ランドコンピュータ Research Memo(6):2018年3月期は、不採算プロジェクトの撲滅に取り組む
[17/06/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2018年3月期の業績見通し
ランドコンピュータ<3924>の2018年3月期は、売上高で前期比4.6%増の7,540百万円、営業利益で同11.5%増の410百万円、経常利益で同9.7%増の408百万円、当期純利益で同10.5%増の268百万円と増収増益を見込む。前期に大型不採算プロジェクトが発生したパッケージベースSI・サービスは、増収率が15.2%に抑えられている。内部体制を固めて、制度的にプロジェクト管理の厳格化を進めており、定着するまでの移行期間は営業活動を活発化しづらい。第2四半期の予想は、前年同期比2.0%の増収に対し、営業利益は同7.9%の減少を見込む。同社は、下期偏重の季節性があるが、今期は上記要因によりその傾向が強まる。
2. 利益改善重点項目
2018年3月期は、利益改善重点項目として、不採算プロジェクトの撲滅とプロジェクトマネジャー体制の強化と早期育成を掲げた。不採算プロジェクトの発生を防ぐために、見積精度の向上や見積前提条件の変化に対応した迅速な再見積の実施だけでなく、プロジェクト計画の策定とプロジェクト定期監視の実施などに組織的に取り組んでいる。上流設計工程での設計品質の確実な作り込みや、失敗を繰り返さないための事例のナレッジ化を進める。
PMO(Project Management Office)は、従来プロジェクトマネジメント(PM)を支援する役割だが、現在、PM内部でプロジェクトマネジャーの早期育成を図っている。そのため、2016年3月期下期と2017年3月期期首に日立グループと富士通グループから4名の超上級PMを採用し、業界トップ企業で行われているプロジェクトマネジメントの浸透に努めている。今期上期は、内部管理体制を固めるための期間とし、下期から業績拡大に重点を移す。
3. サービスライン別動向
(1) システムインテグレーション・サービス(売上高予想:前期比+2.4%)
金融向けは、日立グループやNTTデータグループの新規参画案件の拡大を図る。みずほ銀行のシステム統合プロジェクトが山を越えたことから、他社も受注獲得に動いており、競争が激化するだろう。同社は、官公庁向けシステム開発や直ユーザーとの一括請負化の拡大を目指す。産業・流通分野では、通信・社会インフラなど公共部門に近い、息の長い新規案件の獲得に注力する。
(2) インフラソリューション・サービス(同+5.2%)
システムインテグレーション・サービスと連携して商機を創出する。銀行・公共関係等のストックビジネスの受注拡大を狙う。
(3) パッケージベースSI・サービス(同+15.2%)
前期は55.4%の伸びを達成したが、2018年3月期は15.2%と伸び率が鈍化する見込みだ。Salesforce関連の200万〜300万円の小口案件は、2〜3ヶ月でカットオーバーと短期で終了する。前期は、1,000万円以上の大口案件の受注増加が大幅な増収に寄与する反面、不採算プロジェクトを発生させてしまった。その規模にふさわしい見積精度の向上と全体のシステム設計をするなど内部体制固めた後に、再度の飛躍を図る。
同社は、2017年6月にSalesforce上で動作する自社開発の販売管理支援アプリケーション「necote」(ネコテ)を発表した。同アプリケーションは、顧客管理〜商談管理〜見積・請求・入金・売掛管理までの流れを一括で管理する。複数システムでの二重管理・二重入力の手間をなくし、作業ミスや代金回収漏れを防止する。また、カスタマイズオプションにより会計連携を追加すれば、Salesforce上の情報を自動で会計システムに登録することもできる。一般的にSalesforce上に販売管理システムを構築すると、利用人数に関係なく数百万円〜数千万円の構築費用がかかるが、「necote」は1ユーザー単位の課金のため、少人数・低コストで始めることが可能だ。顧客管理・商談管理などは「Sales Cloud」を利用しているので、販売管理業務だけではなく営業支援にも活用できる。同社は、成長戦略の1つとして、自社のパッケージ開発及びサービス提供を積極的に進めていく。オリジナル商品のシリーズブランド名を「R&Driver」(ランドライバー)とし、「necote」はその第1弾となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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1. 2018年3月期の業績見通し
