ODK Research Memo(1):2017年3月期はV字回復達成。新領域への参入やM&Aにより新たな成長ステージ
[17/06/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 事業領域
ODKソリューションズ<3839>は、機密性の高いデータの大量処理を得意とする独立系ITサービス企業。大学入試業務をはじめとする教育業務と、証券会社等のバックオフィス業務の受託といった独自のビジネス領域に特化した情報処理アウトソーシングサービスを提供する。2017年の入試では、約100万人の志願者データを処理、10年連続して大学入試センター試験の志願者数を上回る処理実績を有し、民間企業でシェアトップ。学校法人、証券会社、一般事業会社等に対するシステム運用、システム開発及び保守と機械販売の3事業を手掛ける。業務別では、教育業務、証券・ほふり業務、一般業務、金融業務の4つの業務に分類される。同社の主力は、教育業務と証券・ほふり業務。このほか一般業務を第3の成長ドライバーとしている。なお、同社グループは単一セグメントのため、セグメント別の記載に代えて、事業別(システム運用、システム開発及び保守、機械販売)の内訳を公開している。
2. 業績動向
2017年3月期連結決算は、売上高で4,311百万円(前期比23.7%増)、営業利益で162百万円(同49.7%増)、経常利益で183百万円(同34.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で121百万円(同80.1%増)であった。
ファルコバイオシステムズ(ファルコホールディングス<4671>のグループ企業)の臨床検査システムの運用業務やマイナンバー関連サービスの開始、教育業務における新規受託校増加等で、システム運用が大きく拡大したことが売上高増加の主要因である。売上高の大幅増が、外注費(同社勘定科目は支払手数料)や成長投資にもとなう減価償却費の増大による原価率の悪化を吸収し、営業利益もV字回復を遂げた。
2018年3月期の連結業績予想については、売上高で前期比13.6%増の4,900百万円、営業利益で同16.9%増の190百万円、経常利益で同9.0%増の200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同15.4%増の140百万円と増収増益の計画である。増収増益見通しの要因としては、1)教育業務で入試アウトソーシング、Web出願システム等の受注増や受験ポータルサイトUCARO(ウカロ)の拡販等が寄与すること、2)証券・ほふり業務における新規受託等が寄与すること、3)ファルコバイオシステムズの臨床検査システムの運用業務受託が寄与すること等が挙げられる。
3. 中期経営計画
同社は、決算発表と同時に中期経営計画(2018年3月期から2020年3月期)をロールオーバーした。基本戦略は前年をほぼ踏襲した内容であり、1)アライアンス・M&Aを活用した新規事業創出、2)商品ラインアップ充実、戦略的営業展開、3)業務推進方法の見直し、固定費の変動費化 の3点である。具体的な数値目標として、「2020年3月期単体売上高5,000百万円、経常利益400百万円、年10円の安定配当を堅持」が打ち出された。また、2018年3月期の重点課題としては、1)医療システム開発への参画、AIサービスの提供、2)UCARO・マイナンバー関連サービスの拡販、3)業務別・顧客別収益性管理の徹底、外部リソースの有効活用を掲げている。
■Key Points
・取引所統合によるマイナス影響も、前期で利益面が底入れし、2017年3月期はV字回復達成
・ファルコホールディングスとの業務提携で、医療分野のシステム運用業務に新規参入
・2018年3月期も主力業務の拡大で増収増益を見込む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)
<NB>
1. 事業領域
ODKソリューションズ<3839>は、機密性の高いデータの大量処理を得意とする独立系ITサービス企業。大学入試業務をはじめとする教育業務と、証券会社等のバックオフィス業務の受託といった独自のビジネス領域に特化した情報処理アウトソーシングサービスを提供する。2017年の入試では、約100万人の志願者データを処理、10年連続して大学入試センター試験の志願者数を上回る処理実績を有し、民間企業でシェアトップ。学校法人、証券会社、一般事業会社等に対するシステム運用、システム開発及び保守と機械販売の3事業を手掛ける。業務別では、教育業務、証券・ほふり業務、一般業務、金融業務の4つの業務に分類される。同社の主力は、教育業務と証券・ほふり業務。このほか一般業務を第3の成長ドライバーとしている。なお、同社グループは単一セグメントのため、セグメント別の記載に代えて、事業別(システム運用、システム開発及び保守、機械販売)の内訳を公開している。
2. 業績動向
2017年3月期連結決算は、売上高で4,311百万円(前期比23.7%増)、営業利益で162百万円(同49.7%増)、経常利益で183百万円(同34.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で121百万円(同80.1%増)であった。
ファルコバイオシステムズ(ファルコホールディングス<4671>のグループ企業)の臨床検査システムの運用業務やマイナンバー関連サービスの開始、教育業務における新規受託校増加等で、システム運用が大きく拡大したことが売上高増加の主要因である。売上高の大幅増が、外注費(同社勘定科目は支払手数料)や成長投資にもとなう減価償却費の増大による原価率の悪化を吸収し、営業利益もV字回復を遂げた。
2018年3月期の連結業績予想については、売上高で前期比13.6%増の4,900百万円、営業利益で同16.9%増の190百万円、経常利益で同9.0%増の200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同15.4%増の140百万円と増収増益の計画である。増収増益見通しの要因としては、1)教育業務で入試アウトソーシング、Web出願システム等の受注増や受験ポータルサイトUCARO(ウカロ)の拡販等が寄与すること、2)証券・ほふり業務における新規受託等が寄与すること、3)ファルコバイオシステムズの臨床検査システムの運用業務受託が寄与すること等が挙げられる。
3. 中期経営計画
同社は、決算発表と同時に中期経営計画(2018年3月期から2020年3月期)をロールオーバーした。基本戦略は前年をほぼ踏襲した内容であり、1)アライアンス・M&Aを活用した新規事業創出、2)商品ラインアップ充実、戦略的営業展開、3)業務推進方法の見直し、固定費の変動費化 の3点である。具体的な数値目標として、「2020年3月期単体売上高5,000百万円、経常利益400百万円、年10円の安定配当を堅持」が打ち出された。また、2018年3月期の重点課題としては、1)医療システム開発への参画、AIサービスの提供、2)UCARO・マイナンバー関連サービスの拡販、3)業務別・顧客別収益性管理の徹底、外部リソースの有効活用を掲げている。
■Key Points
・取引所統合によるマイナス影響も、前期で利益面が底入れし、2017年3月期はV字回復達成
・ファルコホールディングスとの業務提携で、医療分野のシステム運用業務に新規参入
・2018年3月期も主力業務の拡大で増収増益を見込む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)
<NB>