スカラ Research Memo(1):ソフトブレーンの子会社化で大幅増収増益、2018年6月期以降は再成長に向かう
[17/04/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
スカラ<4845>は、企業のWebサイト内で利用する検索サービスやFAQサービス等の大手で、ストック型ビジネスモデルであるSaaS/ASP※サービスを中心にIoTやビッグデータに関連する最新技術を用いたサービスまで、幅広く事業を展開している。直販営業で顧客ニーズを取り込みながら、サービスラインナップを拡充し、確実な成長を遂げている。事業領域拡大のためにM&Aにも積極的で、2016年7月には営業支援ソフト大手のソフトブレーン<4779>の株式を取得し、連結子会社とした(2017年3月2日時点の議決権所有割合は50.23%)。なお、同社は2016年6月期より、東証が推し進めているIFRS(国際財務報告基準)に移行している。
※アプリケーションソフトの機能をネットワーク経由で顧客に提供するサービス。
1. 2017年6月期第2四半期累計業績はソフトブレーンの子会社化で大幅増収増益に
2017年6月期第2四半期累計(2016年7月-12月)の連結業績は、売上収益が前年同期比316.8%増の5,286百万円、営業利益は同1021.3%増の3,391百万円となった。ソフトブレーンが連結対象となったことや、ソフトブレーン株式の段階取得にかかる差益2,633百万円を計上したことで大幅増収増益となった。より実態を表すために一過性利益を除いたNon-GAAP基準による営業利益では、前年同期比143.1%増の735百万円となった。既存事業であるSaaS/ASP事業は、より利益率の高く今後の収益が見込める新サービスの開発に注力したことや人件費の増加、前期に実施した本社移転に伴う賃料の増加等によって、営業利益で前年同期比53.7%減と低迷したが、ソフトブレーンの収益が貢献した。
2. 新サービスを投入し、今下期以降は既存事業も上向く
2017年6月期は売上収益が前期比297.2%増の10,700百万円、営業利益が同564.6%増の4,100百万円と期初計画を上方修正した。ソフトブレーンの収益が期初想定を上回って好調に推移していることが要因だ。既存事業は第2四半期までやや弱含みで推移したものの、下期以降は新サービスの投入効果によって、収益も上向く見通し。新サービスではコールセンター向けに需要が見込まれるWebチャットシステム「i-livechat」を開発、2017年4月より大手カード会社への導入が開始するなど足元の引き合いは旺盛だ。また、独自開発した言語処理エンジンによる自動応答システム「i-assist」の開発も進めており、2017年夏頃の提供開始を目指している。いずれもカスタマーサポート関連の生産性向上に寄与するサービスとして、今後の成長が期待される。
3. M&Aや事業提携による成長戦略を継続
同社は既存事業の拡大に加えて、今後もM&Aや事業提携によって事業領域を拡大していく成長戦略を推進していく方針だ。新規分野としてはロボット、EC、AI分野への進出を考えている。2018年6月期の業績は一過性の利益がなくなるためIFRS基準では減益となるものの、Non-GAAP基準では新サービス投入効果によるSaaS/ASP事業の拡大、並びにソフトブレーンの収益増によって増収増益が続くものと弊社では予想している。
4. 配当は収益成長を前提に連続増配方針
配当方針としては、財務体質の強化と今後の事業展開を図るために必要な内部留保を確保しつつ、安定的、継続的に実施していくことを基本方針としている。2017年6月期は1株当たり配当金で前期比4.0円増の18.0円と8期連続の増配を予定しており、今後も収益の拡大とともに増配を継続していきたい考えだ。
■Key Points
・企業向けクラウドサービスがコア事業、M&A戦略によって事業規模を拡大中
・2017年6月期の連結業績は過去最高を大幅更新、SaaS/ASP事業も下期から上向く
・2017年6月の1株当たり配当金は前期比4円増の18円を予定、連続増配を継続方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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スカラ<4845>は、企業のWebサイト内で利用する検索サービスやFAQサービス等の大手で、ストック型ビジネスモデルであるSaaS/ASP※サービスを中心にIoTやビッグデータに関連する最新技術を用いたサービスまで、幅広く事業を展開している。直販営業で顧客ニーズを取り込みながら、サービスラインナップを拡充し、確実な成長を遂げている。事業領域拡大のためにM&Aにも積極的で、2016年7月には営業支援ソフト大手のソフトブレーン<4779>の株式を取得し、連結子会社とした(2017年3月2日時点の議決権所有割合は50.23%)。なお、同社は2016年6月期より、東証が推し進めているIFRS(国際財務報告基準)に移行している。
※アプリケーションソフトの機能をネットワーク経由で顧客に提供するサービス。
1. 2017年6月期第2四半期累計業績はソフトブレーンの子会社化で大幅増収増益に
2017年6月期第2四半期累計(2016年7月-12月)の連結業績は、売上収益が前年同期比316.8%増の5,286百万円、営業利益は同1021.3%増の3,391百万円となった。ソフトブレーンが連結対象となったことや、ソフトブレーン株式の段階取得にかかる差益2,633百万円を計上したことで大幅増収増益となった。より実態を表すために一過性利益を除いたNon-GAAP基準による営業利益では、前年同期比143.1%増の735百万円となった。既存事業であるSaaS/ASP事業は、より利益率の高く今後の収益が見込める新サービスの開発に注力したことや人件費の増加、前期に実施した本社移転に伴う賃料の増加等によって、営業利益で前年同期比53.7%減と低迷したが、ソフトブレーンの収益が貢献した。
2. 新サービスを投入し、今下期以降は既存事業も上向く
2017年6月期は売上収益が前期比297.2%増の10,700百万円、営業利益が同564.6%増の4,100百万円と期初計画を上方修正した。ソフトブレーンの収益が期初想定を上回って好調に推移していることが要因だ。既存事業は第2四半期までやや弱含みで推移したものの、下期以降は新サービスの投入効果によって、収益も上向く見通し。新サービスではコールセンター向けに需要が見込まれるWebチャットシステム「i-livechat」を開発、2017年4月より大手カード会社への導入が開始するなど足元の引き合いは旺盛だ。また、独自開発した言語処理エンジンによる自動応答システム「i-assist」の開発も進めており、2017年夏頃の提供開始を目指している。いずれもカスタマーサポート関連の生産性向上に寄与するサービスとして、今後の成長が期待される。
3. M&Aや事業提携による成長戦略を継続
同社は既存事業の拡大に加えて、今後もM&Aや事業提携によって事業領域を拡大していく成長戦略を推進していく方針だ。新規分野としてはロボット、EC、AI分野への進出を考えている。2018年6月期の業績は一過性の利益がなくなるためIFRS基準では減益となるものの、Non-GAAP基準では新サービス投入効果によるSaaS/ASP事業の拡大、並びにソフトブレーンの収益増によって増収増益が続くものと弊社では予想している。
4. 配当は収益成長を前提に連続増配方針
配当方針としては、財務体質の強化と今後の事業展開を図るために必要な内部留保を確保しつつ、安定的、継続的に実施していくことを基本方針としている。2017年6月期は1株当たり配当金で前期比4.0円増の18.0円と8期連続の増配を予定しており、今後も収益の拡大とともに増配を継続していきたい考えだ。
■Key Points
・企業向けクラウドサービスがコア事業、M&A戦略によって事業規模を拡大中
・2017年6月期の連結業績は過去最高を大幅更新、SaaS/ASP事業も下期から上向く
・2017年6月の1株当たり配当金は前期比4円増の18円を予定、連続増配を継続方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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