ユニリタ Research Memo(3):創業以来の「メインフレーム事業」が安定的な収益源
[17/06/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
3. 企業特長
ユニリタ<3800>は企業理念として「私たちは、しなやかなITを使い、社会の発展とより良い未来の創造に貢献する企業を目指します。」を掲げている。
同社の特長として以下の3点が挙げられる。
(1) 独立系の自社開発パッケージソフトウェアメーカー
主力事業(システム運用及びメインフレーム)における同社製品はコンピュータの規模やメーカー等の制約を受けることなく、システムのスムーズな運用を可能としているところに強みがある。同社製品と競合するメーカー系製品では、ハード部分だけを他のメーカーに切り替えることができないため、顧客にとって柔軟なシステム構築を阻害する要因となっていることと一線を画す。また、同社の主力事業における提供価値は、ITシステム運用の自動化、効率化にどれだけ貢献できるかに集約されるため、その分野に特化して積み上げてきた実績やノウハウが、同社製品及びサービスのきめ細かさやパフォーマンスの高さ、提案の精度に反映されている。システム導入に際しては、代理店任せの傾向が多く見られるなかで、同社製品が金融機関や大手企業を中心に直販にて提供されていることや、システム更新時にリプレースで採用されるケースが多いのは、その証左と言えるだろう。また、同社が運営を委託されている「システム管理者の会」(日本最大規模のシステム管理者のネットワーク)は、会員数15,000名超(賛同企業数162社)と増え続けており、同社がこの分野をけん引する存在であることを示している(2017年3月現在)。
(2) メインフレーム向けの安定収益源を次の成長分野へ投資
同社の「メインフレーム事業」のセグメント利益率は77.3%(2017年3月期実績)と極めて高い水準であるとともに、安定的な収益源として同社の業績を支えてきた。それを可能としているのは、同社製品及びサービスへの信頼もあるが、顧客のスイッチングコスト(システムを入れ替えることにより発生するコスト)の高さにも起因していると考えられる。「メインフレーム事業」は外部環境の影響(オープン化の進展等)により縮小傾向が続いているものの、しばらくはキャッシュカウ(資金源)の役割を担っていくことが想定され、その資金を次の成長分野(クラウドサービスやデータ活用事業等)への投資に振り向けることができるのは同社にとって大きなアドバンテージと考えられる。
(3) 顧客事業の「攻め」と「守り」の両面を支援できる体制を実現
今回の事業構造変革により、ITシステム運用の自動化、効率化に貢献するだけでなく、その後の顧客の経営資源(人材や予算等)の再配分先(企業価値を創出する分野)にまで事業領域の拡充に取り組んでいる。顧客事業の「攻め」と「守り」の両面を支援できる体制を確立することで、顧客のIT投資パフォーマンス向上に向けたトータル提案が可能となったことも同社の優位性を形成するものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<TN>
3. 企業特長
ユニリタ<3800>は企業理念として「私たちは、しなやかなITを使い、社会の発展とより良い未来の創造に貢献する企業を目指します。」を掲げている。
同社の特長として以下の3点が挙げられる。
(1) 独立系の自社開発パッケージソフトウェアメーカー
主力事業(システム運用及びメインフレーム)における同社製品はコンピュータの規模やメーカー等の制約を受けることなく、システムのスムーズな運用を可能としているところに強みがある。同社製品と競合するメーカー系製品では、ハード部分だけを他のメーカーに切り替えることができないため、顧客にとって柔軟なシステム構築を阻害する要因となっていることと一線を画す。また、同社の主力事業における提供価値は、ITシステム運用の自動化、効率化にどれだけ貢献できるかに集約されるため、その分野に特化して積み上げてきた実績やノウハウが、同社製品及びサービスのきめ細かさやパフォーマンスの高さ、提案の精度に反映されている。システム導入に際しては、代理店任せの傾向が多く見られるなかで、同社製品が金融機関や大手企業を中心に直販にて提供されていることや、システム更新時にリプレースで採用されるケースが多いのは、その証左と言えるだろう。また、同社が運営を委託されている「システム管理者の会」(日本最大規模のシステム管理者のネットワーク)は、会員数15,000名超(賛同企業数162社)と増え続けており、同社がこの分野をけん引する存在であることを示している(2017年3月現在)。
(2) メインフレーム向けの安定収益源を次の成長分野へ投資
同社の「メインフレーム事業」のセグメント利益率は77.3%(2017年3月期実績)と極めて高い水準であるとともに、安定的な収益源として同社の業績を支えてきた。それを可能としているのは、同社製品及びサービスへの信頼もあるが、顧客のスイッチングコスト(システムを入れ替えることにより発生するコスト)の高さにも起因していると考えられる。「メインフレーム事業」は外部環境の影響(オープン化の進展等)により縮小傾向が続いているものの、しばらくはキャッシュカウ(資金源)の役割を担っていくことが想定され、その資金を次の成長分野(クラウドサービスやデータ活用事業等)への投資に振り向けることができるのは同社にとって大きなアドバンテージと考えられる。
(3) 顧客事業の「攻め」と「守り」の両面を支援できる体制を実現
今回の事業構造変革により、ITシステム運用の自動化、効率化に貢献するだけでなく、その後の顧客の経営資源(人材や予算等)の再配分先(企業価値を創出する分野)にまで事業領域の拡充に取り組んでいる。顧客事業の「攻め」と「守り」の両面を支援できる体制を確立することで、顧客のIT投資パフォーマンス向上に向けたトータル提案が可能となったことも同社の優位性を形成するものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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