船井総研HD Research Memo(6):前中計は2年で前倒し達成、現中計も早期達成に期待
[17/06/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略
1. 前中期経営計画数値の振り返りと現中期経営計画
船井総研ホールディングス<9757>は、2017年12月期を初年度に2019年12月期を最終年度とする中期経営計画「Great Value 2020」を策定し推進中だ。この3年間(2017年−2019年)は高嶋社長体制による10年計画の仕上げの3ヶ年であり、「信頼のブランド」を持つ「総合経営コンサルティンググループ」の実現を目指す。強みである業種別の「経営研究会会員」を1万社に増加させ、ストック型コンサルティングを確立することが基本戦略である。3年後にはグループ人員1,400名、コンサル採用200名/年を想定する。
前中期経営計画の3年間(2014年ー2016年)は、売上高・営業利益ともに毎期、計画値を余裕を持って上回り、2年目で3年目の計画をほぼクリアした。3年間の売上高の年平均成長率は17.9%、営業利益成長率は13.7%であり、2ケタ以上の成長を続けた。同社の計画値のありかたが、最低限のコミットメントであり、前倒しのクリアを目標にしていることが拝察される。
現中期経営計画の数値計画に関しても、同様の傾向が見て取れる。売上高22,000百万円(2019年3月期)、営業利益4,500百万円(同)を目指すこの計画は、売上高の年成長率で10.2%、営業利益の年成長率で5.3%であり、やや保守的な計画と言えよう。同社の実績と充実した組織力からすれば、現中期経営計画においても早期の前倒し達成が視野に入るだろう。
2.中期経営計画重点項目:7つの事業室を設置しテーマ別コンサルティングの強化
同社の強みは業種別に特化したコンサルティング部隊である。一方で2014年から着々と取り組んできたのがテーマ別(機能別)の取り組みの強化である。多角的なアプローチをすることで総合経営コンサルティンググループとしてのサービス強化を図るものである。先行して注力してきた業種特性を知りつくした人材開発コンサルティングは、採用、教育、評価などで様々な悩みを抱える顧客企業からの評価も高く、大きな戦力となっている。2017年度から7つのテーマの事業室を設置・拡大、中小・中堅企業の価値向上支援を目指していく。7つのテーマは以下である。
M&Aコンサルティング:2015年7月スタート
WEBマーケティング:2016年1月スタート
生産性向上コンサルティング:2017年度スタート
プロジェクト推進:2017年度スタート
リサーチビジネス:2017年度スタート
ロジスティクスIT推進:2017年度スタート
IPO支援:2018年度スタート(予定)
上記の価値向上支援の強化策は、業種別の業績に含まれてカウントされるため、表には現れないが今後会員企業へのクロスセルが活発化し、経営コンサルティング事業の成長に貢献するものとなっていくであろう。一方、隣接するサービスの形態においてもIT技術を活用した新商品開発も活発化しており、同社の顧客ターゲット層の拡大やコンサルティングサービスの品質向上と効率化に貢献することが予測される。
3.M&A仲介の実績が出始め、今後に期待
特に短期的に大きな業績に反映されそうなのが、M&A仲介である。2015年7月から準備をしてきたこの取り組みは、2017年12月期に2件の成約(アミューズメント、住宅・不動産)が示す通り、成果として結実しつつある。同社のこの分野での強みは、同社の多数の顧客企業で売り手・買い手のマッチングが可能な点である。顧客からの信頼が既にあり、内情を良く知るため、良縁を発掘し、スムーズに取引を成立させることができる立場にある。今後、事業承継が増加する中で、同社の事業承継コンサルティングに付随したM&A仲介業務は大きな成果を生み出すことが期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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1. 前中期経営計画数値の振り返りと現中期経営計画
船井総研ホールディングス<9757>は、2017年12月期を初年度に2019年12月期を最終年度とする中期経営計画「Great Value 2020」を策定し推進中だ。この3年間(2017年−2019年)は高嶋社長体制による10年計画の仕上げの3ヶ年であり、「信頼のブランド」を持つ「総合経営コンサルティンググループ」の実現を目指す。強みである業種別の「経営研究会会員」を1万社に増加させ、ストック型コンサルティングを確立することが基本戦略である。3年後にはグループ人員1,400名、コンサル採用200名/年を想定する。
前中期経営計画の3年間(2014年ー2016年)は、売上高・営業利益ともに毎期、計画値を余裕を持って上回り、2年目で3年目の計画をほぼクリアした。3年間の売上高の年平均成長率は17.9%、営業利益成長率は13.7%であり、2ケタ以上の成長を続けた。同社の計画値のありかたが、最低限のコミットメントであり、前倒しのクリアを目標にしていることが拝察される。
現中期経営計画の数値計画に関しても、同様の傾向が見て取れる。売上高22,000百万円(2019年3月期)、営業利益4,500百万円(同)を目指すこの計画は、売上高の年成長率で10.2%、営業利益の年成長率で5.3%であり、やや保守的な計画と言えよう。同社の実績と充実した組織力からすれば、現中期経営計画においても早期の前倒し達成が視野に入るだろう。
2.中期経営計画重点項目:7つの事業室を設置しテーマ別コンサルティングの強化
同社の強みは業種別に特化したコンサルティング部隊である。一方で2014年から着々と取り組んできたのがテーマ別(機能別)の取り組みの強化である。多角的なアプローチをすることで総合経営コンサルティンググループとしてのサービス強化を図るものである。先行して注力してきた業種特性を知りつくした人材開発コンサルティングは、採用、教育、評価などで様々な悩みを抱える顧客企業からの評価も高く、大きな戦力となっている。2017年度から7つのテーマの事業室を設置・拡大、中小・中堅企業の価値向上支援を目指していく。7つのテーマは以下である。
M&Aコンサルティング:2015年7月スタート
WEBマーケティング:2016年1月スタート
生産性向上コンサルティング:2017年度スタート
プロジェクト推進:2017年度スタート
リサーチビジネス:2017年度スタート
ロジスティクスIT推進:2017年度スタート
IPO支援:2018年度スタート(予定)
上記の価値向上支援の強化策は、業種別の業績に含まれてカウントされるため、表には現れないが今後会員企業へのクロスセルが活発化し、経営コンサルティング事業の成長に貢献するものとなっていくであろう。一方、隣接するサービスの形態においてもIT技術を活用した新商品開発も活発化しており、同社の顧客ターゲット層の拡大やコンサルティングサービスの品質向上と効率化に貢献することが予測される。
3.M&A仲介の実績が出始め、今後に期待
特に短期的に大きな業績に反映されそうなのが、M&A仲介である。2015年7月から準備をしてきたこの取り組みは、2017年12月期に2件の成約(アミューズメント、住宅・不動産)が示す通り、成果として結実しつつある。同社のこの分野での強みは、同社の多数の顧客企業で売り手・買い手のマッチングが可能な点である。顧客からの信頼が既にあり、内情を良く知るため、良縁を発掘し、スムーズに取引を成立させることができる立場にある。今後、事業承継が増加する中で、同社の事業承継コンサルティングに付随したM&A仲介業務は大きな成果を生み出すことが期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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