フリービット Research Memo(1):2017年4月期通期計画達成に向け順調、ヘルステック事業を新設
[17/04/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
フリービット<3843>は、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)へのインフラ提供やMVNE(Mobile Virtual Network Enabler:仮想移動体通信サービス提供者)としてのMVNO※1への参入支援、バーチャルデータセンター(VDC)※2を中心とするクラウドインフラの提供、インターネット・サービスにおけるコンサルティング、ソリューションなど様々なサービスを、主に法人向けに提供する。また、グループ会社を通じて、個人向けのISPやMVNOサービス、Webマーケティングサービス、集合住宅向けのインターネット関連サービスなどの事業を手掛ける。
※1 Mobile Virtual Network Operatorの略。NTTドコモ<9437>、KDDI<9433>、ソフトバンク(株)のような無線通信基盤を有する事業者から回線を借りて独自の通信事業を行う事業者。
※2 データセンターの機能を仮想的に構築し、インターネット上から利用できる仕組みまたはサービス。
また、持分法適用関連会社でカルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)との合弁会社であるトーンモバイル(株)においては独自のスマートフォンサービス「TONE」を提供するなど、スマートフォン事業の拡大に注力中。また、2016年9月に連結子会社化した(株)EPARKヘルスケア(現 (株)フリービットEPARKヘルスケア)を核にしてヘルステック事業セグメントをスタートさせた。なお、2016年7月に東京証券取引所市場第1部へ指定された。
1. 2017年4月期第3四半期の業績動向
2017年4月期第3四半期連結業績は、売上高が前年同期比33.1%増の27,180百万円、営業利益が同9.1%増の1,384百万円、経常利益が同18.6%増の1,073百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同26.0%減の252百万円となり、大幅な増収・営業増益を達成した。前年同期比で30%を超える増収確保となったのは、モバイル事業とアドテクノロジー事業(フルスピード<2159>グループ)が拡大したことが主要因である。アドテクノロジー事業の増益が寄与し、営業利益は同9.1%増となった。経常利益はトーンモバイルの事業拡大に伴う持分法投資損失が前年同期比で減少に転じ、前年同期比18.6%増となった。親会社株主に帰属する四半期純利益の減益は、法人税等調整額の差異などによるものである。
2. 2017年4月期通期の業績見通し
2017年4月期通期の連結業績は、売上高で前期比25.4%増の35,600百万円、営業利益で同36.9%減の1,200百万円、経常利益で同35.7%減の850百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で?200百万円と大幅増収及び減益の見通しに修正された。減益に修正された主要因は、子会社のフルスピードの顧客企業(脱毛サロンを運営)が消費者庁から業務停止命令を受けたことに端を発し破産し、売上債権481百万円の回収が困難となったことに加え、モバイル事業の急拡大を見据えたネットワーク増強及び新たに開始したヘルステック事業への進出に伴う先行投資によるものである。
弊社では、1)売上債権の回収困難は一過性であること、2)売上高予想が上方修正され第3四半期の売上高進捗率も76.3%と順調なペースであること、3)いずれの事業もストック型ビジネスの傾向が強く売上・利益が安定して積み上がる特性を持つこと、4)モバイル事業・ヘルスケア事業への先行投資が十分できていることなどを勘案し、同社の成長力に懸念はないと判断する。
3.ヘルステック事業を新設し4本目の柱へ
同社の中期的な営業利益の成長予測イメージは、現在屋台骨を支えるブロードバンド事業を2018年4月期にはアドテクノロジー事業が抜き、2018年4月期にはモバイル事業が黒字化し利益貢献を始める。そして次代を担う事業として新たに取り組むヘルステック事業が2020年4月期に大きく黒字転換するというものだ。
2016年9月に連結子会社化したEPARKヘルスケアは2017年2月にフリービットEPARKヘルスケアに社名変更し、「ヘルステック事業」という新しい事業セグメントとしてスタートした。第3四半期から損益が連結されたが、売上高が105百万円、セグメント利益が168百万円の損失である。今後しばらくは戦略的な投資を継続する方針である。事業構想としては、エンドユーザー(患者)と調剤薬局をつなぐメディア・プラットフォームを同社の技術力で進化させ、薬局情報や処方せん予約サービスなどをはじめとした薬局向けソリューションサービスを提供するというものだ。エンドユーザー(患者)向けのサービスとして手掛ける無料アプリ「EPARKお薬手帳」は、薬局の受取予約・服用アラーム・お薬情報の登録などの利便性の高い機能が話題を呼び、マスメディアでの露出も手伝い、提供開始約1年で累計8万ダウンロードを突破した。
■Key Points
・第3四半期も増収増益基調を維持、アドテクノロジー事業の貢献度大
・2017年4月期通期予想は増収減益に修正、一過性の貸し倒れが主要因であり成長力に懸念なし
・ヘルステック事業を新設し、将来的には4本柱に育成
