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メディシス Research Memo(4):医薬品等ネットワーク加盟件数は順調に増加

注目トピックス 日本株
■メディカルシステムネットワーク<4350>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) 医薬品等ネットワーク事業
医薬品等ネットワーク事業の売上高は前期比横ばいの3,237百万円、営業利益は同3.3%減の1,718百万円となった。2017年3月末のネットワーク加盟件数は前期末比370件増の1,770件と順調に増加し、医薬品発注取扱高も前期比11.1%増の137,428百万円と3期連続で2ケタ成長となった。ただ、受発注手数料の伸びは同3.7%増収にとどまった。これは顧客構成の変化により、平均手数料率(受発注手数料÷医薬品発注取扱高)が1.44%と前期比0.11ポイント低下したことが要因となっている。手数料率は顧客規模によって異なるが、従来は個店や4〜5店舗規模の薬局が多かったが、ここ最近は10 〜20店舗を運営する比較的規模の大きい顧客が増えてきたことが影響したと見られる。また、システム売上高やその他売上高については前期比で若干の減収となった。

利益面では、営業体制強化に伴う人件費の増加や基幹システムの更新を行ったことによる減価償却費の増加(+37百万円)が減益要因となった。なお、今回のシステム投資によって、処理能力を大幅に増強した格好となっている。

(2) 調剤薬局事業
調剤薬局事業の売上高は前期比0.4%減の81,650百万円、営業利益は同32.2%減の2,314百万円となった。店舗数は新規出店で8店舗、M&A及び事業譲受により20店舗取得し、4店舗の閉鎖及び事業譲渡を行い、合計で前期末比24店舗増の377店舗となった。期初計画では新規出店で10店舗、M&Aで30店舗の取得を目指していたが、M&Aについては価格が高止まりする状況が続いたことで、良質な案件に絞って取得する方針に切り替えた。

売上高が減収となったのは、2016年4月に実施された調剤報酬改定や薬価改定により処方箋単価が低下したことが影響した。既存店ベースの処方箋単価で見ると、前期比6.0%減(うち薬剤料は7.3%減、技術料は1.5%減)となり、特に薬剤料の落ち込みが響いた格好だ。なかでも、2015年秋に発売されたC型肝炎治療薬については、高薬価だったこともあり32%の大幅ダウンとなり、当期は同治療薬だけで前期比約9億円の減収要因となった。また、処方箋枚数についても既存店ベースで前期比0.1%増と伸び悩み、会社計画(同1.0%増)を下回った。

利益面では、処方箋単価の低下による既存店の減収に加えて、薬剤師の人件費増加が減益要因となった。「かかりつけ薬局」としての店舗の機能強化に向けて薬剤師の増員を進めており、3月末の薬剤師数(臨時薬剤師含む)は前期末比9.8%増の1,276人となり、1店舗当たり薬剤師数も増加傾向となっている。「かかりつけ薬局」の機能の1つとして、在宅業務が基本調剤加算取得要件となっており、在宅業務の取り組みを推進(=店舗人員の増加)していることが店舗当たり人員の増加要因となっている。なお、2017年3月末時点の在宅実施店舗数は308店舗(うち算定店舗は289店舗)と全体の約8割強の水準まで上昇している。

(3) 賃貸・設備関連事業
賃貸・設備関連事業の売上高は前期比15.8%減の2,046百万円、営業損失は143百万円(前期は129百万円の利益)となった。前期に一過性の販売用不動産の売却益242百万円を計上した反動が出た格好だが、その影響を除いても利益面では若干減益となっている。これは「サ高住」で2015年12月に「ウィステリア小樽稲穂」、2016年5月に「ウィステリア千里中央」を相次いで開業したことで、減価償却費が前期比183百万円増加したことが要因となっている。

2017年3月末時点の入居率は、「ウィステリア小樽稲穂」が99%、「ウィステリア千里中央」が24%の水準となっている。通常は開業3年程度で入居率が90%を超え黒字化するが、「ウィステリア小樽稲穂」については賃料が月額5万円台と安価だったことから、早期に入居率が90%を超えている。ただ、減価償却負担がまだ重いため、営業利益としては2019年3月期からの黒字化見通しとなっている。一方、「ウィステリア千里中央」については計画より若干遅れ気味となっているが、足元は月2件ペースで成約が進んでおり、2020年3月期には黒字化する見通しとなっている。

(4) 給食事業
給食事業については2015年10月に九州医療食を子会社化した効果により、売上高は前期比64.9%増の4,667百万円と増加したが、利益面では人員不足による人材派遣の利用等により労務費が増加したことや食材費の上昇等により、営業損失で129百万円(前期は89百万円の損失)となった。ただ、不採算案件の見直しや契約単価の引き上げ、食材費の適正化を進めたことにより収益の改善は進んでおり、当第4四半期(2017年1月-3月)には10百万円の黒字に転換している。

(5) その他事業
その他事業(治験支援サービス事業、訪問看護事業)については、売上高が前期比14.5%増の163百万円、営業損失が163百万円(前期は109百万円の損失)となった。ひまわり看護ステーションを子会社化した効果で増収となったが、損益面ではいずれの事業も損失を計上した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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