと販売先へそれぞれの情報をフィードバックすることが可能になり、これが双方に対して新製品開発支援や販売支援につながっている。このため、同社の存在は、メーカーと販売店の両サイドにとって欠かせないものとなっている。数多くのメーカーや販売先との取引があるのは同社の強みである。
特に国内最大手の玩具メーカーであるバンダイと太いパイプを持っていることは、他社に比べて比較的高い利益率を得られるだけでなく、販売店側から見ても同社と取引することによって最大手メーカーであるバンダイ商品の動向などの情報を得られることになり、このメリットは大きいだろう。これも同社の強みの1つである。
b)事業ポートフォリオ:安定した収益基盤
玩具やゲーム機器、さらに映像音楽作品などは、商品や作品によって当たりや外れが大きい。そのため流通卸の企業でも特定の商品や特定メーカーの製品に偏っていると、収益が大きく伸びる場合もあるが、一方で落ち込むのも早く、経営基盤が大きく崩落するリスクもある。
この点、同社の取扱商品は既述のように玩具、映像音楽ソフト、ビデオゲーム(ハード、ソフト)、アミューズメント商品と分散している。この結果、特定の商品の当たり外れによって収益が大きく崩れるリスクは同業他社に比べて少なく、収益基盤は安定していると言える。この事実は、収益のブレが大きい玩具やゲーム業界において強みとなっており、後に述べるような今後の拡大戦略にもつながってくる。
c)最適流通システム
さらに同社の情報力を支えているのが、EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)、POS、Webなどを活用し、メーカーから小売店までを結んだ「最適流通システム」である。その拠点となるのが国内3ヶ所にあるロジスティクスセンターで、これらの合計面積は66,284平方メートルに達する。このような大規模、高効率の物流センターを有することで、リアルタイム・高精度の在庫管理と迅速かつ適切な出荷業務が可能となり、サプライチェーンマネジメントによる生産数量の適正化支援や流通在庫のスリム化など流通の合理化に寄与している。なお、ロジスティクスセンターは、連結子会社(株)ハピネット・ロジスティクスサービスが運営している。
d)信用力、資金力
今後の国内エンタテインメント市場、特に玩具市場を中長期的な視点から考察すると、人口構成の点から残念ながら必ずしも成長市場とは言えず、むしろ縮小していく可能性が高いと考えられる。そうなると、市場の寡占化が進み、M&Aなども頻繁に起こる可能性が考えられる。そのような環境下で成長を続けるために必要なのは、経営力に加えて信用力、資金力である。この点で同社はバンダイナムコグループの一員であること、上場企業であること、業界最大手規模であることなどから、同業他社に比べて信用力や資金力が高いと言える。これも同社の強みである。
また玩具、映像音楽ソフトやゲームソフトなどの商品は「鮮度」が重要であり、長期間の在庫保有はリスクが高い。その一方で少量在庫しか持たないと商機を逸することになり、市場動向を予測しながら常に適正な在庫を保有することが収益性を高めるポイントとなる。このような適正在庫を保有するには、やはりある程度の資金力が必要であり、この点も同社の強みと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<YF>