ネットマーケ Research Memo(2):広告事業とメディア事業を展開
[17/06/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 会社沿革
ネットマーケティング<6175>は、ベンチャーキャピタル在籍時に投資先企業においてアフィリエイト広告事業を立ち上げた経験を持つ現代表取締役社長の宮本邦久(みやもとくにひさ)氏によって、キャンペーン型のアフィリエイト企画を提供するWeb広告の代理店として2004年7月に設立された。その後、2007年2月に、現在のアフィリエイト業界のエージェント(代理店)へ事業モデルを転換し、業容を着実に拡大してきた。2012年2月より、現在のもう1つの事業の柱となっているメディア事業として、恋愛マッチングサービス「Omiai」を開始し、2015年1月には、ソーシャルジョブマッチングサービス「Switch.」を開始した。2017年3月、東京証券取引所JASDAQスタンダード市場への上場を果たしている。
2. 事業概要
同社は、広告事業、メディア事業の2つを報告セグメントとしている。
(1) 広告事業
広告事業においては、アフィリエイト広告に特化したエージェントとして、広告展開の戦略立案から運用支援までを一貫して提供している。アフィリエイト広告は、個人・法人が運営するWebサイト等に掲載され、広告の商品・申込・購入等が発生した場合に、広告掲載者(アフィリエイター)に対して報酬が支払われる成果報酬型のインターネット広告である。アフィリエイト広告は、成果報酬型であり広告主にとって費用対効果が高いことや、個人運営のWebサイトでも広告収入が得られることから根強い需要があり、インターネット広告としては比較的歴史が長いが、すたれることなく成長を続けている。アフィリエイト広告に特化した大手のエージェントはなく、大手エージェントにおいて多数の広告サービスの1つとして取り扱われているに過ぎないことから、アフィリエイト広告売上で同社は代理店業界2位となっており(同社調査)、ASPのファンコミュニケーションズ<2461>、インタースペース<2122>、アドウェイズ<2489>等と同社は代理店契約を結んでいる。ASPは自社でも営業活動を行うものの、ASPと直取引をするか代理店経由とするかは広告主次第であり、同社の営業活動においてASPと競合することはほとんどなく、協力関係・すみ分けができている。
現在の事業内容に転換して10期目に当たる2016年6月期のクライアント数は約40社で、上位販売先は、(株)DMM.comラボ、電通<4324>及び電通グループ会社、(株)リクルートキャリアとなっており、上位4社で売上高の約半分を占めている。主な取扱分野は、エステ関連、金融関連、人材関連で、2016年6月期は3分野の合計売上が9割弱を占めていたが、今後、新規顧客開拓を進めバランスの良い顧客ポートフォリオとすべくEC案件等他の分野にも広げていく。同社は、独自に開発した広告効果計測ツール「ALLADiN」を通じて、ワンタグシステムによる複数ASP横断での一元管理、成果情報のリアルタイム管理、ASPとの連携によるASP傘下のメディアのデータ分析、複数ブラウザ・端末横断での効果測定や高精度での成果カウントを可能としており、アフィリエイト広告に特化したエージェントとしての強みを支えている。2016年6月期において広告事業が全売上高に占める比率は83.4%であり、安定成長の収益基盤と位置付け今後も収益の拡大を見込んでいるが、メディア事業の高成長に伴い売上構成比は相対的に低下していくものと想定される。
(2) メディア事業
メディア事業では、ともにFacebookを活用した、恋愛マッチングサービス「Omiai」と、ジョブマッチングサービス「Switch.」を展開している。
Omiaiは2012年2月にサービスを開始したが、大手企業の参入により2015年からオンライン婚活・恋活マッチングサービス市場の成長が加速している。同市場に参入しているサイバーエージェント<4751>が4つの恋愛マッチングアプリを運営していることから考えて、この市場では1つのサービスが圧倒的に高いシェアを占めることなく複数のサービスにユーザーが分散する傾向にあるものと見受けられる。Omiaiでは、メッセージ交換前に18歳以上であることの年齢確認を厳格に行い、また不正ユーザーの排除や、プライバシーの保護を図ることにより、安心・安全に利用できるサービスとして運営しており、2017年3月末で累計会員数が200万人を超えている。Omiaiの売上げは、メッセージ交換が可能な月額3,980円(税込)の有料会員からの利用料に加え、アプローチ回数を増やすために購入されるポイントや、マッチング率を高める付加機能となるプレミアムパックによる課金収入から成っている。
Switch.は、Facebookユーザーと求人企業の出会いをサポートするジョブマッチングサービスであり、Facebookをプラットフォームとする競合サービスは現時点では存在しない。Facebook広告でのセグメント配信によって、現在はFacebookの利用頻度が高くWebリテラシーの高い層に特化してユーザーを獲得しており、Web業界を中心とする求人企業をクライアントとしている。Switch.は人材紹介事業であり、サービス利用ユーザーの入社時に求人企業から支払われる成功報酬(紹介手数料)を収益源としている。Switch.はまだ立ち上げ段階にあり、収益貢献は来期以降となる見通しである。
2016年6月期においてメディア事業が全売上高に占める比率は16.6%であるが、高収益な成長ドライバーとして注力しており、売上構成比は相対的に高まっていくものと想定される。
米国におけるOmiaiの市場調査・マーケティングの拠点として、2012年12月にカリフォルニア州で設立されたNet Marketiing International, Inc.という連結子会社があるが、現時点で連結業績に与える影響はほとんどない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 廣田重徳)
