ハウスドゥ Research Memo(3):高収益のフランチャイズ事業が稼ぎ頭(1)
[17/03/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
ハウスドゥ<3457>の2016年6月期の売上高の事業別構成は、フランチャイズ事業が10.7%、不動産売買事業が50.8%、ハウス・リースバック事業が6.4%、不動産流通事業が9.8%、住宅・リフォーム事業が22.0%(うちリフォーム事業17.7%、住宅(新築戸建)事業4.3%)であった。調整額控除前のセグメント利益の構成比は、フランチャイズ事業が43.6%、不動産売買事業が35.0%、ハウス・リースバック事業0.1%、不動産流通事業が10.5%、住宅・リフォーム事業が11.0%であった。フランチャイズ事業の売上高構成比は10%程度だが、利益面では最大の稼ぎ頭になる。
同社グループは、同社と連結子会社3社で構成される。本体が、フランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産売買事業及び住宅・リフォーム事業を行う。子会社の(株)ハウスドゥ住宅販売が不動産流通事業を、(株)フィナンシャルドゥがその他事業である不動産金融事業を、(株)ハウスドゥ・キャリア・コンサルティングがその他事業の人材教育・研修事業を展開している。
1. フランチャイズ事業
(1) フランチャイズ事業の売上構成
2016年6月期のフランチャイズ事業の売上構成は、加盟金が23.7%、月会費が23.1%、システム料が10.4%、広告分担金が22.9%、備品売上が8.3%、その他が11.5%となった。同期における新規加盟契約数は119件であった。広告分担金は、集合的な広告宣伝に使用されるため、費用を徴収しているにすぎない。フランチャイズ事業の営業利益は1,110百万円となり、調整額控除前の売上高営業利益率が59.1%の高水準であった。
(2) 加盟店の推移
累計加盟店契約数は、2016年6月期末の377店舗から2017年6月期に472店舗、2018年6月期に583店舗、2019年6月期に699店舗と急ピッチに増加させる計画でいる。
当初のフランチャイジー(フランチャイズ加盟店)は、中小の不動産業者ばかりではなく、建築やリフォームなど不動産売買仲介事業と隣接する異業種からの加盟が多かった。それらの企業は、不動産売買仲介事業を手掛けることによって本業の強化・拡大というメリットを享受している。ブランド(看板)やネットワークを必要とする中小不動産事業者、また新規に不動産流通事業に参入しようとする企業に対し、不動産売買仲介事業におけるノウハウ(集客戦略、IT戦略、教育研修、モチベーションアップ戦略等)を提供している。
フランチャイズ事業は、知名度及び信用度のアップに複数の業態を開発したことで、地域と加盟店の対象が拡大しつつある。住まい・不動産に関わるサービスメーカーとして、新しいサービスの開発・提供を進めてきた。他社に先駆けて開発したサービスには、「家・不動産買取専門店」による買取サービスや、住みながら家を売却できる「ハウス・リースバック」、最近では「不動産担保ローン」といった金融サービスなどがある。フランチャイズチェーンの価値を、新事業のスキーム開発力とブランド力で評価するステージに入ってきたと言える。従来にないビジネスをフランチャイズシステムで提供するようになって、新規の加入者のうち不動産会社の占める割合が高まっている。不動産のプロが、同社のフランチャイズサービスの有用性を認識するにようになっている。
2012年に東京本社・京都本店体制を始動し、翌年には元プロ野球選手・監督、現解説者の古田敦也(ふるたあつや)氏をイメージキャラクターに起用したブランド戦略を展開している。東証マザーズ上場により、同社に対するイメージが京都の企業から全国区へとアップした。さらに2016年12月に東証1部へ市場変更したことから、社会的信用が一層高まり、フランチャイズ加盟店募集に対する問い合わせが増えている。
2016年12月末における家・不動産買取専門店を除く329店舗の地域別店舗数の割合は、東海地域が30.1%と最も多く、創業した近畿地域の15.8%を上回っている。市場規模が近畿地区の2.5倍あるとみられる関東地区は、店舗数が近畿地区よりも多くなった。東海地域は、同社が目標とする地域別店舗数125店舗に対して99店舗と進捗率が79%まで上がっている。同地域では、実績店舗数が目標の半分を超えたところで認知度が高まり、ブランド力が向上した。関東地域及び近畿地域で、それぞれ100店舗を超えたところで、東海地域で見られたような質的変化が起きることが見込まれている。最終目標は全国1,000店舗であるが、500店舗を超えてからフランチャイズの加盟に弾みがつくことが予想される。
