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ダイナムジャパンHD Research Memo(1):売上高拡大につながる“固定ファン”作りに向け新たな挑戦をスタート

注目トピックス 日本株
ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>は、店舗数で第1位の日本最大級のパチンコホール運営企業。チェーンストア理論に基づいて練り上げられてきたローコストオペレーションに強みと特徴があり、新規出店から日々の店舗運営まで徹底されている。また、顧客第一主義や情報開示、コンプライアンス経営の徹底などが評価されて業界初の株式上場を果たしたパイオニア企業でもある。

厳しい業界環境が続くなか、同社はチェーンストア理論に基づくローコストオペレーションや上場企業である強みを生かし、業界再編を成長のチャンスにできる数少ない企業の1社だ。M&Aとオーガニック出店(自社による新規出店)とを組み合わせ、店舗網の拡大を図ることが同社の成長戦略だ。

今期に入って同社は、新たな挑戦を始めた。個々の店舗の売上高の拡大(トップライングロース)を目指した、地域ごとの顧客視点に立ったサービスの強化だ。目指すところはダイナムの固定ファンづくりだ。コスト管理の面ではチェーンストア理論に基づくオペレーションマニュアルが活躍したが、固定ファンづくりでは、それぞれの店舗の客層に応じた心に刺さるサービスを打ち出していくことになる。

こうした新たな挑戦を通じて同社がトップライングロースの実現に成功すれば、店舗網拡大に加えて、既存店売上高の拡大というもう1つの成長戦略を手にすることができる。文字どおりの“成長”には至らなくとも、既存店売上高の落ち込みを相対的に縮小することができれば、ローコストオペレーションとあいまって店舗利益をしっかりと確保できることになる。個々の店舗の収益力の基盤強化は、店舗網拡大戦略にもプラスの相乗効果をもたらすと期待される。

同社の遊技台の稼働数が2016年9月から前年同期比プラスに転じ、業界平均との差を広げているというデータが出てきているのは心強いポイントだ。新たな売上高拡大策との因果関係は明確ではないが、同社はかねてより低貸玉営業や射幸性に頼らない営業を行って顧客との共存を目指す店づくりを推進してきた。それが底堅い業績に結びついている可能性がある。足元の業績も堅調だ。2017年3月期第2四半期は、厳しい環境をはねのけ、増収増益を達成した。今下期も前述の稼働数の向上などから、堅調な推移が期待されるところだ。

■Check Point
・縮小する市場で同社の存在感が増す
・更なるM&A、新規出店により収益の成長を図る
・安定した配当を出し続けることが基本方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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