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ザインエレクトロニクス Research Memo(5):新製品の積極投入で、2018年以降の飛躍を目指す

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 新中期経営戦略「J-SOAR」の概要
ザインエレクトロニクス<6769>は今後の成長に向けて、新たな3ヶ年中期経営戦略「J-SOAR」を2017年2月に発表した。基本戦略としては、同社が強みとしているインターフェース用半導体を軸足として、顧客課題を解決するとともに、世界市場に向けて同社独自の日本発ソリューションを提供していくことを掲げている。

具体的な施策としては、大規模の販売数量が見込まれるPC/VR等民生機器市場や、IoT、産業機器、車載機器市場等に向けて、インターフェース用半導体の新製品を投入していくほか、LSI単品ビジネスだけでなく、差別化力をさらに高めていくためモジュールビジネスにも展開していく。さらには、シナジーが見込めるアライアンスやM&Aなども引き続き推進していく考えだ。

経営目標値としては、2019年12月期に連結売上総利益2,600百万円以上、従業員1人当たり売上総利益で18百万円以上の達成を目指していく。年度別の計画として、2017年12月期に関しては躍進的成長のための競争力を獲得する目的から、新製品開発のための研究開発に集中する年度と位置付けている。重点開発項目としては、大規模な市場が見込まれ、今後3年間の収益けん引役になると期待される次世代USB規格対応のインターフェース半導体及びモジュールビジネスとなる。研究開発費としては前期比404百万円増加の1,624百万円を計画している。開発費の増加によって、2017年12月期の営業損失は拡大する見込みだが、2018年以降の飛躍に向けて必要な開発投資と位置付けている。

また、2018年12月期は2017年に投入した戦略製品の拡販に取り組むほか派生商品の開発やその他新製品の開発も進めていく。業績については営業利益で黒字転換を見込んでいる。2019年12月期においては、2017年に実施した研究開発投資の量的成果を獲得するほか、長期的成長に向けたビジネス展開も同時に開始していく。例えば、車載用カメラについては現在、後方確認用やドライブレコーダー用途での普及が進んできているが、今後はドアミラーレス化やサラウンドビューモニター等の需要が立ち上がり、自動車1台当たりのカメラ搭載数量も増加していくことが予想されている。また、車載用ディスプレイも高解像度化が進む見通しであり、同市場においてインターフェース用半導体の需要は2020年以降、高成長が期待できる市場として位置付けられ、製品開発に注力していく方針だ。

2017年に集中的に研究開発を実施することで、2019年12月期における売上総利益に占める新製品の寄与度は4割弱に達すると同社では想定している。2019年12月期の売上総利益の最低目標である2,600百万円は、前期比で1.4倍の水準となるため、今後3年間の利益成長は2017年以降投入する新製品で獲得していくことを意味している。新製品のうち約半分は次世代USB規格対応品を中心とした民生機器向けで、3割強を産業機器向け、残りを車載機器向けになると同社では想定している。

また、連結従業員数に関しては開発人員を中心に増員していく方針となっているが、1人当たり売上総利益の目標から逆算すると3年後でも144名程度(2016年12月末は138名)となるため、この間の固定費については大きな増加を見込んでいないものと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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