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シュッピン Research Memo(9):越境ECを開始へ。長期的には重要な意味を持ってくる可能性

注目トピックス 日本株
■成長戦略

4. 注目の取り組み:越境EC
シュッピン<3179>は2018年3月期中に取り組む新たな施策として越境ECの開始を表明した。「価値ある商品」は世界のどこでもニーズがあるという信念と、EMS(国際郵便サービス)の質向上などから越境ECがカメラや時計など高額品でも十分実現可能だと判断したもようだ。当面は北米地域を対象に、2018年3月期第2四半期末からのスタートを計画している。具体的にはAmazonやeBayなどのモールに出店し、販売していく方針だ。これは自社サイトよりもECモールを活用した方が集客上有利との判断による。

同社は越境ECに乗り出す理由として、価値ある中古品の相場の維持や販売促進を挙げている。具体的には、100万を超えるライカの中古レンズを国内顧客だけを相手に販売するよりも、世界を対象にすれば富裕層のライカファンはたくさんおり、値下げやセールをすることなく販売できるというようなことだ。

弊社では、越境ECは相場維持目的の以外にも、超長期的には意味合いが極めて重要になってくると考えている。詳細は後述するが、同社の成長の根源は国内の“カメラ・レンズ蓄積量”の存在にあるというのが弊社の考えだ。この蓄積量が物理的に減少することはあまり考えにくいが、固定化・固着化することは考えられる。愛好家が減少してカメラ・レンズ資産が死蔵化されてしまう状況だ。そうなれば同社の事業モデルはワークしなくなる恐れがある。その時に、海外市場(カメラ愛好家)へのアクセスを確立しておけば国内のカメラ・レンズ資産を流動化させ、自社の成長につなげることができる。また、国内で同社が行っている事業モデルは国外で実践する(すなわち、“事業モデルの輸出”)ことが可能だとも考えている。弊社ではそうした観点から同社の越境ECには大いに注目しており、今後の展開を見守りたいと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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