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タカショー Research Memo(1):17/1期3Qは純損失だったが、注力するプロユース向けは堅調に推移

注目トピックス 日本株
タカショー<7590>はガーデンニング及びエクステリア商品の企画、製造、販売を主力としており、ガーデニング用品の取扱いでは国内最大級の規模を誇る。「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、人工・天然の竹木製フェンスやガーデンファニチャー、緑化資材のほか、照明器具や池・滝・噴水なども手掛けている。庭での暮らし方を提案する「ガーデンライフスタイルメーカー」として業容を拡大してきた。国内のみならず、海外への販路拡大にも積極的であり、欧州、米国、アジア、オセアニアなどへの展開も同社の成長を後押ししている。最近では、エクステリア分野(住宅の門扉やフェンス、カーポートなど)のほか、レストランやホテル向けなど市場の大きなコントラクト分野(非住宅市場向けの建材・外装)へも参入するとともに、英国子会社の「ベジトラグ(株)」ブランドによるグローバル展開に向けた基盤づくりにも取り組んでおり、新たな成長軸が着実に立ち上がってきた。

ただ、2017年1月期第3四半期累計期間における連結業績は、売上高が前年同期比5.5%減の13,382百万円、営業利益が同28.2%減の569百万円、経常利益が同91.5%減の63百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失が26百万円と減収減益となり、純損失に陥った。為替相場(邦貨換算レート)の変動による影響を含めた海外子会社の縮小と、低調に推移しているホームユース向けが業績の足を引っ張った。特に、第3四半期会計期間だけを取り上げると、海外子会社には持ち直しの兆しがみられるものの、天候不順や取引先の在庫調整などの影響によるホームユース向けの落ち込みが大きいようだ。また、純損失に陥ったのは、外貨建て資産などに対する為替差損(営業外費用)の計上によるものである。一方、注力するプロユース向け(エバーアートウッド関連商品や独自のローボルトライトなど)は堅調に推移しており、成長戦略の軸は着実に進展している。

2017年1月期の連結業績予想について同社は、売上高を前期比1.6%減の17,570百万円、営業利益を同3.1%減の700百万円、経常利益を同58.0%減の251百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同52.3%減の115百万円と減収減益を見込んでいる。減収予想となっているのは、ホームユース向けの落ち込みを反映したことと、海外子会社における各通貨の想定レートを前期末の決算レートよりも大幅に引き下げたことが理由である。ただ、プロユース向けが引き続き拡大するとともに、海外展開においても、好調なタカショーオーストラレイジア(株)(豪州)及びベジトラグUSA(株)(米国)が大きく伸びる見通しとなっている。また、今後の事業拡大に向けた基盤づくりについても、中国生産拠点の増強のほか、国内工場の増設やショールーム展開など積極投資を継続していく方針に変わりはない。弊社では、業績予想の達成に向けたハードルは決して低くはないものとみているが、ホームユース向けの落ち込みをプロユース向けの伸びでどこまでカバーできるかがポイントになりそうだ。

弊社では、過去5年間にわたって積極的な先行投資を行ってきた同社のこれからの成長性に注目している。特に、順調に軌道に乗ってきたエクステリア分野に加えて、新たに参入したコントラクト分野における案件の広がり、「ベジトラグ」ブランドによるグローバル展開など、今後の成長に向けた基盤づくりが形になってきている。また、最近では、プロユース(エクステリア分野)向けに対する海外からの引き合いも増加しており、新たな成長軸として期待ができそうだ。ライフスタイルの変化に伴う需要の伸びに加えて、ガーデンセラピーなどの新しい領域への可能性も高まるなかで、同社自らが市場を創造・育成していく活動が成功のカギを握ると考えられる。

■Check Point
・17/1期3Qは減収減益、天候不順やホームユース向けの落ち込みが影響
・17/1期通期は減収減益の見通し、為替レートによっては上振れの余地あり
・18/1期以降は「ベジドラグ」ブランドの米国展開の本格化を進める

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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