【FISCOソーシャルレポーター】もきち♪:割安銘柄を探そう 今さら聞けないPER・PBR・ROE
[17/06/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家もきち♪氏(ブログ「もきちのきもち 株とコンピュータ編」「もきちのきもち ゼロから始めるテクニカル分析編」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2017年6月14日10時に執筆
株式投資は安く買って高く売るのが基本です。でも、これが難しい。少し気を抜くと高く買って安く売ってしまうことになりかねません。
そこで、一般的なアプローチの1つとして、ファンダメンタルズ分析で企業の本質的価値と現在の株価から割安な銘柄を抽出する手法があります。
◆ファンダメンタルズ分析で使う主な指標
ファンダメンタルズ分析で使われる主要な指標として、PER(株価収益率:PriceEarnings Ratio)とPBR(株価純資産倍率:Price Book-Value Ratio)が挙げられます。
PERは、その企業の利益に対して現在の株価が何倍まで買われているかを示します。
利益に対して何倍かを表す指標ですから、できるだけ低いほうが割安と言えます。
例えばPERが20倍ということは、その企業が年間1の利益を出しているときに現在の株価が20ということです。利益が5の場合は株価が100となります。つまり、年間5の利益を出す企業に100を投資するわけですから、単純計算で年利5%の投資となります。
PERが10倍なら年利10%で、より割安な投資と言えます。
PBRは、その企業の純資産に対して現在の株価が何倍まで買われているかを示します。
純資産に対して何倍かという指標ですから、これもできるだけ低いほうが割安だと言えます。
例えばPBRが1.5倍ということは、100万円の資産を保有している企業の株式を150万円の株価で購入することになります。
企業が持っている資産は利益を上げるために使われていますので、PBRは1倍を超えることが正常な姿です。
ところが、株式市場では往々にしてPBRが1倍を割っている企業があります。
PBRが0.8倍だと、企業が保有している100万円の資産を80万円で手に入れられると言えます。
非常にお買い得です。ただ、その企業がちゃんと利益を上げて株価が上昇すればいいのですが、純資産を毀損してPBRが上昇し、さらに株価を下げるという悪循環に陥る場合もありますので注意が必要です。
◆割安銘柄を探すためにはまず今の市場全体の水準を調べる
割安銘柄を探すには、株式市場全体の水準を知る必要があります。株式市場全体が低迷しているときに個別企業をPERやPBRだけで判断すると割安株を見誤る恐れがあります。
ということで、東証1部全銘柄を1つの企業と考えて、時価総額と全銘柄の利益合計、資産総額からPERとPBRを算出します。
2017年6月13日終値で算出すると、PERが15.60倍(今期予想基準)、PBRが1.30倍となっています。
この東証1部全体のPERとPBRよりも低い銘柄でないと「割安」とは言えないのです。
◆収益性
また、いくら割安銘柄といえども、収益性が悪い会社では今後の株価上昇が期待できません。
利益を上げれば、配当と役員報酬と内部留保に振り分けられます。つまり、利益が上がれば上がるほど内部留保に回って、純資産が増加します。純資産が増加すればPBRの低下にもつながります。
逆に赤字が出れば「利益剰余金」などの自己資金を取り崩すことになります。当然「1株当たり純資産(BPS:Book value Per Share)」が減少し、PBRが上昇します。
企業の収益性を表す指標もいくつかありますが、ROE(自己資本利益率:Return OnEquity)が一般的です。
ROEは1株当たり利益を1株当たり純資産で割ったもので、株主から預かった資本でどれだけ効率よく利益を上げているかを示します。また、PERとPBRからも算出することができます。PERやPBRなどと組み合わせて用いれば割安株を探すのにはもってこいです。
ROE=1株当たり利益÷1株当たり純資産=PBR÷PER
東証1部全銘柄から算出したROEは7.71%(今期予想基準)となります。
◆指標はあくまでも1つの目安
割安株といっても、「相場は常に正しい」のですから、割安に放置されているなりの理由があるはずです。「買ったら下がる」ということも少なくありません。
とはいっても、これらの指標が市場のレベルに戻るだけでも利益を得られる可能性があるのが割安株です。
リスクも十分に理解したうえで、「一時的に」割安になっている銘柄を探して、購入するタイミングも考えながら参入することをお勧めします。
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執筆者名:もきち♪