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1. 会社沿革
ネットマーケティング<6175>は、ベンチャーキャピタル在籍時に投資先企業においてアフィリエイト広告事業を立ち上げた経験を持つ現代表取締役社長の宮本邦久(みやもとくにひさ)氏によって、キャンペーン型のアフィリエイト企画を提供するWeb広告の代理店として2004年7月に設立された。その後、2007年2月に、現在のアフィリエイト業界のエージェント(代理店)へ事業モデルを転換し、業容を着実に拡大してきた。2012年2月より、現在のもう1つの事業の柱となっているメディア事業として、恋愛マッチングサービス「Omiai」を開始し、2015年1月には、ソーシャルジョブマッチングサービス「Switch.」を開始した。2017年3月、東京証券取引所JASDAQスタンダード市場への上場を果たしている。
2. 事業概要
同社は、広告事業、メディア事業の2つを報告セグメントとしている。
(1) 広告事業
広告事業においては、アフィリエイト広告に特化したエージェントとして、広告展開の戦略立案から運用支援までを一貫して提供している。アフィリエイト広告は、個人・法人が運営するWebサイト等に掲載され、広告の商品・申込・購入等が発生した場合に、広告掲載者(アフィリエイター)に対して報酬が支払われる成果報酬型のインターネット広告である。アフィリエイト広告は、成果報酬型であり広告主にとって費用対効果が高いことや、個人運営のWebサイトでも広告収入が得られることから根強い需要があり、インターネット広告としては比較的歴史が長いが、すたれることなく成長を続けている。アフィリエイト広告に特化した大手のエージェントはなく、大手エージェントにおいて多数の広告サービスの1つとして取り扱われているに過ぎないことから、アフィリエイト広告売上で同社は代理店業界2位となっており(同社調査)、ASPのファンコミュニケーションズ<2461>、インタースペース<2122>、アドウェイズ<2489>等と同社は代理店契約を結んでいる。ASPは自社でも営業活動を行うものの、ASPと直取引をするか代理店経由とするかは広告主次第であり、同社の営業活動においてASPと競合することはほとんどなく、協力関係・すみ分けができている。
現在の事業内容に転換して10期目に当たる2016年6月期のクライアント数は約40社で、上位販売先は、(株)DMM.comラボ、電通<4324>及び電通グループ会社、(株)リクルートキャリアとなっており、上位4社で売上高の約半分を占めている。主な取扱分野は、エステ関連、金融関連、人材関連で、2016年6月期は3分野の合計売上が9割弱を占めていたが、今後、新規顧客開拓を進めバランスの良い顧客ポートフォリオとすべくEC案件等他の分野にも広げていく。同社は、独自に開発した広告効果計測ツール「ALLADiN」を通じて、ワンタグシステムによる複数ASP横断での一元管理、成果情報のリアルタイム管理、ASPとの連携によるASP傘下のメディアのデータ分析、複数ブラウザ・端末横断での効果測定や高精度での成果カウントを可能としており、アフィリエイト広告に特化したエージェントとしての強みを支えている。2016年6月期において広告事業が全売上高に占める比率は83.4%であり、安定成長の収益基盤と位置付け今後も収益の拡大を見込んでいるが、メディア事業の高成長に伴い売上構成比は相対的に低下していくものと想定される。
(2) メディア事業
メディア事業では、ともにFacebookを活用した、恋愛マッチングサービス「Omiai」と、ジョブマッチングサービス「Switch.」を展開している。
Omiaiは2012年2月にサービスを開始したが、大手企業の参入により2015年からオンライン婚活・恋活マッチングサービス市場の成長が加速している。同市場に参入しているサイバーエージェント<4751>が4つの恋愛マッチングアプリを運営していることから考えて、この市場では1つのサービスが圧倒的に高いシェアを占めることなく複数のサービスにユーザーが分散する傾向にあるものと見受けられる。Omiaiでは、メッセージ交換前に18歳以上であることの年齢確認を厳格に行い、また不正ユーザーの排除や、プライバシーの保護を図ることにより、安心・安全に利用できるサービスとして運営しており、2017年3月末で累計会員数が200万人を超えている。Omiaiの売上げは、メッセージ交換が可能な月額3,980円(税込)の有料会員からの利用料に加え、アプローチ回数を増やすために購入されるポイントや、マッチング率を高める付加機能となるプレミアムパックによる課金収入から成っている。
Switch.は、Facebookユーザーと求人企業の出会いをサポートするジョブマッチングサービスであり、Facebookをプラットフォームとする競合サービスは現時点では存在しない。Facebook広告でのセグメント配信によって、現在はFacebookの利用頻度が高くWebリテラシーの高い層に特化してユーザーを獲得しており、Web業界を中心とする求人企業をクライアントとしている。Switch.は人材紹介事業であり、サービス利用ユーザーの入社時に求人企業から支払われる成功報酬(紹介手数料)を収益源としている。Switch.はまだ立ち上げ段階にあり、収益貢献は来期以降となる見通しである。
2016年6月期においてメディア事業が全売上高に占める比率は16.6%であるが、高収益な成長ドライバーとして注力しており、売上構成比は相対的に高まっていくものと想定される。
米国におけるOmiaiの市場調査・マーケティングの拠点として、2012年12月にカリフォルニア州で設立されたNet Marketiing International, Inc.という連結子会社があるが、現時点で連結業績に与える影響はほとんどない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 廣田重徳)
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