ブイキューブ Research Memo(9):市場の開拓者として市場成長の時間軸が最大のリスク
[17/04/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■市場環境、競合、強みと弱み、事業等のリスク
4. 事業等のリスク
事業等のリスクとしては、ビジュアルコミュニケーション市場の成長の時間軸のリスク、グループ製品の地方自治体への販売に関するリスク、人員の確保・グループ会社管理等に関するリスク、財務制限条項に関するリスクなどを挙げることができる。また、事業とは直接関係のないその他のリスクとして新株予約権行使による希薄化リスクが考えられる。
a)市場成長の時間軸のリスク
ブイキューブ<3681>のメインビジネスであるビジュアルコミュニケーションの市場は先に見たように成長余地の大きい市場と見られている。同社では、今後の市場の成長を期待し、相次ぐ企業買収や継続的なソフトウェア投資、販売活動強化などの先行投資を行っており、市場の成長に見合った持続的な成長を実現することを目指している。
具体的に同社が推進している働き方改革の深耕や、社会インフラ化を進めるには、業界の先駆者として世の中の考え方や流れなどの動きを大きく変えて行く必要がある。こうした動きによる変化が同社の想定どおりのペースで進捗し、市場が成長しなければ、先行投資を想定の期間で回収できず、業績が想定どおりに伸びない可能性がある。
b)グループ製品の地方自治体への販売に関するリスク
同社の販売形態区分の1つのアプライアンスは、現状、PVCによる電子黒板システムが大半を占めており、主に日本の地方自治体を最終販売先として公立学校へ納品している。そのため、アプライアンスの売上高は、電子黒板システムの販売先の性質上、日本の国家予算の変動や地方自治体への予算配賦状況、地方自治体における予算の消化状況等によって、大きく影響を受ける可能性がある。
c)人員の確保・育成とグループ会社・社員の管理に関するリスク
同社では、今後の成長には営業、システム開発を中心として優秀な人材を不可欠としており、このため、新卒・中途の採用体制を確立するとともに、人材の育成を行ってきた。今後についても企業買収を含めて積極的な投資を継続し、事業規模、地域を拡大する計画となっている。こうした事業規模、地域の拡大に対応した人材獲得、人材育成が円滑に進まず、適正な人員配置が困難となる場合には、競争力の低下や事業拡大の制約をもたらし、事業及び業績に影響を与える可能性がある。
加えて、足元積極的な企業買収により2016年12月末現在、同社の役員・従業員数は534人(内訳は、国内312人、海外222人)、連結子会社数は15社(国内2社、海外13社)と、連結子会社数※、グループ社員数が急拡大しており、グループ会社、及びグループ会社社員に対するマネジネント体制の強化が課題となっている。特に、中国子会社の予算管理を含めた管理体制の整備、強化は当面取り組むべき課題の1つと言える。
※連結子会社数は、マザーズ市場上場直後の2013年12月期末の8社から、2016年12月末は15社へ拡大。
d)新株予約権行使による希薄化リスク
事業とは直接関係のないその他のリスクとして、新株予約権行使による希薄化リスクがある。同社では、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、同社グループの役員及び従業員に対して新株予約権を付与しているほか、中長期での事業拡大のための資金確保を目的としてメリルリンチを割当先として新株予約権を発行している。これらの潜在株式数は2017年3月29日現在4,961.4千株となっており、発行済株式数19,381.6千株の25.6%に相当する。なお、メリルリンチを割当先とする潜在株式数は2,560千株、同13.2%に相当する。
一方、役員及び従業員についての潜在株式数は2,401.4千株、同12.4%であるが、第13回新株予約権(潜在株式数698.8千株)は2017年4月30日に消却予定である。第14回新株予約権(同1,005千株)の権利行使には同社の業績が条件※となっている点に留意する必要がある。
※第14回の行使条件は2016年12月期から2018年12月期までのいずれかの期ののれん償却前営業利益が30億円を超過した場合に全額行使可能となる。
e)財務制限条項に関するリスク
同社が取引金融機関との間で締結している借入金契約には、財務制限条項が付されているものがあり、当該条項に抵触し一括返済を求められた場合には、同社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)
