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ケネディクス Research Memo(10):積極的な自社株買いにより総還元性向は約60%の水準に

注目トピックス 日本株
■株主還元策

ケネディクス<4321>の今後の株主還元策は、安定的な収益であるベース利益に基づく継続的な配当に加えて、自社株買いについても、外部環境の影響が大きい不動産投資事業からの利益に基づき、機動的に実施することを基本方針としている。「ケネディクスモデル」が本格稼働し、バランスシートを大きく拡大することなく、持続的な利益成長を実現する収益モデルとなってきたことから、これまでの財務基盤の安全性から資本効率性を重視した資本政策への転換を意図したものとみられる。

中期経営計画の初年度2015年12月期については、前期比1円増配の1株当たり4円の配当(配当性向10.8%)に加えて、自社株買い約20億円を実施した(総還元性向では約31%)。また、2016年12月期についても1株当たり4円の配当(配当性向10.1%)に加えて、自社株買い約50億円を実施している(総還元性向では約59%)。2017年12月期については、現時点で前期比1円増配の1株当たり5円の配当(配当性向11.9%)を予定している。

また、今後の資本政策の機動性確保のため、資本準備金の額の減少(100億円の減額)を行い、その全額をその他資本剰余金に振り替えることを2017年3月の定時株主総会に付議する予定である。実現すれば、新たに株主還元の原資が増えることとなるため今後の動向が注目される。

弊社では、受託資産残高の拡大によりベース利益の安定的な伸びが期待できることから、利益成長に伴う増配の可能性は高いと考えている。また、自社株買いについても、不動産投資事業からの利益に左右される可能性が高いものの、今回の資本準備金の取り崩しなどから判断すると、資本効率性(ROE)の改善に向けて積極的なスタンスが継続するものとみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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