2013年10月から開始した「家・不動産買取専門店」は、不動産の買取りをメインとし、少人数で店舗運営する。2016年6月期末の店舗数は70店舗に増加した。地場の不動産売買仲介業者にとっては、月会費が固定で、加盟金が安く、ポスター、チラシ、DMなどにイメージキャラクターが使えることが魅力だ。テレビCMの効果も大きい。従来の不動産売買仲介店(サテライト店)との併設も奨励している。従来型の不動産売買仲介店と買取専門店を合算すると、1,000店舗を大きく超える可能性がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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ハウスドゥ<3457>の2016年6月期の売上高の事業別構成は、フランチャイズ事業が10.7%、不動産売買事業が50.8%、ハウス・リースバック事業が6.4%、不動産流通事業が9.8%、住宅・リフォーム事業が22.0%(うちリフォーム事業17.7%、住宅(新築戸建)事業4.3%)であった。調整額控除前のセグメント利益の構成比は、フランチャイズ事業が43.6%、不動産売買事業が35.0%、ハウス・リースバック事業0.1%、不動産流通事業が10.5%、住宅・リフォーム事業が11.0%であった。フランチャイズ事業の売上高構成比は10%程度だが、利益面では最大の稼ぎ頭になる。
同社グループは、同社と連結子会社3社で構成される。本体が、フランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産売買事業及び住宅・リフォーム事業を行う。子会社の(株)ハウスドゥ住宅販売が不動産流通事業を、(株)フィナンシャルドゥがその他事業である不動産金融事業を、(株)ハウスドゥ・キャリア・コンサルティングがその他事業の人材教育・研修事業を展開している。
1. フランチャイズ事業
(1) フランチャイズ事業の売上構成
2016年6月期のフランチャイズ事業の売上構成は、加盟金が23.7%、月会費が23.1%、システム料が10.4%、広告分担金が22.9%、備品売上が8.3%、その他が11.5%となった。同期における新規加盟契約数は119件であった。広告分担金は、集合的な広告宣伝に使用されるため、費用を徴収しているにすぎない。フランチャイズ事業の営業利益は1,110百万円となり、調整額控除前の売上高営業利益率が59.1%の高水準であった。
(2) 加盟店の推移
累計加盟店契約数は、2016年6月期末の377店舗から2017年6月期に472店舗、2018年6月期に583店舗、2019年6月期に699店舗と急ピッチに増加させる計画でいる。
当初のフランチャイジー(フランチャイズ加盟店)は、中小の不動産業者ばかりではなく、建築やリフォームなど不動産売買仲介事業と隣接する異業種からの加盟が多かった。それらの企業は、不動産売買仲介事業を手掛けることによって本業の強化・拡大というメリットを享受している。ブランド(看板)やネットワークを必要とする中小不動産事業者、また新規に不動産流通事業に参入しようとする企業に対し、不動産売買仲介事業におけるノウハウ(集客戦略、IT戦略、教育研修、モチベーションアップ戦略等)を提供している。
フランチャイズ事業は、知名度及び信用度のアップに複数の業態を開発したことで、地域と加盟店の対象が拡大しつつある。住まい・不動産に関わるサービスメーカーとして、新しいサービスの開発・提供を進めてきた。他社に先駆けて開発したサービスには、「家・不動産買取専門店」による買取サービスや、住みながら家を売却できる「ハウス・リースバック」、最近では「不動産担保ローン」といった金融サービスなどがある。フランチャイズチェーンの価値を、新事業のスキーム開発力とブランド力で評価するステージに入ってきたと言える。従来にないビジネスをフランチャイズシステムで提供するようになって、新規の加入者のうち不動産会社の占める割合が高まっている。不動産のプロが、同社のフランチャイズサービスの有用性を認識するにようになっている。
2012年に東京本社・京都本店体制を始動し、翌年には元プロ野球選手・監督、現解説者の古田敦也(ふるたあつや)氏をイメージキャラクターに起用したブランド戦略を展開している。東証マザーズ上場により、同社に対するイメージが京都の企業から全国区へとアップした。さらに2016年12月に東証1部へ市場変更したことから、社会的信用が一層高まり、フランチャイズ加盟店募集に対する問い合わせが増えている。
2016年12月末における家・不動産買取専門店を除く329店舗の地域別店舗数の割合は、東海地域が30.1%と最も多く、創業した近畿地域の15.8%を上回っている。市場規模が近畿地区の2.5倍あるとみられる関東地区は、店舗数が近畿地区よりも多くなった。東海地域は、同社が目標とする地域別店舗数125店舗に対して99店舗と進捗率が79%まで上がっている。同地域では、実績店舗数が目標の半分を超えたところで認知度が高まり、ブランド力が向上した。関東地域及び近畿地域で、それぞれ100店舗を超えたところで、東海地域で見られたような質的変化が起きることが見込まれている。最終目標は全国1,000店舗であるが、500店舗を超えてからフランチャイズの加盟に弾みがつくことが予想される。
2013年10月から開始した「家・不動産買取専門店」は、不動産の買取りをメインとし、少人数で店舗運営する。2016年6月期末の店舗数は70店舗に増加した。地場の不動産売買仲介業者にとっては、月会費が固定で、加盟金が安く、ポスター、チラシ、DMなどにイメージキャラクターが使えることが魅力だ。テレビCMの効果も大きい。従来の不動産売買仲介店(サテライト店)との併設も奨励している。従来型の不動産売買仲介店と買取専門店を合算すると、1,000店舗を大きく超える可能性がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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