ランドコンピュータ<3924>の2018年3月期は、売上高で前期比4.6%増の7,540百万円、営業利益で同11.5%増の410百万円、経常利益で同9.7%増の408百万円、当期純利益で同10.5%増の268百万円と増収増益を見込む。前期に大型不採算プロジェクトが発生したパッケージベースSI・サービスは、増収率が15.2%に抑えられている。内部体制を固めて、制度的にプロジェクト管理の厳格化を進めており、定着するまでの移行期間は営業活動を活発化しづらい。第2四半期の予想は、前年同期比2.0%の増収に対し、営業利益は同7.9%の減少を見込む。同社は、下期偏重の季節性があるが、今期は上記要因によりその傾向が強まる。
2. 利益改善重点項目
2018年3月期は、利益改善重点項目として、不採算プロジェクトの撲滅とプロジェクトマネジャー体制の強化と早期育成を掲げた。不採算プロジェクトの発生を防ぐために、見積精度の向上や見積前提条件の変化に対応した迅速な再見積の実施だけでなく、プロジェクト計画の策定とプロジェクト定期監視の実施などに組織的に取り組んでいる。上流設計工程での設計品質の確実な作り込みや、失敗を繰り返さないための事例のナレッジ化を進める。
PMO(Project Management Office)は、従来プロジェクトマネジメント(PM)を支援する役割だが、現在、PM内部でプロジェクトマネジャーの早期育成を図っている。そのため、2016年3月期下期と2017年3月期期首に日立グループと富士通グループから4名の超上級PMを採用し、業界トップ企業で行われているプロジェクトマネジメントの浸透に努めている。今期上期は、内部管理体制を固めるための期間とし、下期から業績拡大に重点を移す。
3. サービスライン別動向
(1) システムインテグレーション・サービス(売上高予想:前期比+2.4%)
金融向けは、日立グループやNTTデータグループの新規参画案件の拡大を図る。みずほ銀行のシステム統合プロジェクトが山を越えたことから、他社も受注獲得に動いており、競争が激化するだろう。同社は、官公庁向けシステム開発や直ユーザーとの一括請負化の拡大を目指す。産業・流通分野では、通信・社会インフラなど公共部門に近い、息の長い新規案件の獲得に注力する。
(2) インフラソリューション・サービス(同+5.2%)
システムインテグレーション・サービスと連携して商機を創出する。銀行・公共関係等のストックビジネスの受注拡大を狙う。
(3) パッケージベースSI・サービス(同+15.2%)
前期は55.4%の伸びを達成したが、2018年3月期は15.2%と伸び率が鈍化する見込みだ。Salesforce関連の200万〜300万円の小口案件は、2〜3ヶ月でカットオーバーと短期で終了する。前期は、1,000万円以上の大口案件の受注増加が大幅な増収に寄与する反面、不採算プロジェクトを発生させてしまった。その規模にふさわしい見積精度の向上と全体のシステム設計をするなど内部体制固めた後に、再度の飛躍を図る。
同社は、2017年6月にSalesforce上で動作する自社開発の販売管理支援アプリケーション「necote」(ネコテ)を発表した。同アプリケーションは、顧客管理〜商談管理〜見積・請求・入金・売掛管理までの流れを一括で管理する。複数システムでの二重管理・二重入力の手間をなくし、作業ミスや代金回収漏れを防止する。また、カスタマイズオプションにより会計連携を追加すれば、Salesforce上の情報を自動で会計システムに登録することもできる。一般的にSalesforce上に販売管理システムを構築すると、利用人数に関係なく数百万円〜数千万円の構築費用がかかるが、「necote」は1ユーザー単位の課金のため、少人数・低コストで始めることが可能だ。顧客管理・商談管理などは「Sales Cloud」を利用しているので、販売管理業務だけではなく営業支援にも活用できる。同社は、成長戦略の1つとして、自社のパッケージ開発及びサービス提供を積極的に進めていく。オリジナル商品のシリーズブランド名を「R&Driver」(ランドライバー)とし、「necote」はその第1弾となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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