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4. 事業等のリスク
事業等のリスクとしては、ビジュアルコミュニケーション市場の成長の時間軸のリスク、グループ製品の地方自治体への販売に関するリスク、人員の確保・グループ会社管理等に関するリスク、財務制限条項に関するリスクなどを挙げることができる。また、事業とは直接関係のないその他のリスクとして新株予約権行使による希薄化リスクが考えられる。
a)市場成長の時間軸のリスク
ブイキューブ<3681>のメインビジネスであるビジュアルコミュニケーションの市場は先に見たように成長余地の大きい市場と見られている。同社では、今後の市場の成長を期待し、相次ぐ企業買収や継続的なソフトウェア投資、販売活動強化などの先行投資を行っており、市場の成長に見合った持続的な成長を実現することを目指している。
具体的に同社が推進している働き方改革の深耕や、社会インフラ化を進めるには、業界の先駆者として世の中の考え方や流れなどの動きを大きく変えて行く必要がある。こうした動きによる変化が同社の想定どおりのペースで進捗し、市場が成長しなければ、先行投資を想定の期間で回収できず、業績が想定どおりに伸びない可能性がある。
b)グループ製品の地方自治体への販売に関するリスク
同社の販売形態区分の1つのアプライアンスは、現状、PVCによる電子黒板システムが大半を占めており、主に日本の地方自治体を最終販売先として公立学校へ納品している。そのため、アプライアンスの売上高は、電子黒板システムの販売先の性質上、日本の国家予算の変動や地方自治体への予算配賦状況、地方自治体における予算の消化状況等によって、大きく影響を受ける可能性がある。
c)人員の確保・育成とグループ会社・社員の管理に関するリスク
同社では、今後の成長には営業、システム開発を中心として優秀な人材を不可欠としており、このため、新卒・中途の採用体制を確立するとともに、人材の育成を行ってきた。今後についても企業買収を含めて積極的な投資を継続し、事業規模、地域を拡大する計画となっている。こうした事業規模、地域の拡大に対応した人材獲得、人材育成が円滑に進まず、適正な人員配置が困難となる場合には、競争力の低下や事業拡大の制約をもたらし、事業及び業績に影響を与える可能性がある。
加えて、足元積極的な企業買収により2016年12月末現在、同社の役員・従業員数は534人(内訳は、国内312人、海外222人)、連結子会社数は15社(国内2社、海外13社)と、連結子会社数※、グループ社員数が急拡大しており、グループ会社、及びグループ会社社員に対するマネジネント体制の強化が課題となっている。特に、中国子会社の予算管理を含めた管理体制の整備、強化は当面取り組むべき課題の1つと言える。
※連結子会社数は、マザーズ市場上場直後の2013年12月期末の8社から、2016年12月末は15社へ拡大。
d)新株予約権行使による希薄化リスク
事業とは直接関係のないその他のリスクとして、新株予約権行使による希薄化リスクがある。同社では、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、同社グループの役員及び従業員に対して新株予約権を付与しているほか、中長期での事業拡大のための資金確保を目的としてメリルリンチを割当先として新株予約権を発行している。これらの潜在株式数は2017年3月29日現在4,961.4千株となっており、発行済株式数19,381.6千株の25.6%に相当する。なお、メリルリンチを割当先とする潜在株式数は2,560千株、同13.2%に相当する。
一方、役員及び従業員についての潜在株式数は2,401.4千株、同12.4%であるが、第13回新株予約権(潜在株式数698.8千株)は2017年4月30日に消却予定である。第14回新株予約権(同1,005千株)の権利行使には同社の業績が条件※となっている点に留意する必要がある。
※第14回の行使条件は2016年12月期から2018年12月期までのいずれかの期ののれん償却前営業利益が30億円を超過した場合に全額行使可能となる。
e)財務制限条項に関するリスク
同社が取引金融機関との間で締結している借入金契約には、財務制限条項が付されているものがあり、当該条項に抵触し一括返済を求められた場合には、同社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)
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