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テクマトリックス Research Memo(5):17/3期の売上高前期比6.6%増、営業利益同19.4%増の見通し

注目トピックス 日本株
■2017年3月期通期業績予想

テクマトリックス<3762>の2017年3月期通期連結業績予想は、年初計画通りで、売上高が前期比6.6%増の22,300 百万円、営業利益が同19.4%増の1,650 百万円、経常利益が同16.1%増の1,650百万円、 親会社株主に帰属する当期純利益が同24.2%増の1,030百万円とされている。中期経営計画「TMX3.0」と比較すると、売上高は98.2%、営業利益は97.1%の達成率となるが、これは、今後の世界経済の不透明感を加味した保守的な予想であり、同社によれば、TMX3.0 の目標である売上高22,700百万円、営業利益1,700百万円の達成を目指す方針に変わりないとしている。また、各指標を第2四半期累計の通期予想比の進捗率でみると、売上高が46.6%、各利益指標が37%前後であり、同社の過去実績がやや期末偏重の傾向があることからみても、十分達成可能な数値であると言える。

同社は今後の展望として、標的型攻撃による大規模な情報漏えい事故が契機となった2016年4月のサイバーセキュリティ基本法改正等により、官公庁・自治体のセキュリティ対策の強化が推進されており、今後もこの傾向は続くとしている。また、政府・自治体が進める情報セキュリティ強靭化対策に関しても上半期後半から自治体の入・改札が目白押しになっており、下半期も継続しているとのことである。同社では、インターネット接続系ネットワークなどの外部から入手したファイルを自動的に無害化し、LGWAN接続系ネットワークに無害化ファイルの受け渡しを可能とするソリューション(ファイル無害化自動連係ツール「Votiro Auto Agent for FileZen」)などを中心に対応を進めるとしている。

一方、民間でも、経済産業省から2015年12月にサイバーセキュリティ経営ガイドラインが出され、セキュリティ対策は企業経営の重要事項となっており、ランサムウェアなどのサイバー攻撃の増加も受けて、セキュリティ対策需要は当面続くとしている。また、民間・官公庁を問わず在宅勤務の要請が高まり、これに伴う個人認証システムの売上が伸びており、この傾向も当面続くと同社は見ている。

民間調査機関の調べでは、国内クラウドサービス市場規模は、2014年度の7,749億円から2019年度には2兆679億円と約2.7倍に急拡大するとの予想もある。また、セキュリティサービスの国内市場規模は、2014年度の3,951億円から2020年度には5,241億円に拡大するとの予想もある。TMX3.0は現場からの数字の積み重ねで策定されており、堅実な内容と言える。さらに、主力事業における市場規模の高い伸びも加味した場合、TMX3.0の業績を達成するのは決して高すぎるハードルとは言えない。2017年3月期の業績は、TMX3.0に掲げられた数字を達成することも十分に可能だろう。

一方で、楽天から取得した金庫株をM&Aに活用するのを基本としており、仮にTMX3.0 の期間中にM&Aが実現すれば、最終年度となる2018年3月期の売上高は計画の251億円よりも増加し、300億円程度になる可能性もあるとしている。

また、配当に関しては、期末に1株当たり25円と、前期比5円の増配を実施する予定となっている。業績向上への自信の表れとも見られる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)



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