企業調査レポート(ESG統合版)NTTデータ<9613>---ITを通じた環境・社会課題の解決へ
[17/02/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
企業調査レポート(ESG統合版)は、企業の価値を評価するに重要なESG情報などを加味し、フィスコのアナリストが同社の公開資料及び独自取材に基づき作成した企業調査レポートです。
■要約
エヌ・ティ・ティ・データ(NTTデータ)<9613>は、日本最大の専業ITサービスベンダー。公共・社会基盤、金融、法人・ソリューション、グローバル分野と幅広くITサービスを提供している。
1. 経済価値
2016年3月期の連結業績は、売上高が1,614,897百万円、営業利益は100,885百万円となった。セグメント別売上高の内訳は、公共・社会基盤が26.1%、金融が32.4%、法人・ソリューションが24.3%、グローバルが32.2%(消去又は全社が-14.9%)で、営業利益は、公共・社会基盤が33.1%、金融が31.7%、法人・ソリューションが32.4%、グローバルが0.8%(消去又は全社が2.0%)であった。詳細な情報開示がされており、すべてのステークホルダーに対する説明責任はなされていると言える。
2. 環境価値
2012年6月に改定した環境方針では、環境に配意した事業の推進、法規等の順守、啓発活動の推進、コミュニケーションの推進を主な内容としている。環境に配意した事業の推進には、環境に配意したシステム開発の推進のほか、グリーン購買、省資源・省エネルギー施策の展開、物品の利活用・リサイクルの推進・廃棄物の削減などによる汚染の防止と資源消費の抑制を図る。同社は、情報技術で新しい「しくみ」や「価値」の創造を通じて環境保護に貢献していくとしている。
3. 社会価値
同社は、ステークホルダーごとに取り組んでいる。同社が継続的に成長していくための原点は顧客志向にあるとし、顧客には品質向上活動を推進するとともに、顧客満足度の調査などで顧客の声を吸い上げている。取引先については、調達方針を明確にし、ESG要因を一部基本契約条項に取り込んでいるほか、CSR調達ガイドラインを制定し同方針を取引先にも浸透させ、CSR活動を推進している。人的資本の活用の観点から、社員の人材育成、ダイバーシティの推進、働きやすい職場づくりなどにも注力、特にダイバーシティはグローバル競争に勝ち抜くための経営戦略の1つとして捉え、多様な人材活躍と働き方変革の2軸で新たな企業価値の創出を目指している。地域・社会では、ITを通じた取り組みで貢献するのはもちろんのこと、IT人材育成や被災地復興支援など幅広い社会貢献活動を行っている。
4. ガバナンス
監査役会設置会社。同社の取締役会において社外取締役は全11名中2名で、その選任理由を業務執行の監督機能強化への貢献及び幅広い視点からの助言が期待されるためと説明している。2017年3月期より取締役会メンバーへのアンケートを行う予定で、今後の実効性の検証及び改善内容など外部にも開示されることを期待したい。また、同社はガバナンスの1つとして、リスクマネジメントとは別に情報セキュリティの項目も設定している。
(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)
<NB>
■要約
エヌ・ティ・ティ・データ(NTTデータ)<9613>は、日本最大の専業ITサービスベンダー。公共・社会基盤、金融、法人・ソリューション、グローバル分野と幅広くITサービスを提供している。
1. 経済価値
2016年3月期の連結業績は、売上高が1,614,897百万円、営業利益は100,885百万円となった。セグメント別売上高の内訳は、公共・社会基盤が26.1%、金融が32.4%、法人・ソリューションが24.3%、グローバルが32.2%(消去又は全社が-14.9%)で、営業利益は、公共・社会基盤が33.1%、金融が31.7%、法人・ソリューションが32.4%、グローバルが0.8%(消去又は全社が2.0%)であった。詳細な情報開示がされており、すべてのステークホルダーに対する説明責任はなされていると言える。
2. 環境価値
2012年6月に改定した環境方針では、環境に配意した事業の推進、法規等の順守、啓発活動の推進、コミュニケーションの推進を主な内容としている。環境に配意した事業の推進には、環境に配意したシステム開発の推進のほか、グリーン購買、省資源・省エネルギー施策の展開、物品の利活用・リサイクルの推進・廃棄物の削減などによる汚染の防止と資源消費の抑制を図る。同社は、情報技術で新しい「しくみ」や「価値」の創造を通じて環境保護に貢献していくとしている。
3. 社会価値
同社は、ステークホルダーごとに取り組んでいる。同社が継続的に成長していくための原点は顧客志向にあるとし、顧客には品質向上活動を推進するとともに、顧客満足度の調査などで顧客の声を吸い上げている。取引先については、調達方針を明確にし、ESG要因を一部基本契約条項に取り込んでいるほか、CSR調達ガイドラインを制定し同方針を取引先にも浸透させ、CSR活動を推進している。人的資本の活用の観点から、社員の人材育成、ダイバーシティの推進、働きやすい職場づくりなどにも注力、特にダイバーシティはグローバル競争に勝ち抜くための経営戦略の1つとして捉え、多様な人材活躍と働き方変革の2軸で新たな企業価値の創出を目指している。地域・社会では、ITを通じた取り組みで貢献するのはもちろんのこと、IT人材育成や被災地復興支援など幅広い社会貢献活動を行っている。
4. ガバナンス
監査役会設置会社。同社の取締役会において社外取締役は全11名中2名で、その選任理由を業務執行の監督機能強化への貢献及び幅広い視点からの助言が期待されるためと説明している。2017年3月期より取締役会メンバーへのアンケートを行う予定で、今後の実効性の検証及び改善内容など外部にも開示されることを期待したい。また、同社はガバナンスの1つとして、リスクマネジメントとは別に情報セキュリティの項目も設定している。
(執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら)
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