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ビーロット Research Memo(7):提携やM&A等、多種多様にスピード感をもった増強展開

注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略

1. インバウンド戦略の推進
ビーロット<3452>では、近年、インバウンド戦略として、デザイン性の高いカプセルホテルやホステルなどを主とした宿泊系アセットの商品開発に取り組んできた。2015年にファーストキャビン築地とIMANO TOKYO(新宿)を簡易宿所として不動産再生したことを皮切りに全国で開発案件が進行している。直近では2016年12月に「the kamui niseko(北海道・ニセコ、ホテルコンド※)」、2017年3月には、「ナインアワーズ北新宿(東京・新宿・カプセルホテル)」が竣工し賃料等の収受を開始した。2017年9月には「京都清水五条ホステル(清水寺、世界文化遺産付近)」の竣工が予定されている。カプセルホテルからコンドミニアムまで、北海道から沖縄まで多様なインバウンド向け施設を手掛け、売却の際の販路まで拡大と、同時に多方面で増強展開していることが同社の強みである。

※ホテルコンドとはホテル+コンドミニアムの造語で、オーナーが一室を購入し、自分が使わないときはホテルとして一般客に貸し出し、その宿泊料をオーナーと管理会社でシェアするという仕組み。

竣工した宿泊施設は、運営は基本的にオペレーション会社に外部委託し、一定期間を経て安定稼働に至った段階で販売を行う計画である。既にアジア投資家へのホテル売却実績は2件あり、シンガポール現地法人をハブにアジア投資家に向けた売却も視野に入れている。連結子会社であるビーロット・アセットマネジメント(株)では海外のファミリー企業が好む不動産取得のスキーム提案、アセットマネジメント受託なども提案し、グループで包括的なサービスの提供も開始している。

2. ヴィエント・クリエーションの株式取得(子会社化)
2017年1月、同社はヴィエント・クリエーションの全株式を取得し子会社化した。ヴィエント・クリエーションは、JR山手線の恵比寿駅及び五反田駅より徒歩3分以内という都内でも希少な立地にカプセルホテル2棟を所有している。今後は、インバウンド戦略を推進する同社の傘下で所有不動産から得る収益の向上を図る。同社は、従来中古不動産そのものを購入してきたが、今回は未公開企業の株式を購入してその会社にある経営資源を用いた再生を図る。いわゆる「プライベートエクイティ投資」に事業領域を広げる第一歩としたい考えだ。

株式取得金額は588百万円であり、土地建物を含む総資産が781百万円、2015年6月期までの3年間は営業利益が黒字であり、大きなリスクはないと考えてよいだろう。

3. ミサワホームと共同出資で不動産ファンドを組成
2016年9月、ミサワホームと同社は、共同出資した不動産ファンドが運用を開始したことを発表した。

戸建住宅事業に依存した事業ポートフォリオを最適化するために、収益源の多角化を目指すミサワホームとアセットマネジメント分野を伸ばしたい同社の思惑が一致し、手を組んだ形だ。不動産ファンドの名称は「合同会社MBインベストメント1」。既に大阪市内の築浅賃貸マンションや札幌市内の学生向けドミトリーを取得しており、期中運用はビーロット・アセットマネジメントが業務受託している。

同社グループとしては、出資金に対するリターンとして運用成績による配当金収入などが想定され、かつアセットマネジメントにおけるフィー収入などが期待できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



<NB>

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