アクアライン Research Memo(3):水まわり修理大手3社の一角、全員正社員化など独自色
[17/06/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
1. 水まわり修理市場
水まわりの緊急修理の市場規模は約800億円と推定されている。1)住宅の築年数増加による水まわり設備・商品の老朽化、2)一人暮らし世帯の増加、3)工具箱のない家庭の増加などにより、緩やかな市場成長が続いている。一方で、地場の水まわりを行う工務店は高齢化などの要因で廃業が続いており、アクアライン<6173>を含む全国展開大手3社が需要を吸収して成長する構図にある。大手の中では、クラシアンの規模が大きく、TVCMなどの広告宣伝を積極的に展開し、全国に70拠点以上を展開する。イースマイルは関西から全国展開し、現在は全国30拠点を持ち、TVCMなどの広告宣伝を積極的に行い、リフォームや住宅販売などの事業も手掛ける。同社は業界3位のポジションであり、唯一の上場企業である。正社員化や研修制度を充実、拠点コストを最小限にし、車両を店舗・倉庫と見なすビジネスモデルなど独自の戦略で成長している。
2. 同社のビジネスモデルの特長
同社は差別化された独自のビジネスモデルを持ち、日々磨きをかけている。
特長の一つは、全サービススタッフ(189名、2017年2月)が正社員であることである。自らの事業を「修理業」ではなく「サービス業」と再定義し、技術のみならずマナーや身だしなみにも徹底的に配慮する。これらの正社員は全員が月1回、 全国から東京に集まり、研修及びミーティングを行い技術やサービスを研鑽する。トラブル箇所以外の修理提案や水まわり製品の買い替え提案なども行えるサービススタッフが同社の強みとなっている。ちなみに同業のクラシアンは正社員比率が5割程度、イースマイルは正社員比率が2割程度と推定される。
採用された正社員には、将来にわたるキャリアパスが複数用意されている。現場を続ける、プレイングマネージャーとして部下を育てる、本社スタッフとなるなど多彩な活躍の場がある。採用に苦労する企業が多い中、新卒からシニアまで同社の採用活動は現在順調に推移している。将来的にはサービススタッフ400名体制を目指している。
もう一つの特長は、24時間365日対応のコールセンターを自社運営していることである。もちろんコールセンターのスタッフも正社員であり、顧客との最初の接点として、またはサービススタッフとのやりとりを行う“司令塔”として活躍している。同社は「正確、迅速、丁寧、スムーズ」な対応の実現を目指しており、その面でも不可欠な存在だ。以前は夜間の業務を外注に出していたこともあったが、夜間も自社運営に切り替えた後に成約率が向上したというエピソードがあり、同社スタッフのノウハウが垣間見える。
正社員化は、表面的にはコストアップの要因となるが、同社は人材のサービスレベルや業務の質を上げることによって、より高い付加価値を顧客に提供することに成功している。
3. ミネラルウォーター販売事業
ミネラルウォーターの販売事業に関しては、売上高が大きく飛躍した。主な理由としては、
1)東日本大震災後の需要期から5年が経過し、保存水の入替需要があった
2)熊本地震後の特需があった
3)学校、ホテル、企業などのBtoB販売において、新規顧客を順調に獲得した
ことなどが挙げられる。新規顧客数は54社、累計で511社(2017年2月)となった。備蓄用の保存水の販売、BtoB顧客先のプライベートブランドのペットボトル水の製造販売、ウォーターディスペンサーの設置および水の定期販売など、特徴のあるサービスラインナップを行い、ニッチな市場ニーズを掘り当てた形だ。
注文のリピート性が高くストック型の事業特性のため、今後も安定成長が見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
<MW>
1. 水まわり修理市場
水まわりの緊急修理の市場規模は約800億円と推定されている。1)住宅の築年数増加による水まわり設備・商品の老朽化、2)一人暮らし世帯の増加、3)工具箱のない家庭の増加などにより、緩やかな市場成長が続いている。一方で、地場の水まわりを行う工務店は高齢化などの要因で廃業が続いており、アクアライン<6173>を含む全国展開大手3社が需要を吸収して成長する構図にある。大手の中では、クラシアンの規模が大きく、TVCMなどの広告宣伝を積極的に展開し、全国に70拠点以上を展開する。イースマイルは関西から全国展開し、現在は全国30拠点を持ち、TVCMなどの広告宣伝を積極的に行い、リフォームや住宅販売などの事業も手掛ける。同社は業界3位のポジションであり、唯一の上場企業である。正社員化や研修制度を充実、拠点コストを最小限にし、車両を店舗・倉庫と見なすビジネスモデルなど独自の戦略で成長している。
2. 同社のビジネスモデルの特長
同社は差別化された独自のビジネスモデルを持ち、日々磨きをかけている。
特長の一つは、全サービススタッフ(189名、2017年2月)が正社員であることである。自らの事業を「修理業」ではなく「サービス業」と再定義し、技術のみならずマナーや身だしなみにも徹底的に配慮する。これらの正社員は全員が月1回、 全国から東京に集まり、研修及びミーティングを行い技術やサービスを研鑽する。トラブル箇所以外の修理提案や水まわり製品の買い替え提案なども行えるサービススタッフが同社の強みとなっている。ちなみに同業のクラシアンは正社員比率が5割程度、イースマイルは正社員比率が2割程度と推定される。
採用された正社員には、将来にわたるキャリアパスが複数用意されている。現場を続ける、プレイングマネージャーとして部下を育てる、本社スタッフとなるなど多彩な活躍の場がある。採用に苦労する企業が多い中、新卒からシニアまで同社の採用活動は現在順調に推移している。将来的にはサービススタッフ400名体制を目指している。
もう一つの特長は、24時間365日対応のコールセンターを自社運営していることである。もちろんコールセンターのスタッフも正社員であり、顧客との最初の接点として、またはサービススタッフとのやりとりを行う“司令塔”として活躍している。同社は「正確、迅速、丁寧、スムーズ」な対応の実現を目指しており、その面でも不可欠な存在だ。以前は夜間の業務を外注に出していたこともあったが、夜間も自社運営に切り替えた後に成約率が向上したというエピソードがあり、同社スタッフのノウハウが垣間見える。
正社員化は、表面的にはコストアップの要因となるが、同社は人材のサービスレベルや業務の質を上げることによって、より高い付加価値を顧客に提供することに成功している。
3. ミネラルウォーター販売事業
ミネラルウォーターの販売事業に関しては、売上高が大きく飛躍した。主な理由としては、
1)東日本大震災後の需要期から5年が経過し、保存水の入替需要があった
2)熊本地震後の特需があった
3)学校、ホテル、企業などのBtoB販売において、新規顧客を順調に獲得した
ことなどが挙げられる。新規顧客数は54社、累計で511社(2017年2月)となった。備蓄用の保存水の販売、BtoB顧客先のプライベートブランドのペットボトル水の製造販売、ウォーターディスペンサーの設置および水の定期販売など、特徴のあるサービスラインナップを行い、ニッチな市場ニーズを掘り当てた形だ。
注文のリピート性が高くストック型の事業特性のため、今後も安定成長が見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
<MW>