ブログ名:もきちのきもち 株とコンピュータ編
もきちのきもち ゼロから始めるテクニカル分析編
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※2017年6月14日10時に執筆
株式投資は安く買って高く売るのが基本です。でも、これが難しい。少し気を抜くと高く買って安く売ってしまうことになりかねません。
そこで、一般的なアプローチの1つとして、ファンダメンタルズ分析で企業の本質的価値と現在の株価から割安な銘柄を抽出する手法があります。
◆ファンダメンタルズ分析で使う主な指標
ファンダメンタルズ分析で使われる主要な指標として、PER(株価収益率:PriceEarnings Ratio)とPBR(株価純資産倍率:Price Book-Value Ratio)が挙げられます。
PERは、その企業の利益に対して現在の株価が何倍まで買われているかを示します。
利益に対して何倍かを表す指標ですから、できるだけ低いほうが割安と言えます。
例えばPERが20倍ということは、その企業が年間1の利益を出しているときに現在の株価が20ということです。利益が5の場合は株価が100となります。つまり、年間5の利益を出す企業に100を投資するわけですから、単純計算で年利5%の投資となります。
PERが10倍なら年利10%で、より割安な投資と言えます。
PBRは、その企業の純資産に対して現在の株価が何倍まで買われているかを示します。
純資産に対して何倍かという指標ですから、これもできるだけ低いほうが割安だと言えます。
例えばPBRが1.5倍ということは、100万円の資産を保有している企業の株式を150万円の株価で購入することになります。
企業が持っている資産は利益を上げるために使われていますので、PBRは1倍を超えることが正常な姿です。
ところが、株式市場では往々にしてPBRが1倍を割っている企業があります。
PBRが0.8倍だと、企業が保有している100万円の資産を80万円で手に入れられると言えます。
非常にお買い得です。ただ、その企業がちゃんと利益を上げて株価が上昇すればいいのですが、純資産を毀損してPBRが上昇し、さらに株価を下げるという悪循環に陥る場合もありますので注意が必要です。
◆割安銘柄を探すためにはまず今の市場全体の水準を調べる
割安銘柄を探すには、株式市場全体の水準を知る必要があります。株式市場全体が低迷しているときに個別企業をPERやPBRだけで判断すると割安株を見誤る恐れがあります。
ということで、東証1部全銘柄を1つの企業と考えて、時価総額と全銘柄の利益合計、資産総額からPERとPBRを算出します。
2017年6月13日終値で算出すると、PERが15.60倍(今期予想基準)、PBRが1.30倍となっています。
この東証1部全体のPERとPBRよりも低い銘柄でないと「割安」とは言えないのです。
◆収益性
また、いくら割安銘柄といえども、収益性が悪い会社では今後の株価上昇が期待できません。
利益を上げれば、配当と役員報酬と内部留保に振り分けられます。つまり、利益が上がれば上がるほど内部留保に回って、純資産が増加します。純資産が増加すればPBRの低下にもつながります。
逆に赤字が出れば「利益剰余金」などの自己資金を取り崩すことになります。当然「1株当たり純資産(BPS:Book value Per Share)」が減少し、PBRが上昇します。
企業の収益性を表す指標もいくつかありますが、ROE(自己資本利益率:Return OnEquity)が一般的です。
ROEは1株当たり利益を1株当たり純資産で割ったもので、株主から預かった資本でどれだけ効率よく利益を上げているかを示します。また、PERとPBRからも算出することができます。PERやPBRなどと組み合わせて用いれば割安株を探すのにはもってこいです。
ROE=1株当たり利益÷1株当たり純資産=PBR÷PER
東証1部全銘柄から算出したROEは7.71%(今期予想基準)となります。
◆指標はあくまでも1つの目安
割安株といっても、「相場は常に正しい」のですから、割安に放置されているなりの理由があるはずです。「買ったら下がる」ということも少なくありません。
とはいっても、これらの指標が市場のレベルに戻るだけでも利益を得られる可能性があるのが割安株です。
リスクも十分に理解したうえで、「一時的に」割安になっている銘柄を探して、購入するタイミングも考えながら参入することをお勧めします。
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執筆者名:もきち♪
ブログ名:もきちのきもち 株とコンピュータ編
もきちのきもち ゼロから始めるテクニカル分析編
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