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日本調剤 Research Memo(5):調剤技術料単価の引き下げ影響は完全に吸収

注目トピックス 日本株
■業績の動向

2. 調剤薬局事業の動向
2016年4月の調剤報酬改定によって、2016年4月の調剤技術料単価は直前の2016年3月末との比較ではマイナスとなってスタートした。しかし調剤基本料の改善、基準調剤加算の獲得、後発医薬品調剤体制加算の獲得に努めた結果、調剤技術料単価の2016年3月比マイナス幅は徐々に縮小し、12月にはプラスに転換した。

調剤基本料については、基本料1(41点)の算定店舗の割合が改定前の89%から改定後は70%に大きく低下したが、これを2017年3月末には75%にまで戻して着地した。これは、調剤基本料2、3の薬局において、かかりつけ薬剤師指導料の算定が一定条件を超えて実施された場合に調剤基本料1の算定が可能となるルールがあり、これを達成した店舗が出てきたことが主な要因とみられる。

基準調剤加算では、加算あり(32点)店舗の割合が、2016年3月末の38%から45%に改善した。基準調剤加算の獲得は、調剤基本料1の算定店舗であることが前提となるが、それへの取り組み状況は前述のとおりだ。その上で、開局時間、備蓄品目数、24時間体制、在宅業務などの体制を整備し、加算獲得店舗の割合を増加させた。

後発医薬品調剤体制加算については、日本調剤<3341>はジェネリック医薬品使用率が政府目標の80%を達成しているが、さらに引き上げる努力を継続した。その結果、ジェネリック医薬品使用率が75%以上で加算2(22点)を獲得した店舗の割合が2016年3月末の71%から2017年3月末には80%へと上昇した。

店舗については、日本初の調剤薬局である水野薬局をはじめとしてM&Aを積極化し、自社出店と合わせて合計42店舗を出店した。他方で12店舗を閉鎖したため、期中では30店舗の純増となり期末の調剤薬局店舗数は556店(他に物販店舗1店舗保有)となった。タイプ別では、門前薬局が73%、面対応薬局が15%、MC(メディカルセンター、医療モールのこと)型薬局が12%となっている。

前述したように、調剤報酬改定に対しては技術料単価の底上げや店舗増による増収効果で改定の影響をほぼ取り戻すことができた。しかしながら、C型肝炎治療薬の大幅薬価引き下げの影響や処方せん応需枚数が想定を下回ったことから、セグメント売上高は前期比0.8%減の189,327百万円となった。この結果、店舗費用や人件費などの各種経費の増加を吸収しきれず、セグメント営業利益は前期比10.7%減の9,560百万円で着地した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)


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