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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フリービット<3843>は、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)へのインフラ提供やMVNE(Mobile Virtual Network Enabler:仮想移動体通信サービス提供者)としてのMVNO※1への参入支援、バーチャルデータセンター(VDC)※2を中心とするクラウドインフラの提供、インターネット・サービスにおけるコンサルティング、ソリューションなど様々なサービスを、主に法人向けに提供する。また、グループ会社を通じて、個人向けのISPやMVNOサービス、Webマーケティングサービス、集合住宅向けのインターネット関連サービスなどの事業を手掛ける。
※1 Mobile Virtual Network Operatorの略。NTTドコモ<9437>、KDDI<9433>、ソフトバンク(株)のような無線通信基盤を有する事業者から回線を借りて独自の通信事業を行う事業者。
※2 データセンターの機能を仮想的に構築し、インターネット上から利用できる仕組みまたはサービス。
また、持分法適用関連会社でカルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)との合弁会社であるトーンモバイル(株)においては独自のスマートフォンサービス「TONE」を提供するなど、スマートフォン事業の拡大に注力中。また、2016年9月に連結子会社化した(株)EPARKヘルスケア(現 (株)フリービットEPARKヘルスケア)を核にしてヘルステック事業セグメントをスタートさせた。なお、2016年7月に東京証券取引所市場第1部へ指定された。
1. 2017年4月期第3四半期の業績動向
2017年4月期第3四半期連結業績は、売上高が前年同期比33.1%増の27,180百万円、営業利益が同9.1%増の1,384百万円、経常利益が同18.6%増の1,073百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同26.0%減の252百万円となり、大幅な増収・営業増益を達成した。前年同期比で30%を超える増収確保となったのは、モバイル事業とアドテクノロジー事業(フルスピード<2159>グループ)が拡大したことが主要因である。アドテクノロジー事業の増益が寄与し、営業利益は同9.1%増となった。経常利益はトーンモバイルの事業拡大に伴う持分法投資損失が前年同期比で減少に転じ、前年同期比18.6%増となった。親会社株主に帰属する四半期純利益の減益は、法人税等調整額の差異などによるものである。
2. 2017年4月期通期の業績見通し
2017年4月期通期の連結業績は、売上高で前期比25.4%増の35,600百万円、営業利益で同36.9%減の1,200百万円、経常利益で同35.7%減の850百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で?200百万円と大幅増収及び減益の見通しに修正された。減益に修正された主要因は、子会社のフルスピードの顧客企業(脱毛サロンを運営)が消費者庁から業務停止命令を受けたことに端を発し破産し、売上債権481百万円の回収が困難となったことに加え、モバイル事業の急拡大を見据えたネットワーク増強及び新たに開始したヘルステック事業への進出に伴う先行投資によるものである。
弊社では、1)売上債権の回収困難は一過性であること、2)売上高予想が上方修正され第3四半期の売上高進捗率も76.3%と順調なペースであること、3)いずれの事業もストック型ビジネスの傾向が強く売上・利益が安定して積み上がる特性を持つこと、4)モバイル事業・ヘルスケア事業への先行投資が十分できていることなどを勘案し、同社の成長力に懸念はないと判断する。
3.ヘルステック事業を新設し4本目の柱へ
同社の中期的な営業利益の成長予測イメージは、現在屋台骨を支えるブロードバンド事業を2018年4月期にはアドテクノロジー事業が抜き、2018年4月期にはモバイル事業が黒字化し利益貢献を始める。そして次代を担う事業として新たに取り組むヘルステック事業が2020年4月期に大きく黒字転換するというものだ。
2016年9月に連結子会社化したEPARKヘルスケアは2017年2月にフリービットEPARKヘルスケアに社名変更し、「ヘルステック事業」という新しい事業セグメントとしてスタートした。第3四半期から損益が連結されたが、売上高が105百万円、セグメント利益が168百万円の損失である。今後しばらくは戦略的な投資を継続する方針である。事業構想としては、エンドユーザー(患者)と調剤薬局をつなぐメディア・プラットフォームを同社の技術力で進化させ、薬局情報や処方せん予約サービスなどをはじめとした薬局向けソリューションサービスを提供するというものだ。エンドユーザー(患者)向けのサービスとして手掛ける無料アプリ「EPARKお薬手帳」は、薬局の受取予約・服用アラーム・お薬情報の登録などの利便性の高い機能が話題を呼び、マスメディアでの露出も手伝い、提供開始約1年で累計8万ダウンロードを突破した。
■Key Points
・第3四半期も増収増益基調を維持、アドテクノロジー事業の貢献度大
・2017年4月期通期予想は増収減益に修正、一過性の貸し倒れが主要因であり成長力に懸念なし
・ヘルステック事業を新設し、将来的には4本柱に育成
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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