キリン堂HD Research Memo(4):関西圏での高いブランド認知度とカウンセリング営業を実行できる潜在力が強み
[17/05/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
3. 特長と強み
キリン堂ホールディングス<3194>の特長・強みを紐解くキーワードは店舗戦略と同様、同社が企業理念の中に掲げる『地域コミュニティの中核となるドラッグストアを社会的インフラとして確立する』というビジョンだ。いくつかある同社の特長・強みの中で、弊社が特に重要と考えるのは以下の2点だ。
(1) 関西圏での高いブランド認知度
同社の特長としてまず挙げられるのは関西圏に集中出店を行う、いわゆる関西ドミナント戦略を採用している点だ。2017年2月末現在、国内344店のうち291店(いずれもFC1店を含む)が関西圏に集中している。四国と北陸も加えた広域関西圏では、322店が同域内に存在している。こうしたドミナント戦略の結果として、関西地区においては高いブランド認知度を有し、関西圏での売上高規模ではドラッグストア3強の一角を占める地位にある。
同社の関西圏における高い認知度、ブランド力が形となって表れている一例がポイントカード会員だ。同社は2014年4月から新ポイントカード制度をスタートさせた。2017年2月期末の会員数は129万人(アクティブ会員の実数値)で、2017年2月期の売上高に占める会員売上高の比率は78.4%と8割近くに達している。
ポイントカード会員数はまだまだ上積みの余地がある。また、ポイントカード会員は同社にとっての重要なアセット(資産)であり、これをどのように生かして売上高の拡大につなげていくかが今後の課題の1つであると同時に大きなポテンシャルだと弊社では考えている。
(2) 「未病対策」への取り組みとカウンセリング営業のポテンシャル
同社では、“未病対策”、すなわち顧客の健康保持に積極的に関与して病気を未然に防ぐことに取り組んでおり、従業員全体に“未病”の意識を浸透させてきている。これを従業員の意識改革のスローガンで終わらせずに、顧客に対するカウンセリング営業に繋げ、業績に落とし込む経営努力を行っている点も同社の特長・強みの1つだ。
これができる背景として見逃せないのが、前述した『地域コミュニティにおける社会的インフラ』としての店づくりのビジョンだ。地域密着型で顧客一人ひとりの顔が見える店づくりが、店舗スタッフへの信頼を高めカウンセリング営業の成功へとつながる正の循環のベースを形成していると弊社では考えている。
カウンセリング営業を全店舗・全従業員に浸透させるのは簡単なことではなく、同社もまだ道半ばであるのは否定できない。しかしこの強みを最大限発揮できた時のリターンは大きいと弊社では考えている。対象商材がヘルス&ビューティケア(HBC)商品を中心としたPB(プライベート・ブランド)商品の育成開発に直結するためだ。HBC商品、PB商品は利益率が高いため、これらの商品群の売上増は同社が目指す利益率改善にも大きく貢献すると期待される。
前述の2つの特長・強みは、まだまだ改善・上昇の余地が残されているという点がポイントだ。関西ドミナント出店を着実に実行してきているため、前述の強みを発揮する体制は整っているが、その実行・実現という点では道半ばというのが現実だ。このことを否定的に捉えるのではなく、同社にとっての成長エンジンの1つとして考えるべきというのが弊社の見方だ。詳細は後述するが、同社の第2次中期経営計画において、前述の特長・強みの活用につながる施策も重点課題として盛り込まれており、今後の進展が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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3. 特長と強み
キリン堂ホールディングス<3194>の特長・強みを紐解くキーワードは店舗戦略と同様、同社が企業理念の中に掲げる『地域コミュニティの中核となるドラッグストアを社会的インフラとして確立する』というビジョンだ。いくつかある同社の特長・強みの中で、弊社が特に重要と考えるのは以下の2点だ。
(1) 関西圏での高いブランド認知度
同社の特長としてまず挙げられるのは関西圏に集中出店を行う、いわゆる関西ドミナント戦略を採用している点だ。2017年2月末現在、国内344店のうち291店(いずれもFC1店を含む)が関西圏に集中している。四国と北陸も加えた広域関西圏では、322店が同域内に存在している。こうしたドミナント戦略の結果として、関西地区においては高いブランド認知度を有し、関西圏での売上高規模ではドラッグストア3強の一角を占める地位にある。
同社の関西圏における高い認知度、ブランド力が形となって表れている一例がポイントカード会員だ。同社は2014年4月から新ポイントカード制度をスタートさせた。2017年2月期末の会員数は129万人(アクティブ会員の実数値)で、2017年2月期の売上高に占める会員売上高の比率は78.4%と8割近くに達している。
ポイントカード会員数はまだまだ上積みの余地がある。また、ポイントカード会員は同社にとっての重要なアセット(資産)であり、これをどのように生かして売上高の拡大につなげていくかが今後の課題の1つであると同時に大きなポテンシャルだと弊社では考えている。
(2) 「未病対策」への取り組みとカウンセリング営業のポテンシャル
同社では、“未病対策”、すなわち顧客の健康保持に積極的に関与して病気を未然に防ぐことに取り組んでおり、従業員全体に“未病”の意識を浸透させてきている。これを従業員の意識改革のスローガンで終わらせずに、顧客に対するカウンセリング営業に繋げ、業績に落とし込む経営努力を行っている点も同社の特長・強みの1つだ。
これができる背景として見逃せないのが、前述した『地域コミュニティにおける社会的インフラ』としての店づくりのビジョンだ。地域密着型で顧客一人ひとりの顔が見える店づくりが、店舗スタッフへの信頼を高めカウンセリング営業の成功へとつながる正の循環のベースを形成していると弊社では考えている。
カウンセリング営業を全店舗・全従業員に浸透させるのは簡単なことではなく、同社もまだ道半ばであるのは否定できない。しかしこの強みを最大限発揮できた時のリターンは大きいと弊社では考えている。対象商材がヘルス&ビューティケア(HBC)商品を中心としたPB(プライベート・ブランド)商品の育成開発に直結するためだ。HBC商品、PB商品は利益率が高いため、これらの商品群の売上増は同社が目指す利益率改善にも大きく貢献すると期待される。
前述の2つの特長・強みは、まだまだ改善・上昇の余地が残されているという点がポイントだ。関西ドミナント出店を着実に実行してきているため、前述の強みを発揮する体制は整っているが、その実行・実現という点では道半ばというのが現実だ。このことを否定的に捉えるのではなく、同社にとっての成長エンジンの1つとして考えるべきというのが弊社の見方だ。詳細は後述するが、同社の第2次中期経営計画において、前述の特長・強みの活用につながる施策も重点課題として盛り込まれており、今後の進展が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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